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中華圏&韓国で大人気の台湾俳優、シュー・グァンハンってどんな人?原石が光るまでの歩みをたどる

コラム

中華圏&韓国で大人気の台湾俳優、シュー・グァンハンってどんな人?原石が光るまでの歩みをたどる

C-POP界のスーパースターによる大ヒット曲で初めて脚光を浴びる

グァンハンが初めて大勢の目にとまったのは、まだ芸能界に入る前のこと。子どものころ、ぜん息を患っており、健康のために卓球教室に入ったことがきっかけで、アジアを代表するポップスター、ジェイ・チョウの2003年のヒット曲「三年二班」のミュージックビデオに出演。ジェイ・チョウの幼少期を演じた。

ちなみに、もちろんMVに出ていた小さい男の子の名前などまだ知るよしもなかった当時、「三年二班」は筆者が暮らしていた北京でも知らない若者はいないほど街中で流れていたヒット曲。いま思えばグァンハンは、スターになる星の下に生まれてきたとしか思えない。

もともと歌が得意で、高校、大学とバンドを組んでボーカルを務めていたというグァンハン。最初は歌手になる夢を抱き、芸能事務所に入ってデビューに向けたレッスンを積んでいた。その間、マレーシアのドラマ「潛入藍中籃」に出演。先に俳優デビューを果たすが、歌手デビューの話のほうは流れてしまう。その後、しばらくモデルとして活躍。転機が訪れたのは2015年だった。

名監督たちによる育成プロジェクトで演技を磨く

2015年、ワン・シャオディ監督がツァイ・ミンリャンチェン・ユーシュンら7人の著名な監督に声をかけ、俳優、脚本家、監督など若手の人材育成とドラマ制作を目的にしたプロジェクト「植劇場」が立ち上がる。300人以上の応募者のなかから選出された新人俳優24人が「Qplace」という演技教室に参加し、演技を磨いて実際に制作されるドラマシリーズに出演するというものだ。このプロジェクトに参加したグァンハンは、「戀愛沙塵暴」「先生、本当の恋って?」に出演。8人の監督とゲスト、視聴者、スタッフらからの投票で24名新人俳優中3位という高評価を受けた。

とりわけ、性犯罪を題材にした「先生、本当の恋って?」では脳に障がいのある青年を演じ、台湾のエミー賞といわれる第52回金鐘奨の助演男優賞にノミネートされるなど高く評価され、注目されるようになる。

「先生、本当の恋って?」で第52回金鐘獎の助演男優賞にノミネートされた
「先生、本当の恋って?」で第52回金鐘獎の助演男優賞にノミネートされた写真は金鐘獎 Golden Bell Awards(@goldenbellawards)公式Instagramのスクリーンショット


「Qplace」の投票で1位と評価されたのは、日本でも話題を呼んだ『1秒先の彼女』(20)と、6月14日(金)に日本公開を控える『オールド・フォックス』に出演しているリウ・グァンティン。このほか、「Qplace」出身者からは「最後の雨が降るとき」のヤン・ユーリーや、「悪との距離」のチェン・ユーらがブレイク。いずれも現在の台湾の映画・ドラマ界を担う俳優に成長しており、どれだけハイレベルなクラスだったのかがわかる。

ラブコメの個性的な脇役で爪痕を残す

台湾といえばアイドルドラマも人気のジャンル。期待の若手俳優として注目されはじめたグァンハンも、「アテンションLOVE」や「年下のオトコ」などに出演した。脇役ながらキュート&コミカルな演技でインパクトを残している。

2019年に「年下のオトコ」のファンイベントで来日した
2019年に「年下のオトコ」のファンイベントで来日した写真は許光漢(@kuanghanhsu)公式Instagramのスクリーンショット

「アテンションLOVE」では、ヒロインの学生時代の同級生役。臆病者でちょっと情けないキャラクターだが、そんな自分のダメさ加減を好きな人に指摘されてうろたえるシーンなどは彼のうまさが光る。

「年下のオトコ」には年上女性と恋に落ちる主人公の同級生役で登場。ヘルメットを思わせるヘアスタイルも、しっかり自分のモノにしているのはさすが。出番は多くないけれど、個性的な脇役を丁寧に演じている。

このままいけば、個性派バイプレイヤー路線に走っても不思議ではないカメレオンぶりだが、シュー・グァンハンは“持ってる人”だった。

シュー・グァンハンの独特な魅力に惹かれていく人が続出
シュー・グァンハンの独特な魅力に惹かれていく人が続出

2019年は彼をスターダムに押し上げる飛躍の年となった。ドラマ「罪夢者」や映画『ひとつの太陽』など、演技者としてさらに評価を高めた作品が立て続けに配信、公開されたほか、彼の人気に火をつけたドラマ「時をかける愛」の放送がスタートしたのだ。後編では、グァンハンをアジアの人気俳優に押し上げた「時をかける愛」と、必見の作品たちを紹介していく。

文/新田理恵

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