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ネタバレ注意!『アンダー・ザ・シルバーレイク』をオカルト視点から都市ボーイズが徹底解説

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ネタバレ注意!『アンダー・ザ・シルバーレイク』をオカルト視点から都市ボーイズが徹底解説

一部の人に向けたメッセージ…街にちりばめられた暗号

冒頭の花火は、限られた人に向けられたメッセージだった?
冒頭の花火は、限られた人に向けられたメッセージだった? [c]2017 Under the LL Sea, LLC

早瀬「失踪する前日、夜空に打ち上げられた花火を見てサラの様子が変わるというシーンがありますが、あれは彼女だけにわかる連絡方法だったんじゃないのかな。実際に、一部の人にだけにしかわからない連絡方法はいろいろあります。例えば、街の大型モニターに動画を流し、そこに映っている人物の服のボタンが2個外れ、3個留まっていたら、『23日に会合がある』ということを伝えている…とか」

岸本「一般の人が見ても、なんの広告なのか全然わからないようにね。最近も新しい秘密結社“ノンフェイス”がSNSを中心に話題になりました。謎のシンボルマークが急に街中に貼られ始め、見つけた人たちが出どころを調べていくと、あるサイトにたどり着くんです。そこでは怪しいグッズがいっぱい売られているんですよ。さらに辿っていくと、『ある日付、東京のある場所で会合を行っています』というメッセージに行き着いたという話もあります」

マニアなら主人公よりも先に解ける?都市伝説&謎解きのススメ

消えた美女を探すため持てる知識をフル活用
消えた美女を探すため持てる知識をフル活用 [c]2017 Under the LL Sea, LLC

岸本「日頃から都市伝説を追ったり、暗号解読をしたりしているダメ男でオタクな主人公には、すごく感情移入できました。本作には、暗号を解く時に、いちから情報を集めて、それらをパズルのように組み合わせることで真実にたどり着こうとする“自力感”がとってもある。多くの人は日常的に暗号を解いたりしていないじゃないですか(笑)。本作を観て、そういうものの楽しさを知ってくれたらいいなと。最近だと、Googleが優秀な人を探すために数学の難問を街の広告塔や看板に掲載し、謎が解けた人だけを入社させるという事例もありました。なかなか日本では馴染みがない文化ですが、そんなポップな暗号の話もアメリカにはあるんです」

早瀬「CIA本部の庭にも、無数の文字が彫られた“クリプトス”という4面の彫刻があって、まだ3面までしかクリアされていないんですが、最後の1面をクリアしないと意味が分からないんです。いまのところ、なぜ作られたのかはわかっていません」

暗号を解いていくプロセスの泥臭さがリアルだったと語る早瀬
暗号を解いていくプロセスの泥臭さがリアルだったと語る早瀬

岸本「僕らがオカルト業界で見かける暗号や都市伝説って、一見バカっぽいんです。とんでもなくバカっぽいなと思うけど、それがすごいことにつながっていたりする。本作でサムが真実に近づけば近づくほど、周りの人が引いていくっていう感じはとってもリアルでした(笑)」

岸本「本作は序盤から多くのヒントが出てきているんです。僕たちは『アンダー・ザ・シルバーレイク』に完敗しましたが、勘の良い人ならサムよりも先に謎を解けるかもしれない。1度目観るのと、2度目観るのではとっても印象が変わる作品なので、ぜひ何度でも劇場に足を運んでほしいです!」

取材・文/山崎伸子

●都市ボーイズ プロフィール
若手放送作家の岸本誠と早瀬康広が気の向くままに都市伝説やオカルトの活動をしていくためのユニット。都内でのトークイベント出演やポッドキャスト『都市伝説 オカンとボクと、時々、イルミナティ』やインターネット放送局 K'zStationで『都市伝X』を配信中。
Twitterアカウント:@nishimako0928

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