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黒澤明の影響に小栗旬へのラブコールまで!『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン監督が明かす、映画体験と演出術

インタビュー

黒澤明の影響に小栗旬へのラブコールまで!『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン監督が明かす、映画体験と演出術

「A24は、アーティストの希望を守ることを重視する」

ソン監督期待の次回作も、A24と組んだロマンティックコメディになる予定だ
ソン監督期待の次回作も、A24と組んだロマンティックコメディになる予定だ[c] Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

韓国系アメリカ人だからといって、韓国のドラマやK-POPにはそこまで詳しくないというソン監督は、ヘソン役を選ぶ際、「韓国では、ある程度名が売れた俳優をオーディションする習慣はない」と知って驚くなど、カルチャーギャップも経験。それでも「ほかの映画やドラマを観ただけでは判断できない」と、ヘソン役のユ・テオをオーディションで選び、自分のやり方を貫いたりもした。本作の成功で期待される次回作は、再びA24と組み、富裕層向けのマッチングサービスを描いたロマンティックコメディになる予定。ダコタ・ジョンソンやクリス・エヴァンスに出演交渉中という噂だ。

「普通に暮らす人にとって最も劇的なのは、恋に落ちる経験でしょう。またもや私は自分の興味のある題材に取り組むことになります。A24はリスクを厭わないスタジオで、アーティストの希望を守ることを重視します。監督の編集の権利も守ります。『パスト ライブス/再会』で組んだ時も、初監督の私が物怖じしないように心掛けてくれました。ハリウッドのスタジオでこうした体制はとても珍しく、私はありのままの自分として映画を撮ることができるのです」

「私は小栗旬と共に成長したと言ってもいいです(笑)」

では、映画作家として今後の野心はどうなのか。黒澤明の話も出たので、もしかして日本の才能でソン監督の心を刺激し、今後、一緒に作品を作りたい人もいるのではないか。そんな質問をぶつけると、うれしそうに次のような答えを返してきた。

ソン監督のなかでも大きな割合を占めているという、マンガやジブリ作品といった日本文化
ソン監督のなかでも大きな割合を占めているという、マンガやジブリ作品といった日本文化[c] Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

「小栗旬!私は彼と共に成長したと言ってもいいです(笑)。映画では『クローズZERO』や『銀魂』で夢中になりました。彼は何歳?(自分でパソコンで調べながら)41歳ですか。あのキャリアだから、もうちょっと上かと思ってました。小栗旬は英語も話すんですね、それはラッキー。いつか一緒に仕事をしたいです。『銀魂」はほかの俳優も好きで、メガネのキャラを演じた人も気になってます(志村新八役の菅田将暉か)。私はマンガが大好きで、『NARUTO -ナルト-』や『ONE PIECE』はもちろん、『DEATH NOTE』や『BLEACH』を愛読していて、これらは私のカルチャー世界で大きな部面を占めてるんですよ。いまは『進撃の巨人』も読みたくて…。同時に宮崎駿作品の大ファンですし、あとは金城武。ウォン・カーウァイ映画の彼はすばらしい」

小栗旬、金城武と、セリーヌ・ソン監督の好きな俳優の傾向はなんとなく伝わってくる。彼女と日本人俳優とのコラボレーションがいつ観られるのか。その未来は、それほど遠くない気もする。

ソン監督が今後どんな作品をつくっていくのか、いまから楽しみだ
ソン監督が今後どんな作品をつくっていくのか、いまから楽しみだ[c] Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

取材・文/斉藤博昭

※宮崎駿の「崎」は立つ崎が正式表記


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