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「最初は理解できなかった」the pillows山中さわおが、どんどん「フリクリ」好きになった理由

インタビュー

「最初は理解できなかった」the pillows山中さわおが、どんどん「フリクリ」好きになった理由

方向性の異なる2曲を新たに書き下ろし!

劇場版『フリクリ オルタナ』に「Star overhead」、劇場版『フリクリ プログレ』には「Spiky Seeds」という2つの新曲を書き下ろした。それぞれの楽曲に込めた意味は「(新作の)内容がわからなかったので、勝手に前作の続編だと思って作り始めました。『Star overhead』は(前作の主人公)ナオ太が大人になって、少年時代を懐かしむところを想像したんです。例えばタイトルには、“大人になって失くしたと思っていた輝きが頭上にあったんだ”という意味があります」と「Star ~」は前作に続く物語であることを明かしている。

「Spiky Seeds」についても「歌詞は、意味よりも言葉の響きを重視しています。欧米を意識して音節も英語に近い“生誕”や“成長”などの言葉で構成していきました。ただ“進化しないまま原点回帰の真っ最中”という歌詞があるのですが、ロックンロールは流行り廃りに関係なく、同じことをやり続けることだと僕は思っているので、“進化しないまま”はその感情が出ちゃっているのかもしれないですね」と、海外リスナーを意識しながらも、そこには山中の意志が込められているようだ。

『プログレ』は平凡な日常を過ごす中学2年生のヒドミがクラスメイトの少年を守ろうと戦う姿が描かれる
『プログレ』は平凡な日常を過ごす中学2年生のヒドミがクラスメイトの少年を守ろうと戦う姿が描かれる[c] 2018 Production I.G / 東宝

“オルタナ”スタイルで突き抜けた30年

来年はバンド結成から30年。改めて山中にこの30年を振り返ってもらった。「僕たちももう50近くになり、ライブでは脳みその“動け!”という指示に対し、体が“No!”って答える。そういうせめぎ合いが続いていますね(笑)。また、ずっと順風満帆だったわけではなく、いろんな波を越えてやって来た達成感もあります。最初の7、8年は本当に自分を苦しめるぐらい辛かったけど、そこからは自分勝手に楽しくやらせてもらいました。その中でも『フリクリ』は大きな存在です。USオルタナティブ・ロックを意識して作ってきた僕らの音楽が、アメリカで受け入れられたのは大きな出来事でした」。

前作の主題歌「Ride on shooting star」はバンド屈指の人気曲となった
前作の主題歌「Ride on shooting star」はバンド屈指の人気曲となった

共に“オルタナ”スタイルで時代を作ったthe pillowsと「フリクリ」。新作を観る際には、楽曲がどのように作品を盛り上げているのか、両者の生みだす相乗効果も楽しんでほしい。

取材・文/トライワークス

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