北米でも『ウォンカ』が首位スタート!オスカーレースへ参戦する『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』の現況は?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
北米でも『ウォンカ』が首位スタート!オスカーレースへ参戦する『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』の現況は?

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北米でも『ウォンカ』が首位スタート!オスカーレースへ参戦する『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』の現況は?

前週は『君たちはどう生きるか』(日本公開中)と『ゴジラ-1.0』(日本公開中)の日本映画2作品で沸いた北米興収ランキング。その両作品が引き続き好調のなか、先週末(12月15日から17日)のランキングは『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(日本公開中)がほかを大きく引き離して首位スタートを飾った。

ティモシー・シャラメ出演作としては『DUNE/デューン』に次ぐオープニング成績を記録
ティモシー・シャラメ出演作としては『DUNE/デューン』に次ぐオープニング成績を記録[c]Everett Collection/AFLO

ロアルド・ダールの名著「チョコレート工場の秘密」に登場するウィリー・ウォンカの若き日を描き、北米より1週早く封切られた日本でも順調な滑りだしを見せている同作。4203館で封切られ、初日から3日間の興収は3900万ドル。最終興収2億ドルを突破したティム・バートン監督の『チャーリーとチョコレート工場』(05)のオープニング興収が5617万ドルだったので、それと比較すれば見劣りするものがあるが、それでも1億ドル超えを狙える数字といえよう。

またティモシー・シャラメの主演作としては、初日から3日間で4101万ドルの興収を記録したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)に匹敵する数字であり、その最終興収1億837万ドルが当面の目標となるだろう。ちなみに北米以外の海外興収は、英国での大ヒットが後押しとなってすでに1億ドルを突破している。こちらでも『DUNE/デューン』(海外興収2億9300万ドル)を超えられるのかに注目が集まるところだ。

【写真を見る】『ゴジラ-1.0』が日本映画初の快挙へ前進!ハリウッドの超大作と視覚効果で真っ向勝負
【写真を見る】『ゴジラ-1.0』が日本映画初の快挙へ前進!ハリウッドの超大作と視覚効果で真っ向勝負[c]2023 TOHO CO., LTD.

今週も粘り強く2位をキープした『ハンガー・ゲーム0』(日本公開中)は、年内には北米累計興収1億5000万ドル、全世界興収3億ドル突破が確実なラインに到達。また日本勢は3位に『君たちはどう生きるか』が、4位に『ゴジラ-1.0』が並び、どちらも劇場数を増やしつつ3日間の興収は500万ドル以上をキープ。21日の木曜日までの累計興収は、前者が2700万ドル、後者が3700万ドルとなっている。


この日本勢2作品が今後どこまで興収を積み上げるかが見どころのひとつではあるが、それ以上に注目されているのはオスカーレースへの参戦である。前週も触れた通り『君たちはどう生きるか』は長編アニメーション賞の有力候補であり、かつ先日発表されたショートリスト(一部の部門で発表される最終選考に進んだ作品)で作曲賞の最終選考にも残っている。また『ゴジラ-1.0』も視覚効果賞で日本映画初のショートリスト入り。すでに各地の批評家協会賞でも同部門をいくつか受賞しており、日本映画初のノミネートも夢ではなさそう。

オスカーの“一番切符”トロント国際映画祭観客賞を受賞した『American Fiction』がついに公開
オスカーの“一番切符”トロント国際映画祭観客賞を受賞した『American Fiction』がついに公開[c]Everett Collection/AFLO

オスカー絡みのトピックといえば、7館での限定公開ながら20位にランクインを果たした『American Fiction』もはずせない。過去10年間で10作品がアカデミー賞作品賞へと駒を進め、3作品が頂点に輝いていることで知られるトロント国際映画祭の観客賞受賞作である同作は、パーシヴァル・エヴェレットの小説をもとにした社会風刺劇。批評家からの評判も当然のように高く、ジェフリー・ライトの主演男優賞入りも含めてオスカーの主要部門で大旋風を巻き起こすと期待されている。同賞のノミネート発表まであとちょうど1か月。興行的なインパクトも獲得できれば、ますますその可能性は高くなるのだが。


文/久保田 和馬

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