上川隆也&山本耕史&ブルゾンちえみが大奮闘!“声優のすごさ”を実感した瞬間を告白|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
上川隆也&山本耕史&ブルゾンちえみが大奮闘!“声優のすごさ”を実感した瞬間を告白

インタビュー

上川隆也&山本耕史&ブルゾンちえみが大奮闘!“声優のすごさ”を実感した瞬間を告白

映画『ジオストーム』(1月19日公開)の日本語吹替版声優に上川隆也、山本耕史、ブルゾンちえみが抜てきされた。「声優さんは本当にすごい!」と声の仕事の難しさを吐露する3人に、どんなことを手掛かりにアフレコに挑んだのかを直撃。上川にとって声の仕事の“師匠”と仰ぐ人までが明らかとなった。

未曽有の同時多発自然災害=”ジオストーム”の恐怖を描く本作。上川が優秀な科学者のジェイク(ジェラルド・バトラー)、山本がジェイクの弟で国務省職員のマックス(ジム・スタージェス)、ブルゾンがマックスの恋人でシークレット・サービス・エージェントのサラ(アビー・コーニッシュ)の声を担当する。

ーー日本語吹替版の声優に抜てきされた感想から教えてください。上川さんは洋画の吹替えは初挑戦。ブルゾンさんは吹替え自体が初めてのチャレンジです。

上川「とてもうれしかったのですが、対象となる役者さんがジェラルド・バトラーだと聞いて、これは生半可なことではないなと思いました。体格からしてまったくタイプの違う役者さんですから。いくつか声のお仕事をさせていただきましたが、これまでの経験とはまったく違ったアプローチが必要になると思いました」。

山本「僕はナレーションやアニメ、今回のような吹替えもそうですが、声のお仕事が大好きなんです。いつもやっている俳優業とは、使う神経が違うんですよね。よりお芝居に繊細になれたり、ある意味、初心にかえることができるんです。人って年齢を重ねれば重ねるほど、“生徒”にはなれなくなるもの。声のお仕事をやるときは生徒に戻れる瞬間でもあるし、吸収もできて、刺激的。とても好きなお仕事です」。

ブルゾン「私は洋画を観るのも大好きで、その場所に関われるということがうれしくて仕方なかったです!でも実際にどうなるかはまったくわからず、“やるしかない!”との思いで飛び込みました。どうしても“うまくなりたい”“100点を叩きだしたい”という気持ちがあったので、できないことが悔しくて、悔しくて…。初めてやることなのでとてもワクワクしていましたが、ものすごく難しいお仕事でした」。

ーー上川さんと山本さんが演じられたのは、対立する兄弟役です。実生活でも上川さんは弟さん、山本さんにはお兄さんがいるそうですが、そういった私生活の立場が役づくりに活かされたことはありますか?

上川「大きな助けになりました。ジェイクとマックスのようにぶつかり合う時期は、僕はもう通り過ぎましたが、そういった兄弟間の諍いはきっと誰もが経験しているもの。だからといって断絶するわけでもないし、いつしかあっけらかんと笑い合っているような関係。それは兄弟ならではだと思います。肉親だからこそぞんざいにしてしまうこともあるけれど、そこには信頼感や絆、繋がっているという実感があるんです。今回の収録にあたっても、そうした思いを自分の引き出しから持ちだしたような気がしています」。

山本「僕が弟役をなんの違和感もなく演じられたのは、ひとえに僕が私生活でも弟だからだと思うんです。もし兄役をやるとしたら、どんな感じなんだろう…と悩んだでしょうね。兄弟って、どちらかが違う才を持っているもの。僕と兄の通知表を足すとオール5になるんですよ(笑)。僕は体育と音楽、美術、技術が得意だったんですが、兄は真逆。才能がパッと分かれるんです。だからこそお互いをうらやましく感じたり、年齢を重ねるごとに補い合い、支え合っていくようにもなる。それは本作のストーリーともとても共通していると思いました」。

ーーブルゾンさんはキャリアウーマンのネタをやられていますが、今回の役は超エリートの女性です。いつものキャリアウーマン役が活かされたことはありますか?

ブルゾン「自分のやっているキャリアウーマンでは全然、通用しませんでした(笑)!いつもは、顔や身振り手振りにどれだけ助けられていたのかと痛感しました…。監督からも『もっと大人っぽく、もっとトーンを低く』と言われ、自分を見失いそうでした。これまでも吹替えの映画を観ていましたが、頭ではわかっているけれど、やってみるとまったく違うんです。ドの音を出していると思ったら、ファだったりという感じ。自分はこんな声をしているんだ、声の演技では距離感が大事になるんだななど新しい発見ばかりでした」。

ーー改めて声のお仕事で「これは大事だ!」思ったことがあれば教えてください。

上川「僕は声優の山寺宏一さんや林原めぐみさんと、幸いにも友人としてお付き合いさせていただいているんですが、林原さんから聞いたお話で忘れられないエピソードがあるんです。『新世紀エヴァンゲリオン』で林原さんは綾波レイという役を演じていますが、ファンの方から『あのシーンのレイの表情、すごくよかったですね』と言われたことがあるそうです。シンジとレイの顔が交互に映るシーンだったそうですが、でも林原さんはそのレイの表情に覚えがない。実は驚くことに、林原さんはあくまでレイの目線でそのシーンを演じていたから、シンジの顔しか覚えていないそうなんです。理想の境地です。いつか至れたらとは思いますが、遠く及びません(苦笑)」。

山本「まず僕は、今回ならばジムの顔を見て“この人ならばこのぐらいの声が出そうかな”と擦り寄せていくイメージです。また俳優業では、なるべく台詞に抑揚をつけないようにしようと思っていますが、声のお仕事では自分の思っている以上に波を出さないといけないと感じています。なので声のお仕事では、自分が実写のお芝居で避けてきたことをやっているような気がしますね。声優さんというのは、声の表現力や説得力に長けている方たちなんだなと、改めて思いました」。

ブルゾン「今回教えていただいてすごいなと思ったのが、“うまくできるかな”と思っていると、“うまくできるかな”という声になってしまうと言われたことです。声って、そんなに気持ちが反映してしまうものなんだと驚きました。なのでサラが笑っていたら私も笑う、真剣な顔をしたら私もそうすると、できるだけ寄り添うようにしました。あとは雰囲気に溶け込むこと。指図する場面では、“withB”に指図するときのことを思い出したり、恋人のマックスといるときは、いままでの彼氏とはどんな声で話していただろう?と思い出したり。自分のなかにある経験をほじくり返しました。でも本当に難しくて!これから吹替版を見る目が変わりそうです」。

取材・文/成田 おり枝

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