菊地凛子が“多様性”目指すハリウッドで実感したこととは?「やはり変化は起きている」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
菊地凛子が“多様性”目指すハリウッドで実感したこととは?「やはり変化は起きている」

インタビュー

菊地凛子が“多様性”目指すハリウッドで実感したこととは?「やはり変化は起きている」

第79回米アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされた『バベル』(07)への出演を皮切りに、活躍の場を世界に広げている女優の菊地凛子。ハリウッドのヒットメーカー、J・J・エイブラムスが製作総指揮を務めた海外ドラマ「ウエストワールド」シーズン2にも出演を果たすなど、エンタテインメント界の第一線でますます存在感を発揮している。新たな道を切り開いて来た菊地に「ウエストワールド」で得た刺激と共に、多様性が叫ばれる近年のハリウッドで感じている“変化”について聞いた。

人間そっくりに造られたアンドロイドたち“ホスト”が、来場者である人間たち“ゲスト”をもてなす巨大アトラクション“ウエストワールド”を舞台に、アンドロイドたちの反乱を描く本作。J・Jと共に製作総指揮と脚本に名を連ねるのは、『ダークナイト』シリーズなど、兄クリストファー・ノーラン監督の作品で脚本を手掛けてきたジョナサン・ノーラン。人間とアンドロイドの紡ぎ出すスリリングな関係性をもとに、「人間とは?」「生きるとは?」という哲学的なテーマを浮き彫りにする壮大な物語だ。

菊地が演じるのは、娼館のマダム・メイヴ(タンディ・ニュートン)と深い関わりのあるアンドロイド、アカネ役。日本の江戸を舞台にした“将軍ワールド”に住む女性だ。“将軍ワールド”のセットに足を踏み入れた感想を、こう語る。「“将軍ワールド”が出てくるのは、シーズン2のなかの2話だけですが、どこから撮影してもいいように、セットは家の内部まで完璧に作られていました。それには、スタッフ陣の意気込みを感じました。『ここは見えないからいいだろう』という感覚がないんです。黒澤明監督作品のアイデアも取り入れつつ、『ウエストワールド』ならではの“日本”が作られていましたね」。

一流のスタッフ陣の仕事に驚くことばかりだったようだが「『ウエストワールド』はいろいろなストーリーが絡み合いながら進行していくので、クリエイティブチームも試行錯誤しながら、妥協せずにアイデアを出し合っています。みなさん本当にタフです」と舌を巻く菊地。急遽、脚本に変更が加えられることも多かったそうで「この現場は、瞬発力が必要でした。ストーリーが自分でも思いもよらなかった方向に行ったりしたので、瞬発力でしか生みだせない力強さを感じることもできたりして、とてもおもしろかったです」と多くの刺激も受けたという。

“将軍ワールド”のハイライトとなるのが、アカネが激しくも美しく舞うシーン。「あれは大切なものを奪われたアカネの“復讐の舞”なんです。静かに迫りながらも、怒りに到達するような」と解説する舞には、脚本家のノーランとリサ・ジョイの感性をビシビシと感じたそう。クリエイティブチームから「アカネの舞はこういう感じだよ」と示されつつ、「『私たちが生みだしたアイデアをどう形にしてくれるの?おもしろいものを見せてよ』と言われているような気がしました。信用していただいているとも思ったし、やっぱり中途半端な気持ちでは挑めないですよね」と全力を注いだよう。

“将軍ワールド”のアンドロイドで、浪人のムサシ役として真田広之も参戦している。同じく海外で活躍する2人だが、菊地は「真田さんは本当にすごいんです」と熱く語る。「必ず結果を残そうとするし、常に日本の俳優としての責任感を抱いていらっしゃる。自分の出演されていないシーンも見にいらっしゃり、セットもチェックしてくれました」と周囲に目を配るそう。今回のタンディは日本語を話すシーンもあり、そのレッスンにも真田が熱心に付き合ったとか。「真田さんがいると、タンディが安心するんです。タンディは『真田さんはすごくステキで優しくて、最高だわ!しかもハンサム!』とものすごく喜んでいました(笑)」。

『バベル』で世界中に鮮烈な印象を与えてから、10年以上が経った。新しい世界に飛び込むことは「怖いと感じることもある」と告白。本作では「自分の知らない世界があるのかもしれない」と気づいていくアンドロイドの姿が描かれるが、菊地自身も“覚醒”していくような女優人生を歩んでいる。「新しい世界を知らぬまま生きていたら、そのまま進んでいたのかもしれません。でも飛び込んだ先になにかあるとを知ってしまったら、『やったほうがいい』『見に行かないといけないのかな』と思います」。

本作には菊地や真田をはじめ、TAOと祐真キキも出演するなど、日本人キャストの躍動を目にすることができる。多様性が叫ばれるハリウッドで、どんな変化を感じているだろうか?「私はアジア人の役というよりは、これまで日本人の役をやってきました。すると、日本人の役ってすごく限られてくるんです。ただ最近の動きとしては、例えば“ウイリアム”という名前の役のオーディションが来たりしています。いままでだったら西洋の方がやるような役でも、“まずは、どこの国の人でも受けてみて”という動きが出てきているのかもしれません。やはり変化は起きていると思います」。

「ウエストワールド」シーズン2は、BS10スターチャンネルにて8月6日(月)より毎週月曜22時ほか2か国語版初放送がスタート

取材・文/成田 おり枝

「ウエストワールド<セカンド・シーズン>」2018年 秋リリース

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▪️衣装協力:シャネル
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