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「シャッター アイランド」噂の超日本語吹替版はやっぱり違う!

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「シャッター アイランド」噂の超日本語吹替版はやっぱり違う!

4月9日(金)より公開の『シャッター アイランド』。マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオ主演による、このミステリー大作は、公開前から“超日本語吹替版”と呼ばれるバージョンが話題を集めている。一体何が“超”なのだろう? ひと足お先にその本編を観てみた。

『シャッター アイランド』は、精神を病んだ囚人を隔離した孤島での失踪事件を追う捜査官(ディアプリオ)の奮闘が描かれる“謎解き型ミステリー”。じっくり観ていると「おや?」「あれ?」と違和感を抱くシーンやセリフがあり、観る側が真相を知るためのヒントになっている。字幕版では重要なセリフは判るが、字幕へ注視しすぎて重要なシーンを見逃すこともあるかも。そういう意味では、確かに吹替版なら落ち着いて謎解きに挑めそうだ。

でも、超日本語吹替版を観始めて、やはり最初に声質の違和感を覚える。ディカプリオ本人の声とは明らかに異なる声が気になって……と思ったら、これが5分くらいで気にならなくなり、謎解きへグイグイ弾き込まれていた。これは他の配役も含め声優の声の演技の力、そしてスターの口の動きと声優のセリフがほぼ完全にマッチしていたことによるのだろう。

実際、超日本語吹替版の演出では、口の動きとセリフを合わせることと、字幕翻訳の戸田奈津子の監修の下、作品の大切なニュアンスを尊重した意訳を、セリフへナチュラルに落とし込む配慮がなされたという。結果“超日本語吹替版”は、吹替版のネガティブさを打ち消すことに成功している。

これまでの吹替版は、話題性重視で俳優やタレントを起用することが多かったが、『アバター』(公開中)など3D映画を中心に吹替版がほぼ主流になりつつある昨今、『シャッター アイランド』の試みは“質の高い声の演出”増加への契機となり得るかもしれない。

ちなみに、ディカプリオ演じる捜査官テディを「ファイナルファンタジーXIII」などの加瀬康之、マーク・ラファロ演じる彼の相棒チャックを「交響詩篇エウレカセブン」などの志村知幸が声を担当。各々プロフェッショナルならではの声の演技で、観る者をスクリーンの向こうへ引き込んでいく。【トライワークス】

●超日本語吹替版での台詞(一例)

「銃をもったままじゃ、この門はくぐらせない」
→「銃を持ったまま門を通すわけにはいかない」

「子供は死んでないという妄想を守るため」
→「子供は生きているという妄想を守るため」

「言うのよテディ、この人に」 
→「黙ってないでテディ、言ってあげて」

「自分の罪から目をそらし、それが治療の妨げになっていた」
→「彼女に必要なのは、自分の罪を見つめることだった」

「今頃コーリーは豪邸で今日の態度を反省しているかもしれないぞ」 
→「今頃コーリーは豪邸で作戦を練り直しているかもしれないぞ」

「殺したい訳じゃない」
→「殺す気はない」

「不条理には勝てないわ」
→「そういうものなのよ」
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