『オーメン:ザ・ファースト』監督が語る、ホラー映画の“金字塔”への挑戦|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『オーメン:ザ・ファースト』監督が語る、ホラー映画の“金字塔”への挑戦

インタビュー

『オーメン:ザ・ファースト』監督が語る、ホラー映画の“金字塔”への挑戦

「私は1970年代のホラー映画を観て育ちましたが、そのなかでも大好きな作品が『オーメン』です」。『ローズマリーの赤ちゃん』(68)や『エクソシスト』(72)によって急激に拡大した1970年代のオカルト映画ブームを牽引した作品である『オーメン』(76)。その前日譚が描かれる『オーメン:ザ・ファースト』(公開中)で長編映画監督デビューを飾った女性監督のアルカシャ・スティーブンソンは、偉大なオリジナル版に敬意を表する。

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「“新しいことをやろうとしている”とわかった瞬間、すぐに引き込まれました」

「第1作はとても完璧な映画です。演出や撮影、演技、どれをとっても本当に見事で、特にすばらしいキャストたちが揃っていることもあり、恐ろしいカーニバルライドではなく一つのヒューマンドラマとして、真剣に受け止めざるを得ない作品でした。そこに描かれていたのは自分の子どもを充分に理解できないことからくる夫婦の混乱。そうした人間的な部分がスーパーナチュラルな部分よりも先行しており、そこから恐怖が生みだされる。だからこそ、その前日譚を作るということはとても恐ろしい挑戦でした」。

監督に抜擢されたアルカシャ・スティーブンソン
監督に抜擢されたアルカシャ・スティーブンソン[c] 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

のちに『スーパーマン』(78)を手掛けるリチャード・ドナー監督がメガホンをとり、『ローマの休日』(52)の名優グレゴリー・ペックが主演を務めた『オーメン』では、妻が死産した外交官の男が神父から孤児を託され、“ダミアン”と名付けるところから物語が始まる。今作ではその孤児がどのようにして、6月6日午前6時に生まれることになったのか。複数のシリーズ作とリメイク、ドラマシリーズまで作られた「オーメン」の原点へと立ち返ることとなる。

「プロデューサーの一人が友人で、彼女に脚本を見せてもらったことから始まりました」と、スティーブンソン監督はこのプロジェクトに関わった経緯を話し始める。「大好きな映画の前日譚を作ろうとしている人たちは、いったいどんなことを考えているのだろうか。そう期待しながら読んでみると、物語が若い女性の視点から描かれていました。この映画に関わっている人たちは皆、なにか新しいことをやろうとしている。そうわかった瞬間、すぐに引き込まれていきました」。


スティーブンソン監督はこれが長編デビュー作となった
スティーブンソン監督はこれが長編デビュー作となった[c] 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ちょうどその頃スティーブンソン監督は、本作の製作総指揮を務める脚本家のティム・スミスと、“強制生殖”をテーマにした映画の話をしていたのだという。それがきっかけとなり適任と判断されたのであろう。プロデューサーチームやスタジオから、本作の監督へと指名されることになる。「以前から“ボディ・ホラー”、すなわち肉体の破壊や変容によって生みだされる恐怖を映画で描くことに興味がありました。その視点を私が持ち合わせていることに、彼らは興味をそそられたのでしょう」。

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