怪獣映画好きにはたまらない『ゴジラxコング 新たなる帝国』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
怪獣映画好きにはたまらない『ゴジラxコング 新たなる帝国』など週末観るならこの3本!

コラム

怪獣映画好きにはたまらない『ゴジラxコング 新たなる帝国』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、ハリウッド版「ゴジラ」シリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』(17)がクロスオーバーする「モンスター・ヴァース」シリーズ最新作、現在大ヒット中の「名探偵コナン」劇場版第27作目、問題児な女の子を強烈な演出で描くノラ・フィングシャイトの長編デビュー作、GWに観たい3本。

新種も飛び出す猛烈なバトル…『ゴジラxコング 新たなる帝国』(公開中)

【写真を見る】ゴジラとキングコングという2人の王の衝突と共闘を描く(『ゴジラxコング 新たなる帝国』)
【写真を見る】ゴジラとキングコングという2人の王の衝突と共闘を描く(『ゴジラxコング 新たなる帝国』)[c] 2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『ゴジラvsコング』(21)に続く、このモンスター・ヴァース最新作では、またもゴジラとキングコングの両雄が激突!さらに共闘へと発展するのだから面白い。地上で起きた怪獣バトルのパニックは、コングが棲む地下世界での覇権争いにも影響する。2大怪獣に加え、新種も飛び出す猛烈なバトルは怪獣映画好きにはたまらない。

前作に続いて監督を務めたアダム・ウィンガードの演出は『トランスフォーマー』(07)を思わせるほどアップテンポで、ローマをはじめ世界の大都市を遠慮なく破壊して圧倒的なスペクタクルを築き上げる。自然と神秘に満ちた地下世界のビジュアルも印象的。ウィンガードは続編を考えているというが、それも楽しみになる娯楽大作だ。(映画ライター・有馬楽)

何回も観て伏線を確認したくなる…『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)

北海道、函館を舞台に繰り広げられるお宝争奪バトルミステリーを描く『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
北海道、函館を舞台に繰り広げられるお宝争奪バトルミステリーを描く『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』[c]2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

劇場版シリーズ史上、最高のロケットスタートをきった第27作目。今回は人気の高い観光スポット、北海道、函館を舞台に、新選組の土方歳三にまつわる刀をめぐって、壮大なスケールのお宝争奪バトルが繰り広げられる。土方の時代とリンクする本格謎解きミステリー、ド派手なアクション、ラブコメディと、ファンを喜ばせる見どころが盛りだくさん!

メインキャラは、コナン(声:高山みなみ)、西の高校生探偵、服部平次(声:堀川りょう)、怪盗キッド(声:山口勝平)の3人。探偵と怪盗が対決するのではなく、あうんの呼吸で共同捜査に取り組みながら、それぞれの立場で謎を追っていくという熱い展開が嬉しい。いつもクールなキッドの高校生、黒羽快斗としての素の部分が強く感じられるのが本作の特徴で、特にキッド専任捜査官である中森警部への深い想いがにじみ出るシーンには胸がいっぱいになる。平次と幼なじみの和葉(声:宮村優子)、相思相愛なのにかみ合わない2人の恋のゆくえにも注目だ。告白するのにふさわしい絶景を探し求めてきた男、平次にとって、美しいスポット満載の函館はうってつけ。告白について平次から相談された蘭(声:山崎和佳奈)が、せっせと後押しする姿もおかしい。登場人物が多く、さまざまなストーリーが錯綜する構成なので、何回も観て伏線を確認したくなる。そして、最後の最後に明かされる新事実の衝撃ときたら…!早くも次回作が気になってしょうがない。(映画ライター・石塚圭子)


ガッツリ観る者の心を掴んで揺らす…『システム・クラッシャー』(公開中)

制御不能で攻撃的な子どもに焦点を当てた『システム・クラッシャー』
制御不能で攻撃的な子どもに焦点を当てた『システム・クラッシャー』[c] 2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG (haftungsbeschränkt), ZDF

他に幼子を抱える母親は情緒不安定の9歳の少女ベニーを持て余して施設に預け、ママと一緒に暮らしたいベニーは怒りを増幅させ、問題を起こしては施設を転々とする――。まさに悪循環。この負のループから抜けだす方法はあるのか!?観る者を途方に暮れさせながらも、なぜか本作には悲愴感が漂わない。それは、9歳のベニーの型に収まりきらない個性の強さ、はちきれんばかりの生命力に拠るものだろう。目を釘付けにするパワーが、ラストに至るまで彼女の全身にみなぎる。ベニーに辟易する瞬間もあれば、つい母親を責めたくなる瞬間もある。だがカメラは誰を断罪することなく、ピンクの服に身を包んだベニーの表情や言動、衝動とそれが引き起こすものを真正面から観客に差し出す。

我々は息を呑んで“愛を求めて彷徨う”ベニーを見つめ、色んな大人たちが真剣に関わろうとする姿に“今度こそ”と希望を託し、ことごとく失敗して途方に暮れる姿に、心を寄せともに途方に暮れる。アッと驚くと同時に、不謹慎にも解放感を覚えるラストシーンも忘れ難い。このテーマにしてガッツリ観る者の心を掴んで揺らすのは、本作がまさかの長編デビューとなるノラ・フィングシャイト。第69回ベルリン国際映画祭で銀熊賞など2冠を受賞の他、多数の賞を受賞。ベニーを演じたヘレナ・ツエンゲルは、まさしく小さな名女優!(映画ライター・折田千鶴子)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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