野村萬斎、『陰陽師II』以来7年ぶりの主演作『のぼうの城』がすごい!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
野村萬斎、『陰陽師II』以来7年ぶりの主演作『のぼうの城』がすごい!

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野村萬斎、『陰陽師II』以来7年ぶりの主演作『のぼうの城』がすごい!

狂言界の至宝・野村萬斎が『のぼうの城』(2011年公開)に主演する。原作は第29回城戸賞受賞脚本から誕生した和田竜の歴史小説で、構想7年を費やし映画化にこぎ着けた。野村は『陰陽師II』(03)以来、7年ぶりの映画主演作となる。共演も佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴という豪華な布陣で、『眉山 びざん』(07)、『ゼロの焦点』(09)の犬童一心×『ローレライ』(05)、『日本沈没』(06)の樋口真嗣のW監督を迎えた本作が、遂にこの夏、クランクインする。

『のぼうの城』は、和田竜が書き下ろしたオリジナル脚本「忍ぶの城」をベースに、彼自身が書き下ろした歴史小説で、第139回直木賞にノミネート、2009年度本屋大賞2位を受賞し、歴史小説としては異例の40万部を超えるベストセラーとなった。

野村萬斎が演じる主人公・成田長親(なりたながちか)は、家臣・領民から“でくのぼう”を揶揄した「のぼう様」と呼ばれる城代。でも、心の内には誇りと情熱を秘め、人心を掌握していくという異色のヒーローだ。演じる野村は「『陰陽師』の安倍晴明役も余計なことはしゃべらないキャラクターでしたが、今回の長親役も、ぼーっとしていると思います。みなさんにお見せするキャラクターの中では今までにない役だと思いますので、是非ご期待いただきたいです」と語った。

そんな長親を支える、幼馴染みで成田家一の家老にして、朱槍皆伝の戦上手の正木丹波守利英(まさきたんばのかみとしひで)役に佐藤浩市、丹波をライバル視する豪傑・柴崎和泉守(しばさきいずみのかみ)役に山口智充、実戦経験はないが軍略の天才を自称する酒巻靭負(さかまきゆきえ)役に成宮寛貴。彼ら実力派俳優陣の競演も楽しみだ。

犬童一心監督は「“のぼう様”と呼ばれた男が、いざという時、なぜそこまで大きく人を動かす力を持ち得たのか? そこに新しい時代、日本の理想のリーダーの姿を見い出すこともできるのではないでしょうか」と語ると、樋口真嗣監督も「この未曾有のスケールの物語を作り上げるにあたり、犬童一心監督という心強いバディと手を組み、契りを交わしてから何年が経ったのでしょうか? 萬斎さんをはじめとする最高のメンバーとやっと動き出せるのです。魂だけでなく全身が震えてきます」と気合も十分だ。

また、湖とその中にできた島々を要塞化した城郭=「浮き島」と称される忍城(おしじょう)も圧巻だ。もともと、スケールの大きさから映画化が困難とされてきた本作だが、実際に北海道で建設中の忍城を見た原作者の和田竜も、その大きさに驚嘆したという。「その余りの巨大さに、感動を通り越して、ほとんど笑ってしまいました。僕が書いた数行のト書きのために、大の大人がブルドーザーを何台も持ち出して、土木工事までしてしまう。“映画化不可能”の意味がリアルに身に迫ってくる思いでした」。

豊臣秀吉方2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めにも屈せずに立ち向かった、領民・忍城のでくのぼう軍のたった500人の攻防を、ダイナミックに描き出す本作。豪華な役者陣の熱演はもとより、忍城の壮観や、異例のW監督が描く合戦や水攻めのシーンなど、想像しただけで胸が躍る時代劇大作となりそうだ。【Movie Walker/山崎伸子】

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