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高橋克典が新境地“最低な誘拐犯”役で見せたパパの顔

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高橋克典が新境地“最低な誘拐犯”役で見せたパパの顔

これまで力強い男性を熱演してきた高橋克典が、初のダメ男役に挑戦する。主演映画『誘拐ラプソディー』(4月3日公開)で高橋が演じた伊達秀吉は、立派なのは名前だけ。お金も家も仕事もない最弱の男だ。

人生最後の賭けとして誘拐した子ども・伝助を連れて逃亡する秀吉。高橋は、伝助とのやり取りの中で、優しさにあふれた父性を感じさせる演技を披露している。映画を見た高橋は、「自分の芝居で泣いてしまいました」とかなり手ごたえを感じた様子。撮影当時を振り返ってもらった。

「撮影のときは、ちょうど子育てで疲れてヘロヘロになっていた時期だったんです。ただ、自分の子どもを初めて抱いたときの気持ちや、家族に対する思いを胸に抱いて現場に行きました」と、実生活での父親としての思いを演技に生かした高橋。その思いが伝助との会話に父性を感じさせ、どうしようもない秀吉を愛すべきダメ男にさせた。

「秀吉は、体と年齢だけが大人になってしまったやつ。一方で、伝助は頭の良い大人びた現代的な子どもで、初めて秀吉を認めてくれた存在。それが2人の強烈な結び付きになるんです」。その強い絆が、物語の重要なポイントとなる。

何とか伝助を誘拐した秀吉だったが、身代金を要求した伝助の父親は、なんとヤクザの組長だった(演じているのはVシネ界の帝王・哀川翔!)。想定外の事態にうろたえる秀吉と、旅を続けようとする余裕の表情の伝助。そのコミカルなやり取りも見どころだ。

伝助を演じた子役・林遼成の演技には高橋も絶賛! 「遼成は、ものすごく賢い子で、一緒に歌を歌ったり、内緒話したり。自然と同じ目線で友達になっていきました。遼成じゃなかったら、近付いていけなかったかもしれないし、自分に子どもができていなかったら心を開いた芝居ができなかった気がします」。

最後に「こういう人間くさい役は、これからいっぱいやりたいですね」と話した高橋。ハードな役柄で見せる大人の男も良いが、本作での不器用だけれど温もりにあふれた新たな表情もお楽しみに!【取材・文/鈴木菜保美】

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