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40年前の知恵と現代の技術が融合!『ゴーストバスターズ』最新作のゴーストたちはこうして作られた

インタビュー

40年前の知恵と現代の技術が融合!『ゴーストバスターズ』最新作のゴーストたちはこうして作られた

映画を盛り上げる“ポゼッサー”と“ガラッカ”の描き方の秘密とは?

こうして伝統技術と作り手たちのアイデア、そして現代だからこそできるノウハウをフルに活かして生みだされたユニークな特殊効果&視覚効果の数々が、劇中にはふんだんに盛り込まれている。なかでもヴァン・デル・プールの特殊効果チームにとって大きな挑戦となったのが、無生物に宿って命を吹き込むことができる悪魔“ポゼッサー”の描き方だ。

エクトワンもゴーストに乗っ取られる!?
エクトワンもゴーストに乗っ取られる!?

ある時、ニューヨーク市立図書館から逃げ出し、まずゴミ袋に化け、図書館の入口南側を守る図書館ライオンのペイシェンスに飛び込み、レイモンド・スタンツ(ダン・エイクロイド)を威嚇。さらに掃除機からソニーのディスクマン、ワックスシリンダーの蓄音機、スタッキングチェア、紙飛行機、ピザに、エクトワンなど実に様々なものに取り憑いていく。そしてあるシーンではプロトンパックにも取り憑いてしまう。

ヴァン・デル・プールは、そのプロトンパックを粉々にできるよう、軽量で分解可能なバージョンを作成。「たくさんのゴムの部品が激しく飛び散りますが、俳優たちはそのすぐそばにいることができます」と、ここでもリアルを追求。またピザも柔らかい円盤に2本の棒を挿入することでテーブル上を横切ることができるように作りあげた。「ピザがプラスチックのピザ台をはじき飛ばして走り去ります。そういうちょっとした演出が、この作品に命を吹き込んでいくのです」。

すべてを凍らせるガラッカ…その恐るべき力にどう立ち向かうのか
すべてを凍らせるガラッカ…その恐るべき力にどう立ち向かうのか

そして両チームの綿密なコラボレーションによって実現されたもうひとつの見せ場は、本作の真のヴィランである“ガラッカ”の能力。「映画のクライマックスでは、マンハッタンの様々な場所が凍りつくという時間との闘いのなかで、ゴーストバスターズは試練に挑み、彼を止めようと奮闘します」とブレヴィグは言う。ガラッカにやられたモノは完全に凍りつき、氷の結晶となって砕け散ってしまう。


かつて同じような手法に『ターミネーター2』(91)で挑んでいたことを思い出したヴァン・デル・プールは、それを実行しようとするのだが、大きな爆発を伴うため不可能に近い。そこでブレヴィグの出番だ。「俳優たちにそれぞれのキャラクターに扮してもらい、彼らをスキャンしました。何百台ものカメラで様々な方向から同時に撮影した情報で、彼らの非常に正確なCGバージョンを作りました。そして特殊効果チームもそれに合わせて実物大の彫刻を作り、そこから氷の彫刻を作り、それを砕くのです」。

『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』は3月29日(金)公開!
『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』は3月29日(金)公開!

もちろんコニーアイランドやトライベッカ界隈が氷の世界に包まれたり、ガラッカが氷の槍を打ち上げるシーンにも視覚効果が駆使されている。両チームが総力をあげて完成したこれらのシーンからは、きっと身も凍るようなガラッカの恐るべき力を存分に味わうことができるだろう。是非とも劇場のスクリーンで、新世代のスタッフとキャストが自信をもって送りだす新たなゴーストバスターズの活躍を見届けよう!

構成・文/久保田 和馬

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