『美女と野獣』の野獣、山寺宏一と山崎育三郎が語るエマ・ワトソンの魅力|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『美女と野獣』の野獣、山寺宏一と山崎育三郎が語るエマ・ワトソンの魅力

インタビュー

『美女と野獣』の野獣、山寺宏一と山崎育三郎が語るエマ・ワトソンの魅力

アニメーション史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた不朽の名作『美女と野獣』(91)で、野獣役の声優を務めた山寺宏一と、エマ・ワトソン主演で実写映画化した大ヒット作『美女と野獣』(17)で同役の日本語吹替版ボイスキャストを務めた山崎育三郎。雄々しくてりりしい野獣に命を吹き込んだ2人の対談が実現した。

数多くのディズニー映画のアフレコを担当してきた山寺だが、アニメーション版『美女と野獣』には特別な思い入れがあったようだ。「僕にとって『美女と野獣』は、ディズニー作品で最初に関わらせていただいた記念すべき作品。この作品をやることで、これから声優としてやっていけるんじゃないかという自信を持てた作品です」。

そんな山寺だからこそ、25年の時を経て製作された実写版を観て歓喜したそうだ。「映画を観たら、『美女と野獣』の魅力がさらに深まりました。もともと不朽の名作と言われていましたが、さらにすごい作品になったので、今回山崎さんとご一緒できて本当に嬉しかったです」。

山崎は子どもの頃から憧れていた山寺との対談に、とても緊張しながら臨んだと言う。「僕はディズニー作品に出会えたことで、ミュージカル俳優になりたいという夢が持てたんです。そのきっかけが、山寺さんがジーニー役で参加されていた『アラジン』(92)でした。そして山寺さんが声優をされていた『美女と野獣』に自分も参加できたことで、本当に夢が叶った感じです」。

山寺も「そう言ってもらえてうれしいよ。でも、僕も“イックン”と会えて良かったです。僕にとっては『アラジン』も特別な作品ですし」と嬉しそうだ。

実写版でベルを演じたエマ・ワトソンの印象について山寺は「エマ・ワトソンは本当に素晴らしい女優さんになりましたね」と唸る。「こんなに美しく成長したんだなと。気が強くて心優しいというベル像を見事、リアルに表現されていました。今回はさらにベルの母親、父親との関係性を語るエピソードも膨らんでいて、ますます魅力的なベルになったんじゃないかなと」。

山崎も「ベルは芯がある女性ですよね。女性も男性も惹かれる存在というのはなかなか難しいけど、彼女はそれを自然と演じていました。僕はロンドンのプレミアでお会いできましたが、本当に気さくな方で、彼女の魅力そのものがベルにも表れているんだと思い、ますますファンになりました」と言うと、山寺は羨ましそう「すごい!25年前は何もなかったから。というか出ていないからね(笑)」と食いつく。

山崎が「本当に自然体で、歌っていても全く嫌味がないというか、歌への導入もすごく自然ですよね。歌声も素晴らしかったです」と絶賛すると、山寺も「彼女にとってもああいうミュージカル映画で歌うというのはチャレンジだったと思う。でも、本当に見事でしたね」と賛辞を送る。

続いて山崎が、リスペクトする山寺に「山寺さんは、世間的に出せない声はないと言われていますが、どうやったらいつも完璧な状態でいられるんですか?のどを維持する秘訣とは?」と質問。

山寺は「完璧な状態なんてほとんどないですよ」と恐縮しながら笑う。

「僕は本当にのどが弱くて。この年になって一から発声をやり直したいと思っているくらいだし。でも、山崎さんの場合は、昔から海外含めていろんなところで習ったり、声楽をやったりと、基礎をちゃんとやってらっしゃる。僕が発声練習をしたのなんて、大学時代に入っていた落語研究会でやっていたくらい。何とかキープしようとはしていますが、なかなか難しくて。山崎さんはミュージカルだと、何曲も歌ったり、体も使ったり、台詞を大声で言ったりすることを毎日やっているわけでしょ。それってどうやって鍛えているの?」

山崎は「本当にヘロヘロになります」と苦笑い。「とにかく仕事が終わったらしゃべらない。そしてとにかく寝ることです。7時間半以上は寝るというふうに決めています」。

山寺も「一緒だね」と大きくうなずく。「しかも7時間半というのは世界的に正しいんです。最新の研究で、人間の睡眠時間の理想は7時間半ということになっているそうで、間違いないです。おのずと自分の体を考えてそうしていたんだね。睡眠は本当に大事です」。

最期に『美女と野獣』を改めてアピールしてくれた2人。山寺は「やっぱり真実の愛ですよ」と力を込めて言う。「それがわからないと呪いは解けないわけですから。それってなかなか難しいし、すでにわかっていても、これだけ心に響くのは永遠のテーマだからかな」。山崎も「本当にそう思います。だから今、改めて世界中の人に『美女と野獣』を観てほしい。観なきゃダメです」と力強く締めくくった。【取材・文/山崎伸子】

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