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来日したノーマン・リーダスにインタビュー!「ウォーキング・デッド」スピンオフシーズン2で「キャロルとダリルの絆の深さがわかる」

インタビュー

来日したノーマン・リーダスにインタビュー!「ウォーキング・デッド」スピンオフシーズン2で「キャロルとダリルの絆の深さがわかる」

ドラマ「ウォーキング・デッド」のダリル役を15年間にわたって演じ、いまはそのスピンオフドラマ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」(U-NEXTでシーズン1が配信中)に主演するノーマン・リーダスが、大阪コミコン参加のために来日。このスピンオフについて、ダリルという人物について、たっぷり語ってくれた。

【写真を見る】「ダリルには自分の個性が反映されている」と語るノーマン・リーダス
【写真を見る】「ダリルには自分の個性が反映されている」と語るノーマン・リーダス撮影/杉映貴子

「ダリルの物語をヨーロッパのドラマとして描きたかった」

リーダスといえば、近年は小島秀夫のゲーム「デス・ストランディング」の主人公役でも話題を集め、今後も『デューン 砂の惑星PART2』(24)のオースティン・バトラー主演の映画『The Bikeriders』、「ジョン・ウィック」シリーズのスピンオフ『Ballerina』に出演、そして『ジョン・ウィック』の製作プロダクション、87イレヴンと組んで彼とショーン・パトリック・フラナリーが兄弟役を演じる人気シリーズ『処刑人』の第3弾も製作決定している。

そんな話題作が続くリーダスだが、代表作といえば、やはり彼がシーズン1から出演し、シーズン11まで続いた長寿人気シリーズ「ウォーキング・デッド」。彼が演じるダリルが主人公のスピンオフ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」では、主演だけでなく、製作総指揮にも参加。ストーリーや脚本はもちろん、キャスティングやロケハンにも参加して、数ヶ月にわたって準備をした。

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」でフランスにたどり着くダリル
「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」でフランスにたどり着くダリル[c]2023 Stalwart Productions LLC.

「そもそもドラマのショーランナーにデヴィッド・ザベルを選んだのも僕なんです。なぜなら、新鮮なアイデアを持っていたから。このドラマの舞台をフランスにするというのも彼のアイデア。僕らは、アメリカのドラマをフランスで撮影するんじゃなくて、ダリルの物語をフランスやヨーロッパのドラマとして描こうと考えたのです」。

そのザベルは、これまで「ER 緊急救命室」の制作総指揮や脚本、ドラマ「マンション・ハウス・ホスピタル」のクリエイターで脚本も手がけた人物。ホラージャンルではなく、人間ドラマを描いてきた経歴の持ち主だ。リーダスがそんなザベルと組んで、自身が演じてきたダリルという人物をより深く描くのがスピンオフドラマ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」。というのも、ダリルは、いわばリーダスが創造してきた人物なのだ。ダリルは原作には登場しないキャラクターで、最初の設定もいまとは違っていた。

「最初、ダリルは、乱暴者の兄メルル(マイケル・ルーカー)の弟、というだけのキャタクターでした。兄と同じように人種差別主義者で、ドラッグはするし、盗みもする人物。それを僕が脚本家と相談して変えていったんです。実はダリルは、兄のようになりたくないと思っていて、兄がいなくなって初めて、大人になるチャンスを手に入れる人物だとしたらどうだろう、と考えました。メルル役のマイケルが、数話でいなくなることは決まっていたからね。
だから、ダリルは少しずつ変わっていくんです。最初の数シーズンでは、ダリルにはいままで自分がやってきたことを恥じているという感覚があります。だから、みんなが自分のことを嫌っていると思ってるし、それで自分もみんなを嫌っているかのように振る舞う。でも、いろんな体験を経て、相手の目を見て話すことができる人間に変わっていくんです」。

2つの勢力の闘いに巻き込まれていくダリル
2つの勢力の闘いに巻き込まれていくダリル[c]2023 Stalwart Productions LLC.

「ダリルは戦うことで強くなってきた人物だということがわかるんです」

スピンオフドラマでは、ダリルの祖父がどんな人物だったのか、彼が幼いころの家庭がどんな状況だったのかが語られ、彼の新たな側面も見えてくる。

「ダリルが祖父の話や、家族の話をすることで、彼が家族をどんどん失って、生きるために戦わなければならず、戦うことで強くなってきた人物だということがわかるんです」。

また、ダリルは、一見、無愛想だが、なぜか子どもたちとはすぐ仲良しになる。「ウォーキング・デッド」でも主人公リックの幼い娘ジュディス(ケイリー・フレミング)や、"囁く者"のリーダー、アルファの娘リディア(キャサディ・マクリンシー)と親しくなり、スピンオフでもローラン少年(ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)に慕われる。リーダスはその理由をこう語る。

アンドリュー・リンカーンとの友情エピソードも披露
アンドリュー・リンカーンとの友情エピソードも披露撮影/杉映貴子

「それは、ダリルが正直だから。ダリルには、人の目を気にして行動するという意識がないし、なにかのフリをすることもありません。発言の際には、彼が本当にそう思っていることを言うし、そこが、子どもと同じなんです。まあ、現実の子どもは違うかもしれないけど、このドラマに出てくる子どもたちはね(笑)。だから、子どもたちは無意識のうちに、ダリルは自分と同類だと思って、接近してくるんです」。

そうした子役たちとの演技に、彼自身が子育ての経験があることは、役になっているのだろうか。彼にはかつて交際していたモデルのヘレナ・クリステンセンとの間に24歳の息子ミンガスがいて、婚約者の女優ダイアン・クルーガーとの間に5歳の娘ノヴァがいる。

「それは僕にはわからないですね。子どもたちはニューヨーカーだし、僕には子育ての技術はまったくないですし(笑)」


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