福山雅治、ヴェネチア国際映画祭に手応えあり!「届いている実感があった」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
福山雅治、ヴェネチア国際映画祭に手応えあり!「届いている実感があった」

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福山雅治、ヴェネチア国際映画祭に手応えあり!「届いている実感があった」

現在開催中の第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されている是枝裕和監督の最新作『三度目の殺人』。本作の初日舞台挨拶が9日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、福山雅治、役所広司、広瀬すず、満島真之介が登壇した。いよいよ日本時間9日深夜に発表される受賞結果について福山は「手応えがあった」と自信たっぷりに述べた。

『三度目の殺人』は、殺人罪で起訴された男を弁護することになった弁護士の姿を通して、死刑制度の在り方を問題提起する法廷心理ドラマ。役所が演じる30年前にも殺人事件を犯し、刑に服した前科を持つ男の二転三転する供述に翻弄されながらも、ほぼ死刑が確実視された裁判で減刑を勝ち取るために、福山演じる主人公が奔走する。

ヴェネチア国際映画祭が行われているイタリアでは、すでに死刑制度を撤廃しており、とりわけ本作が扱う題材への関心が強い。現地時間5日に行われた公式上映では、上映終了後に満席の会場から6分間にわたるスタンディング・オベーションが巻き起こり、現地メディアの多くが作品の持つテーマの重厚さと、是枝監督の演出力、そしてキャスト陣の優れた演技を高く評価した。

公式上映に参加し、レッドカーペットを歩いた福山、役所、広瀬の3人は、つい先日帰国したばかり。現地での作品の反応について訊かれると福山は「エンドロールが始まる前に拍手をいただいて、これは届いているんじゃないかという実感があった」と語った。

現地では「コウジー!」と掛け声が寄せられたことを照れ臭そうに語った役所も「期待されている是枝監督の作品ということもあり、上映前からファンが詰めかけ、素晴らしい反応をいただいた」と、受賞へ自信をうかがわせた。

また、一昨年公開された『海街diary』に続く是枝作品への出演となった広瀬すずは、初めてのヴェネチアについて「見たことない世界だった」と語ると、「会場中に響き渡る、拍手や喝采の音が忘れられない」と、目を輝かせながら振り返った。

そんな中、一人だけ映画祭に参加できなかった満島は「一人だけヴェネチアに呼ばれなかった満島です」と笑いを誘うと「スケジュールが1日ずれていれば行けたのですが、これも運命だなと思い、日本から見守っていました」と朝早く起きて、テレビのニュースを全部チェックしたエピソードを披露。

福山は、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『そして父になる』以来4年ぶりとなる是枝監督とのタッグ。日本で公開を迎え、上映を終えた観客の上々の反応に、さらにヴェネチア国際映画祭受賞への手応えを感じたようで「是非2度、いや3度この作品を観ていただきたい」と、1度観ただけでは味わいきれない本作の魅力を伝えた。

デビュー作となった『幻の光』で第52回ヴェネチア国際映画祭「金のオデッラ」賞(脚本賞)を受賞している是枝監督は、受賞式出席のために現地に残留しているとのこと。22年ぶりの挑戦となる『三度目の殺人』が、最高賞である金獅子賞をはじめ何らかの賞に輝くのか、期待が高まる。【取材・文/久保田和馬】

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