映画という戦場を生き延びろ!ハリー・スタイルズが『ダンケルク』の現場で見たものとは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
映画という戦場を生き延びろ!ハリー・スタイルズが『ダンケルク』の現場で見たものとは?

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映画という戦場を生き延びろ!ハリー・スタイルズが『ダンケルク』の現場で見たものとは?

「ダークナイト」三部作や『インターステラー』など、新作を発表する度に観る者を唸らせてきたクリストファー・ノーラン監督が、初めて実話の映画化に挑む新作『ダンケルク』が、9月9日(土)に公開される。

2010年の『インセプション』以来7年振り4度目となる、クリストファー・ノーラン監督の来日も決定し、公開が1か月に迫る中、本作で鮮烈なデビューを飾った期待の若手俳優4人が“天才監督の現場”を語る座談会の映像が到着した。

『ダンケルク』は、第二次世界大戦中の1940年、海の町ダンケルクを舞台にしており、陸海空から迫りくるドイツ敵軍80万人に惨敗した、英仏軍40万人の撤退作戦が展開される物語。トム・ハーディ、マーク・ライランス、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズらが演じる兵士たちを主人公に据え、絶体絶命の窮地から必死に生き抜く彼らの姿を描く。

ノーランは、実話の映画化に挑むため、徹底してリアルにこだわったと語る。その徹底ぶりは、1940年に活躍した英戦闘機スピットファイアの実機を飛ばして撮影するほどだ。その中でも、特に心血を注いだのが、絶体絶命の状況を生き抜く、若き兵士たちのキャスティングだ。

「30歳近くの俳優がもっと若い役を演じているが、我々が起用したかったのは、当時の兵士のように戦争を感じられる世代だ。そのためには新人の発掘が不可欠だったんだ」と監督が語る通り、オーディションによって演技経験がほとんどない新人俳優たちが選ばれた。

オーディションでハリー・スタイルズと出会ったノーランは「子供たちから(ワン・ダイレクションの)ハリーの事は聞かされていたが、詳しくは知らなかった」と告白。「彼は誠実で、俳優としての資質を持ち、カリスマ性が宿っていた」と語り、『ダークナイト』に故ヒース・レジャーを起用した時と同様に、自分の直感を信じたと語っている。

ノーランが選んだ若きキャストは、ハリーのほか、皿洗いから主人公トミーに大抜擢されたフィオン・ホワイトヘッド、ダンケルクに救出に向かう民間船に乗り込む青年ピーター役のトム・グリン=カーニー。そして、舞台俳優として活躍するジャック・ロウデンが、トム・ハーディとスピットファイアを駆る若きパイロット、コリンズ役を射止めた。

座談会では、4人はパニック状態に近かった撮影を振り返り「芝居は必要なかった」と語る。「取り巻く状況に対する僕らの正直なリアクションだ。空襲など多くのシーンは演技が不要だった」とハリー。新人俳優たちは現実のように再現された戦場を生き抜くことに懸命だった。

座談会が監督の話題になると「やっと聞いてくれた!」とハリーが微笑み「誰よりも早く来て最後に帰る」現場主義の演出家だと証言する。トムは「大抵の監督は離れた場所にいて、そこから大声で指示を出すと聞いていた。でもノーラン監督は常にカメラの隣にいる」と、俳優やスタッフと共に現場の最前線で指揮を執った監督に敬意を表した。

4人は、本作の見どころについて「本物の戦闘機や軍艦に巨大なセット、大人数のエキストラによる壮大なスケール」(フィオン)、「スリル満点の一大巨編だね。しかも史実に基づいている」(トム)、「緊迫感あふれる映画だ」(ハリー)、「息もつけないほどのサバイバル映画」(ジャック)と語ってくれた。

ノーランが初めて挑んだ実話は、相手を打ち負かす「戦い」ではなく、生き残りをかけた「撤退」の物語。若き役者たちにとって、この現場はまさに戦場だったようだ。フィルムに焼き付けられた、彼らの闘いに期待したい。【Movie Walker】

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