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高橋愛が語る、地元・福井への変わらぬ愛。もう一つの“故郷”「モーニング娘。」にいま想うこと

インタビュー

高橋愛が語る、地元・福井への変わらぬ愛。もう一つの“故郷”「モーニング娘。」にいま想うこと

「アップデートされていくことが、モーニング娘。の良さであり、強さでもある」

高橋が10年間在籍した「モーニング娘。」と「ハロー!プロジェクト」は、2023年に25周年という大きなアニバーサリーイヤーを迎えた。「いまでは自分がいた場所だとは思えないくらい、ファン目線で見てしまう自分がいます(笑)。こんなにすごいところに自分がいられたんだと考えると、本当にありがたい気持ちでいっぱいなんです」と、ハロー!プロジェクトへの想いを感慨深げに語っていく。

ひとりのファンとして、ハロー!プロジェクトの25周年と現在のモーニング娘。を見つめていく
ひとりのファンとして、ハロー!プロジェクトの25周年と現在のモーニング娘。を見つめていく撮影/suuu

ハロー!プロジェクトからの卒業後は、NHKの大河ドラマ「平清盛」やミュージカル「赤毛のアン」など女優としての経験も重ね、ファッションモデルとしても活躍。2020年には自身のYouTubeチャンネル「高橋愛lab。」を開設。なかでも歌唱動画やダンス動画、モーニング娘。のほかのOGメンバーとのコラボ動画は好評を博している。

また9月9日、10日には、国立代々木競技場第一体育館で「Hello! Project 25th ANNIVERSARY CONCERT」が行われ、その2日目の昼公演「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL ACT I」に歴代のOGメンバーと共に出演。高橋自身が好きな曲のひとつと公言している「Do it! Now」やリーダー時代の代表曲「リゾナント ブルー」を現役のモーニング娘。’23のメンバーと一緒に歌いあげ、OGである保田圭、矢口真里、市井紗耶香、石川梨華、辻希美、紺野あさ美、道重さゆみ、田中れいなと9名でヒット曲「恋愛レボリューション21」を披露した。

「一緒に活動する期間がなかった市井さんとお会いできて、『テレビで見ていた人だぁ!』と感動してしまいました(笑)。4年近く一緒に活動していた石川さんを見ても同じように感動してしまうし、現役のメンバーやほかのハロー!プロジェクトグループの後輩たちもみんな可愛くて、すごく不思議な気持ちになりました。自分も同じように歌っていたはずなんですけど、いろいろな感情が湧きでてきて、大好きな太陽とシスコムーンさんも観ることができたし、ステージに立っている時も『推しが隣にいる!』ってなりながら(笑)。本当に楽しんでいました」。

きらきらと目を輝かせながら夢のようなステージを振り返った高橋。「正直に言えば、客席から観ていたかったぐらいです(笑)。中澤(裕子)さんが30周年の時にはステージに立って歌って踊ると宣言されていたので、5年後も楽しみです」。モーニング娘。の一時代を築きあげた立役者である高橋は、いまではすっかり熱烈なファンのひとりになったようで、“福井愛”に負けないぐらい“モーニング愛”、“ハロプロ愛”が止まらない。


「私はモーニング娘。の楽曲では、『LOVEマシーン』よりも前の『Memory 青春の光』とか『抱いてHOLD ON ME!』のようなアンニュイな感じの曲が大好きなんです。初期のMVは当時からインパクトがあって、とにかくオシャレ。最近の曲は踊りがみんな揃っていてカッコいいけれど、当時はダンス経験のない人も多かったのでそれを活かした良さというか、“エモさ”みたいなものがあります。私が入ってからの曲では『Do it! Now』も好きですし、エンタテインメントとしては『Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜』も最高です。私の大好きな宝塚歌劇団のようなテイストで、MV撮影の時には『私も相手役やりたい!』って憧れていました。最近MVが公開されたモーニング娘。’23の新曲『すっごいFEVER!』は懐かしい感じと現役メンバーのはっちゃけた感じが両方出ていてオススメです」。

そして「そういう歴史があっていまがあるんです。初期のモーニング娘。と私がいたモーニング娘。はどちらも同じグループなのに違った魅力があって、それはさゆ(道重)がリーダーをしていた時代も、いまのモーニング娘。‘23ともまた違う。時代によってアップデートされていくことが、モーニング娘。の良さであり、強さでもあると思うんです」。

11月28日(火)には再びモーニング娘。のOGメンバーとして、「モーニング娘。’23コンサートツアー秋『Neverending Shine Show』SPECIAL」に出演することが決定している高橋。このコンサートは、高橋の卒業直前に9期メンバーとして加入し9年間にわたってモーニング娘。のリーダーを務め、4年以上もハロー!プロジェクトのリーダーを務めてきた譜久村聖の卒業公演前日。モーニング娘。とハロー!プロジェクトがまたひとつアップデートを迎えようとする瞬間だ。

OGとして出演したステージを振り返り「すごく不思議な気持ちになりました」
OGとして出演したステージを振り返り「すごく不思議な気持ちになりました」撮影/suuu

「後輩とたまにごはんに行ったりするのが楽しくって。特に野中(美希)のことは親友と思っています」と、現役のメンバーとも交流があることを明かす高橋は、数多のアイドルグループが乱立するなかでアイドルとしてアーティストとして、パフォーマンスを通して人々を魅了するために奮闘している現役のモーニング娘。’23メンバーやハロー!プロジェクトの後輩たちへの想いを明かす。

「彼女たちには自分が悩んでいたようなことで悩んでほしくないと思っています。お節介に思われてしまうかもしれないですけど、『よくない?』と言ってくれる誰かがいるだけで、すっと軽くなることもある。つんく♂さんがアーティストをやっていたから私たちの気持ちをわかってくれたように、私がモーニング娘。をやっていたから彼女たちにできることがあるし、わかってあげられることもある」。

【写真を見る】高橋愛が振り返る、モーニング娘。としてデビューした22年前の自分。現役ハロプロメンバーへの想いも
【写真を見る】高橋愛が振り返る、モーニング娘。としてデビューした22年前の自分。現役ハロプロメンバーへの想いも撮影/suuu

そして「私自身がそうだったように、“こうじゃないといけない”という考えが本人たちを苦しめてしまうことがある。多少はそういうのもあっていいし、はみ出しちゃいけないこともあるけれど、もっと自由に、一人一人から生まれてくるものを止めないで輝いてもらいたいなって思います」。そう語りながら高橋は、自身のもうひとつの“故郷”の現在と未来を愛情いっぱいに見つめていた。

取材・文/久保田 和馬
※辻希美の「辻」は「一点しんにょう」が正式表記

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