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高橋愛が語る、地元・福井への変わらぬ愛。もう一つの“故郷”「モーニング娘。」にいま想うこと

インタビュー

高橋愛が語る、地元・福井への変わらぬ愛。もう一つの“故郷”「モーニング娘。」にいま想うこと

「ただの“頑固”も、続けていけば“粘り強い”になっていく」

モーニング娘。としてデビューした当時、まだ14歳だった高橋の存在を広く印象付けたのは、まだ抜けきれていなかった福井訛り、福井弁だった。「当時は自分が訛っているなんて、全然気が付いていなかったんですけどね(笑)」と、照れくさそうに上京したてだった22年前を振り返る。

福井訛りがトレードマークだったデビュー当時を振り返る
福井訛りがトレードマークだったデビュー当時を振り返る撮影/suuu

「同期で入ったこんこん(紺野あさ美)は北海道出身でしたが、モーニング娘。には安倍(なつみ)さんや飯田(圭織)さんがいたのでみんな北海道の方言や訛りには慣れていました。それにガキさん(新垣里沙)は横浜だったし、(小川)麻琴は新潟だからたまにイントネーションの違いがあるだけで、誰も通じないってことはなかったんです。6期で山口県出身のさゆ(道重さゆみ)が入ってきた時にはもうナイーブな時期は越えていたのですが、入りたてのころは私だけが言葉が通じないと感じていて、しゃべりたくないって思っていましたね…。そんな時に『うたばん』で石橋貴明さんや中居正広さんがいじって笑いに変えてくれて、それがきっかけでファンの方たちにも福井弁を知ってもらえることができました。いまとなっては感謝の気持ちでいっぱいです」。

本作の劇中で高橋は、自然体で福井の方言を披露している。「『このままだと役をいただいた時に迷惑がかかるから』と事務所の方に言われ、標準語のレッスンを受けたこともありました。それでもいまだに『訛りが出てるよ』と言われることがあります(笑)。福井で福井弁をしゃべっていた期間は人生のうちの十何年かしかないですが、いまでも自然と使えるのは家族や祖父母のおかげなんです。今回の映画ではそれがすごく役に立って、撮影中も『私、ネイティブなんで!』って誇らしく思っていました(笑)」。

福井県民にとっても、福井の魅力を再確認することができる作品に
福井県民にとっても、福井の魅力を再確認することができる作品に[c]「おしょりん」制作委員会

撮影現場では、久々の映画撮影ということもあって緊張していたという高橋。それでも主演の北乃が積極的に話しかけてくれたことで、和やかに過ごすことができ、のびのびと演技に臨めたようだ。「完成した作品を観たら、メガネについてだけでなく『福井の景色ってこんなにも美しかったんだな…』と、これまで知らなかった福井の魅力をいっぱい発見することができました。だから県外の人にも観てもらいたいですけど、まずは福井県民みんなに観てほしいですね」と作品の出来栄えにも大満足の様子。

もうひとつ、高橋は本作を通して改めて感じた福井の魅力があるという。それは福井の県民性ともいえる“粘り強さ”だ。「主人公たちには諦めたくなるような瞬間が何度も訪れます。でも家のものが全部なくなろうが、借金をしようが絶対に折れない。目標を掲げてブレることなく挑戦していったからこそ、いまのメガネフレーム国内95%というシェアがあると感じました。何年も前に県外の人から、『福井の人たちが諦めずに20年近くも掘り続けたから(新種の)恐竜が発掘されたんだ』と言われたことがあります。この映画を観て、それがすごく納得できました」。

これまでで一番大きな挑戦は「モーニング娘。のオーディションを受けたこと」
これまでで一番大きな挑戦は「モーニング娘。のオーディションを受けたこと」撮影/suuu

そして「私自身は、よく言えば“粘り強い”のかもしれませんが、ただ“頑固”なだけです。事務所の人にも『頑固だね』って言われていましたし(笑)。でもそういうのも、こうやって続けてきたから“粘り強い”になっていくんだと思います。続けていけば、ただの頑固で終わらない」。そう語りながら、自身のこれまでの経験を噛みしめる高橋にとって、いままでで一番大きかった挑戦はなんだったのか?その答えはやはり「モーニング娘。のオーディションを受けたこと」だという。


「当時は本当になにも考えていなかったんです(笑)。モーニング娘。に入りたいという漠然とした気持ちだけでバレエの発表会や合唱コンクールを欠席してオーディションを受けに行って。自分ではオーディション経験がないから受かるとは思っていなかったんです。でも最終選考の合宿でようやく負けたくないという気持ちが芽生えて…。あとは無我夢中でした。挑戦したから受かって、いまここにいる。そう思うと、チャレンジ精神のある福井県民で良かったです」。

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