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スライムが高級食材でアニサキスがトレンドに!?魔物を調理しながら冒険する「ダンジョン飯」のおもしろさ

コラム

スライムが高級食材でアニサキスがトレンドに!?魔物を調理しながら冒険する「ダンジョン飯」のおもしろさ

高級食材!干しスライムを投入した大サソリと歩き茸の水炊き

第1話で食材になったのが、大サソリ、歩き茸といった本作ならではの魔物に加え、ファンタジー定番の魔物、スライムだ。ゼリー状のスライムをどう調理するのか?そこで光るのがセンシの豊富な知識。いくつかの工程を経たうえで天日干しすることで、高級食材、干しスライムになるのだ。調理に際し、スライムの構造がどうなっているのかが図解を使いながら語られていたのも興味深い。乾燥には時間がかかるため、今回はセンシが持っていた干しスライムを料理に使い、大サソリや歩き茸をふんだんに使った「大サソリと歩き茸の水炊き」へ投入。食材の出汁をしっかり吸った干しスライムを頬張るライオスたちが羨ましくなる一品だった。

一見食べられそうにない…動く鎧を調理したフルコース

第3話は衝撃のエピソード。どう考えても可食部のない魔物“動く鎧”が食材だ。どうすれば鎧を食べられるのか…。そんな不可能に挑むのが「ダンジョン飯」の神髄。ライオスは動く鎧と戦うなかでその正体を突き止める。実は貝のような軟体生物が鎧の中に群棲し、動かしていたのだ。

動く鎧だって食べてしまう!?
動く鎧だって食べてしまう!?[c]九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会

それがわかれば、あとは倒して調理するのみ。美味しそうな貝料理にしか見えない「動く鎧のフルコース」に、視聴者の口内を涎の洪水が襲った。一方で、料理のなかにとある失敗作が混ざっていたのも、未知の食材を取り扱う状況ではしかたない。「こんな魔物食べられないだろう!」を覆していく展開に、思わず引き込まれてしまう名エピソードだ。

生で食べると危険なジャイアント寄生虫

全視聴者を震撼させたのは第7話。この時の食材はジャイアントクラーケンという超巨大なタコやイカに似た魔物…に、寄生していたジャイアント寄生虫だ。どこからどう見てもグロテスクで美味しそうには見えない寄生虫も、ライオスとセンシにとってはただの食材。鰻のようにきれいにさばき、元が寄生虫とは思えない見事な蒲焼き&白焼きを完成させた。

タコやイカに似た水棲の魔物、ジャイアントクラーケン
タコやイカに似た水棲の魔物、ジャイアントクラーケン[c]九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会

完成した魔物料理を美味しく食べる一行だったが、調理中にこっそり、巨大寄生虫を生でかじっていたライオス…。なんと巨大寄生虫にさらに寄生していた、アニサキスのような寄生虫に当たってしまう。痛みで悶絶するライオスの姿に、視聴者も思わずXで感想を投稿しまくり。「アニサキス」がトレンド入りする事態となった。生食や寄生虫の危険性も(主人公が体を張って)伝えてくれる前代未聞の作品。これぞ「ダンジョン飯」、ああ「ダンジョン飯」。


魔物という存在のリアリティを実在の生物になぞらえ、料理を通じて高めている「ダンジョン飯」。今回紹介したメニュー以外にも多種多様な魔物料理が登場し、観る者を楽しませてくれる。冒険ファンタジーに一風変わったグルメ要素を絡めた本作をぜひチェックしてみてほしい。

文/リワークス(加藤雄斗)

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