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岐洲匠、大久保桜子、石垣佑磨が語り合った『キュウスペ』の先に望むもの

インタビュー

岐洲匠、大久保桜子、石垣佑磨が語り合った『キュウスペ』の先に望むもの

「こんなにかっこよく撮ってもらっていたのかと…」(大久保)

――岐洲さんは先ほど、今作について“スーパー戦隊だけど、いままでとは違う”と話されていましたが、どの辺りが違うのでしょう?

岐洲「『キュウレンジャー』単体の世界観だけでは表現できなかった感情やアクションが描かれていたと思うんです。スペース・スクワッドや歴代のヴィランズのみなさんと絡み合えたことで、いままでと違う『キュウレンジャー』の芝居ができたんですよね」

大久保「その分アクションも芝居も大変で、撮影中はアクションのことで頭がいっぱいになっちゃって、自分がどんな芝居をしていたかが頭の中に残らない状態だったんです。でも『こんなによく撮ってもらっていたんだ!』って、改めて坂本監督、すごいなぁ…って思いました」

岐洲「ハミィは特にそうでしたけど、スターチェンジ前の自分自身で演じるシーンが多かったので、ドラマ性があるというか深いですよね。本編だと30分ほどの中にチェンジ前とチェンジ後、さらにロボ戦…と続くので、半分の時間も自分自身が出ているかいないか…でしたから」

石垣「おもしろいよね、主役がそういうのって(笑)」

岐洲「シシレッドとしての姿も自分ではあるんですけど、今回はより自身でドラマも見せられたと思います、子どもも楽しめると思うけど、それ以上に大人もじっくり楽しめる。この作品を観て『戦隊モノって、いまこんななんだ』って思ってもらえたらすごくうれしいです」

岐洲匠(ラッキー/シシレッド役)
岐洲匠(ラッキー/シシレッド役)撮影/渡邊明音

「今回の蒸着ポーズは、立ち回りながら」(石垣)

――十文字撃=ギャバンtypeGは、スペース・スクワッドの隊長に昇進してから初の活躍となりましたね。

石垣「隊長だからって演技的に変わっていることはなにひとつないです。芝居的に前作から何も変えていませんが、立場が変わったことだけは常々意識しました。今までと違うと言えば、実は今回、蒸着(変身)のプロセスを見せていないんです。蒸着ポーズが立ち回りの手の動きに組み込まれていて、全部アクションになっているんですよ」

岐洲「チェンジしながら戦う…というか、蒸着ポーズの動きが全部、打撃技になっていたんですね」

石垣「そう。でも(撃の得意技の)かかと落としも落とさなきゃねって、どこかで上げて落として…とかね。坂本監督はそういうシーンを、キュウレンジャーとはまた違う見せ方で入れ込むのが、絶妙に上手いんですよ」

――十文字撃のアクションが、ますます確立された気がしますね。

石垣「僕自身が格闘技もやっていた流れで、できるものを全部立ち回りに入れ込んだのが撃なので、そういう意味では演じやすいです。『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(12)とか『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』(13)の時は、転がったり落とされたり崖落ちとかやっていたので、本当にアザだらけだったんですよ。格闘技の方が気楽です。転がるの、痛いよね?

岐洲「痛かったですね。アスファルトの上とかは…」

石垣「トランポリンで前宙して背落ちとか、そんなのもう歳なので厳しいかなぁ」

岐洲・大久保「やってたんですか?スゴイ!」

「坂本監督は、振り向くだけでなぜかカッコいい」(岐洲)

――甦ったヴィランズの一人、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のメレ(平田裕香)はハミィと同じカメレオンモチーフのキャラクターですね。2人の共演は戦隊ファン的にも見どころでした。

大久保「平田さんがメレをとても大切に演じられていました。『ここはこうしたいです』『こういうアドリブを加えて良いですか?』とか監督と私に相談しながら演技を組み立てられていて、本当にすごいって思いました。監督も平田さんをとても信頼されていて、『やって!やって!自由にやって!』って(笑)」

岐洲「自由度、半端ないんですよ(笑)。でも、だからこそ自分自身が心配なシーンになると不安にもなります。『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』(17)の時とか、自由すぎてどうすればいいかわからなくなった時が、少しありました」

石垣「正直でいいね!坂本監督でも不安なところがあるっていうね」

岐洲「アクションぎっしりの長回しシーンを撮った時とか、これまで感じたことのない緊張感とアドレナリンと、何かスポーツをしているような感覚だったんです。撮影期間もセリフを覚える時間もなくて、ものすごく大変だったけど、不思議と楽しかったんです。“今、すっごく芝居してる感”というか…」

――それも岐洲さんと監督の間に信頼があったから感じられたものだと?

岐洲「そうだと思います。現場は緊張感に包まれますけど嫌な空気ではないし、監督、優しい方なので何でも話せちゃうんです。今回は派手にアクションしているわけではないんですど、とにかくカッコよく撮って下さって。撮影の合間や出番待ちの時、監督が共演者にアクション指導する姿を見ていると、その動きもまたカッコいいんですよ、ただ振り返っているだけなのに(笑)。人として本当に憧れますね」

大久保桜子(ハミィ/カメレオングリーン役)
大久保桜子(ハミィ/カメレオングリーン役)撮影/渡邊明音

――大久保さんは監督とどのように役作りしていったのでしょう?

大久保「私、割と人見知りで、『from Episode of スティンガー 宇宙戦隊キュウレンジャー ハイスクールウォーズ』(17)でご一緒した時も、監督が私の性格もよく理解して下さって。撮影現場では女の子は私ひとりだったので『ハミィちゃん、ご飯食べた?』『そこにお菓子あるよ』『疲れてない?』って、すごく気にかけて下さって…」

岐洲「それ、監督が話したいだけじゃないかな?」

石垣「そうだよ。絶対そう(笑)」

大久保「でも、それでとても仲良くなれて。今回のアクションは、私自身はよくできたと思ったカットも結構あったんです。でも監督が『いや、違う』『ダメ、もう1回』って妥協しないというか。『最後の最後までカメラにどう映っているかも大事だから』って…。結果的に最高のアクションが撮れたので、すごくうれしかったです」

石垣「それモニターをずっと観ていたかっただけの可能性もあるよ。本当に。マジで(笑)」

■『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』

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