ここが変だよゲティおじいちゃん!家族よりも金を優先する大富豪の人生哲学|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ここが変だよゲティおじいちゃん!家族よりも金を優先する大富豪の人生哲学

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ここが変だよゲティおじいちゃん!家族よりも金を優先する大富豪の人生哲学

1973年。世界一の大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された。犯人側の要求は、1700万ドル(当時の日本円にして約50億円)。その身代金の莫大さに世間は驚いたが、もっと衝撃を受けたのは祖父であるゲティが即座に支払いを拒否したこと。金は腐るほど持っているだろうに…。

映画『ゲティ家の身代金』(5月25日公開)は、犯罪史上最もスキャンダラスと称されたこの誘拐事件を、御年80歳の巨匠リドリー・スコット監督が映像化した渾身作。もちろん、見どころはスリリングに描かれた誘拐事件の顛末だが、同時に浮き彫りにされる“世界一の金持ち”のユニークすぎる人生哲学にも興味は尽きない。そこで、その驚きのエピソードをいくつかご紹介しよう。

ジャン・ポール・ゲティの“守銭奴”っぷりにも注目!?映画『ゲティ家の身代金』は5月25日(金)より公開
ジャン・ポール・ゲティの“守銭奴”っぷりにも注目!?映画『ゲティ家の身代金』は5月25日(金)より公開[c]2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

身代金を支払わなかったその理由とは?

物語の核となる“身代金支払い拒否”は、もちろん事実。大富豪ゲティ曰く「ここで身代金を支払えば、ほかの14人の孫にも誘拐の危険がおよぶ」という、視点を変えればもっとも(!?)な理由で拒否し続けた。

が、とうとう4か月後に犯人側から孫の片耳(!)が送られてきたことから渋々交渉に応じ、値切りに値切って約320万ドルを支払うことに。とはいえ彼自身が支払ったのは所得控除が受けられる220万ドルのみ。残りは息子=人質の父親に4%の利子で貸し付けた。この期におよんで節税対策をする彼に“守銭奴”“金の亡者”の評判が立つのも当然だろう。ちなみに、この4か月の交渉期間中には、こよなく愛する美術品を高額で購入しているのだから…呆れたものだ。

【写真を見る】誘拐された孫を助けない、大富豪ジャン・ポール・ゲティの素顔とは!?
【写真を見る】誘拐された孫を助けない、大富豪ジャン・ポール・ゲティの素顔とは!?[c]2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

自宅に公衆電話!?節約の限度を超えたドケチ・エピソード

しかし、ゲティには独自の哲学がある。石油会社を設立して財を成した父親から「金は働いて稼ぐもの。特権を利用せずに、理性と合理性を持って世間と戦え」と叩き込まれ、類い希な経営センスと徹底した節約習慣を身に付けていたのだ。言わば、世間で言うところの“ケチ”は、彼にとっては“節約”にほかならない。

例えば、イギリスにある彼の大邸宅には、公衆電話ボックスを設置。来客が外部にかける電話代を客自身に払わせるためだ。また、高級ホテルに宿泊してもルームサービスを頼まないばかりか、洗濯物もバスルームで洗い自分でアイロンがけをしていた。その“節約”は家族にも例外はない。本作で描かれた身代金拒否のほかにも、5番目の妻によれば脳腫瘍を患った幼い息子の治療費もケチってイギリスの屋敷から追い出し、葬儀にさえ列席しなかったというエピソードがあるくらいだ。

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