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“物語”のはじまりを描く『傷物語 -こよみヴァンプ-』…知っておきたい、怪異と出会ったヒロイン総まとめ

コラム

“物語”のはじまりを描く『傷物語 -こよみヴァンプ-』…知っておきたい、怪異と出会ったヒロイン総まとめ

怪異と出会い、翻弄された登場人物…。ここからは「物語」シリーズに登場する、知っておくべきキャラクターを紹介していく。阿良々木暦については後述する。

蟹に行き遭った女、戦場ヶ原ひたぎ

本作のヒロインであり、暦の恋人でもあるひたぎ(声:斎藤千和)。「化物語」で初めにフィーチャーされるキャラクターだ。暦と同じく直江津高校に通っており、成績優秀で、本来は運動神経も優れた文武両道、そして才色兼備の3年生。中学時代は、後述の神原駿河と共に陸上部で大活躍していた彼女だが、「難病を患っている」ことから高校では激しい運動は控えている。

彼女は、母親が宗教団体に入信し、自身もその教団員からひどい目に遭ったことで、怪異「おもし蟹」と出会う。おもし蟹は、想い(重い)=重さ(体重)を肩代わりする怪異であり、ひたぎの言う「難病」というのは、これにより体重が5kgしかなくなっていることを隠すものでもあった。想いを奪われたことで、母のことや、自分がされたことへの苦悩は失くせたものの、想い(重さ)を失うことは彼女にとって最善策とは言えず、暦を通じ、怪異の専門家である忍野メメ(声:櫻井孝宏)の手を借りることで体重を取り戻した。

助けを求めて詐欺師に立て続けにだまされたりしたことなどによって形成された、攻撃的で用心深い面が目立つが、本来は友人たちを大切にする情に厚い性格。毒舌を炸裂させつつも、暦を大事にしているのがよくわかる彼女の振る舞いには思わずほっこりさせられる。

猫に魅せられ、虎に睨まれた女子高生、羽川翼

「傷物語」でも重要な役割を担う羽川翼(声:堀江由衣)。直江津高校の3年生で、暦やひたぎのクラスメイトであり学級委員長。ひたぎを凌ぐ学力を持つほか、分析や推理といった頭の回転の速さも桁違い。どんな事件も必ず答えにたどり着き、メメら怪異の専門家の大人たちからは、やや苦手意識を持たれているらしい。

車に轢かれた猫を埋葬したことがきっかけで、性格を豹変させる「障り猫」に憑かれる。さらに、実父が不明であるほか、金銭目当てで結婚した母親が自殺し、さらにその実母の夫は現在の義母と結婚するも過労死、義母も再婚したため両親とは血のつながりがない。事実上の天涯孤独であり、現在の両親との関係も非常に悪い。さらに、密かに想いを寄せていた暦が、ひたぎと恋人になったことでストレスが重なり、それがきっかけで「ブラック羽川」という、彼女の苦しみを背負うもう一つの人格となる、新たな怪異を生みだした。

春休みの件で負い目こそ感じている暦だが、それでも羽川を強く信頼しており、彼女の解決力に頼らざるを得ないシーンも多々。また、暦が戦いに出向く時に、彼の妹たちの面倒を任されるなど、一目置かれている様子だ。

蝸牛に迷った少女、八九寺真宵

大きなリュックを背負い、常に道に迷っている八九寺真宵(声:加藤英美里)。暦から、出会い頭に激しいスキンシップを取られ、八九寺が怒る、というのがお決まりのやり取り。小学生でありながら達観した考え方を持ち、時に暦にアドバイスを送るという場面も。

八九寺の場合、彼女自身が「迷い牛」、一般的な言い方でいう地縛霊の怪異。離れて暮らす母のもとへ向かう途中、交通事故で命を落とし怪異となってしまった。迷い牛は、自分も目的地に“帰る”ことができないことに加え、「家に帰りたくない」と願う者の前に現れて、その人物を永遠に迷わせる。10年以上もの間迷い続けているため、本来であれば暦たちより歳上。見た目に反して長くこの世界にとどまっているため、彼女の大人びた発言にも納得がいく。

猿に願った少女、神原駿河

直江津高校に通う2年生、神原駿河(声:沢城みゆき)。運動神経が抜群によく、弱小だった直江津高校バスケ部を全国大会へと導いた。加えて、人当たりもよく明るい性格なため学校内には彼女のファンクラブが存在するほど。また、爽やかな見た目に反し、いかがわしい思考の持ち主で、それゆえに髪が伸びるのが異常に早いという。

ひたぎを愛しており、彼女が抱える悩みを解決しようとしたが拒絶され、距離を置くうちに暦が解決してしまったため、暦に強い憎しみを抱くように。いまは亡き神原の母が遺した「悪魔の手」に、「ひたぎと以前のような関係に戻る」ことを願ったが、その奥に潜んだ「暦を排除したい」という願いが叶ってしまう。彼女の左腕は猿となり、夜な夜な暦に襲いかかるように。暦とひたぎにより、願いが叶うことはなかったが、ひたぎと元の関係に戻ることができた。

蛇に巻かれ、噛みつかれた女子中学生、千石撫子

千石撫子(声:花澤香菜)は、暦の母校に通う中学生で、暦の妹の月火(声:井口裕香)とは小学校の同級生。内向的かつ気弱な性格で、その性格ゆえに二度怪異と相対することになる。暦に想いを寄せており、暦を自宅へと呼び2人きりで遊ぶなど、暦を前にすると普段の彼女からは想像できないほど積極的な姿を見せ、暦の「男の子としての大事ななにか」が危機にさらされる時もあった。

千石は、自身に言い寄ってきた男子を拒否したことで、呪詛「蛇切縄」に見舞われている。暦の活躍で無事、蛇切縄の呪いは解けるが、クラスメイトのいさかいを担任から押し付けられたり、暦とひたぎの関係を知ってしまったりとストレスが重なり、自ら暦たちが住む街の神社である北白蛇神社の御神体を飲み込んで邪神に。いずれも強く出られない性格が怪異を引き起こす形となっており、彼女にまつわる怪異は、ほかと比較してもかなり厄介なものだった。

蜂の少女&ホトトギスの少女、阿良々木火憐&月火

暦の妹で、火憐(声:喜多村英梨)が中学3年生、月火が中学2年生。2人あわせて「ファイヤーシスターズ」と呼ばれており、自身の通う学校や周辺のトラブル解決に精を出し、「ファイヤーシスターズ」という名前は母校が異なるひたぎも知っていたほど。飛び抜けた運動神経を持つ火憐が実戦、冷静に物事を分析できる月火が参謀を担当している。

火憐は、詐欺師によって中学生の間でおまじないが流行った際、事件解決のため単身詐欺師のもとへと乗り込むが、「囲い火蜂」の怪異を与えられ高熱を出すことに。しかしこれは詐欺師の催眠によるプラシーボ効果であったため、メインキャラのなかでは唯一、実在の怪異には襲われていない。また、月火は彼女自身が「しでの鳥」という怪異で、人間の母体に托卵しその子どもとして転生するという特性を持っている。つまり、人間に擬態した怪異ということだ。月火自身は自分が怪異とは気づいていないようだが、暦が知っているのはもちろんのこと、火憐もうすうす気づいている。


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