沢尻エリカと前田敦子が『食べる女』で感じた幸せの価値観とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
沢尻エリカと前田敦子が『食べる女』で感じた幸せの価値観とは?

インタビュー

沢尻エリカと前田敦子が『食べる女』で感じた幸せの価値観とは?

『食べる女』で初共演した沢尻エリカと前田敦子
『食べる女』で初共演した沢尻エリカと前田敦子撮影/黒羽政士

筒井ともみの小説を、小泉今日子ら豪華布陣を迎えて映画化した『食べる女』(公開中)で、沢尻エリカと前田敦子が初共演。年齢・職業・価値観も異なる8人の女たちの人間模様を描く本作に出演した2人に、座長・小泉今日子の存在感や、多種多様な幸せの価値観について話を聞いた。

主人公は、小泉演じる文筆家兼古書店の店主・トン子こと餅月敦子。彼女の暮らす古びた日本家屋には、毎晩迷える女性たちが集まってくる。本作が、小泉、沢尻、前田のほか、鈴木京香、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックスなど、そうそうたる女優陣の共演でも話題だ。

まずは、本作でも共演した勝地涼と7月30日に結婚したばかりの前田に、沢尻から開口一番「おめでとう!あっちゃん」という祝福の言葉が。前田は「ありがとうございます」とはにかむ表情を見せた。

男に頼らないしっかり者の30代と、恋に煮え切らないアラサー女子への共感度は?

沢尻エリカが語る幸せの価値観とは?
沢尻エリカが語る幸せの価値観とは?撮影/黒羽政士

沢尻が演じたのは、マンションを購入し、いまは仕事一筋というしっかり者の編集者・ドドこと小麦田圭子役、前田は、ぬるい彼との恋に物足りなさを感じている制作会社APのアラサー女・白子多実子役に扮した。2人はそれぞれ演じた役柄をどう受け止めて演じたのだろうか?

沢尻は「共感できました」と即答。「仕事をしながら自分の城を築き、男には頼らないドド。本当はちょっと意気がっているだけですが、そうすることで自分を保っている。そこはすごく理解できました。周りを見ても、独身の30代女性はだいたいあのような感じだと思います」。

前田は「多実子は、私とは全然違うなというのが最初の印象でした」とのこと。「ただ、恋の仕方は100通りあると思うので、なんの違和感もなかったです。恋愛は1対1のもので、他の人にはわからないところもあるし。多実子が煮え切らない理由は、きっと彼がやさしいから、別れる理由が見つからないんだろうし、すべてのことに対してふわふわしている、現実味がない年頃でもあるのかなと思い、客観的に演じました」。

2人が憧れる、座長・小泉今日子の素顔とは?

2人が本作でなによりも楽しみにしていたのは、小泉今日子との共演だった。沢尻は「小泉さんはすごく気さくで親近感を感じたし、ずっと自然体なんです。カメラが回ってない時も、キョンキョンでいながら敦子でもあり、すべてを達観している感じでした。私は現場に入ると気が張っちゃう部分がありますが、それを全部崩してフラットにしてくれた感じです。さすが座長であり“姉さん”でした」と、小泉に心酔したようだ。

主人公は、雑文筆家で古書店を営むトン子こと餅月敦子(小泉今日子)
主人公は、雑文筆家で古書店を営むトン子こと餅月敦子(小泉今日子)[c]2018「食べる女」倶楽部

前田も「みなさんに対しての包容力がすごかったです。スタッフさんにもそういうふうに包み込む感じを出してくださるので、みんなが心地よくいられます」と小泉の器の大きさを強調する。「カメラが回ってない時、なにをされているんだろうと、ファン目線でも気になっちゃいました。空いている時間に原稿なども打たれていてカッコ良いなあと。自分の時間を優雅に使っている方だなと感動しました」。

本作を経て感じた幸せの価値観とは?

結婚、妊娠を発表した前田敦子にとっての幸せとは?
結婚、妊娠を発表した前田敦子にとっての幸せとは?撮影/黒羽政士

今回、初共演となった2人に互いの印象を聞いてみた。沢尻が「もとからかわいらしい子だと思っていたけど、今回仕事をしてみて、本当にかわいい子だなと思いました。あっちゃんの舞台も観に行きましたよ」と言うと、前田は「来てくださったので、テンションが上がりました。沢尻さんもすごく気さくで女性が甘えたくなる女性でした。姉御肌でやさしいです」と、現場で意気投合した様子。

沢尻は、前田の芝居への向き合い方に共感したとか。「あっちゃんもお芝居がすごく好きなのが、現場で伝わってきました。私も芝居が好きなので、そういう人はすごく信頼できます」。前田も沢尻を心からリスペクトする。「沢尻さんは、沢尻さんにしかできない役をたくさんやられている。沢尻さんならではの色があって、それはこのお仕事をしていくうえで一番欲しいものだし、女性としても憧れます」。

『食べる女』というタイトルどおり、食べることの喜びや、幸せについての価値観を改めて問われる本作。沢尻は「仕事や恋愛にそこまでガツガツ生きなくてもいいのかなと。もう少し楽に生きるというか、自分なりに余裕をもちたい」とつくづく思ったそうだ。

「おいしいものを食べていれば、それだけでいいやと。ほかのことも大事だけど、まずは日々の幸せを大事にしたい。だから、食事を一緒に楽しめない人とは、友情でも恋愛でも絶対に上手くいかないので、普段から食事の趣味が合う人と一緒にいたいです。私は料理をあまり作らないのですが、一緒に住んでいるママはもともと料理人で、料理を作って人をもてなすのが好きな人です。今回、劇中で和食がたくさん出てきますが、あれをさらっと作れたらすてきだなと思ったので、私もこれから和食を勉強したいです」。

前田も「私も、毎日のごはんは絶対に大事だと思っています。劇中で出てくる筒井さんの料理のレシピは、全部簡単に作れる料理だそうで、組み合わせもたくさんあり、すごく勉強になりました。また、今回の女子会もすごく楽しかったし、現場でも普通にたくさん食べていたんです。女優さんがこんなに出ている映画ってそんなにないので、すごく不思議な感じでしたが、とても贅沢な映画だなとも思いました」。

取材・文/山崎 伸子

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