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あの一大イベントの真裏に開催をぶつける“アグレッシブな映画祭”にその理由を聞いてみた

コラム

あの一大イベントの真裏に開催をぶつける“アグレッシブな映画祭”にその理由を聞いてみた

映画スタッフへのリスペクト、そして映画愛!映画をとことん楽しめるしんゆり映画祭

10周年の下北沢が異分野とのコラボで盛り上がる一方、日本初の映画学部のみの単科大学である日本映画大学がある街・新百合ヶ丘で20年来開催されてきたKAWASAKIしんゆり映画祭。今年は10月28日(日)から開催される。企画の一つ中学生によるジュニア映画制作ワークショップに同大学から講師を招くなど、映画制作者との関わりも深く、彼らへのリスペクトをもって市民スタッフが毎年ラインナップを選定している。

昨年は映画監督の山下敦弘と松江哲明を招いたトークイベントや、画家のジミー・ミリキタニを捉えたドキュメンタリー『ミリキタニの猫』(06)の上映に合わせて原画展を開催するなど、映画をより深く知ることができるイベントを取り揃えている。また、毎年映画祭スタッフによる会場装飾にも力を入れており、手作り感あふれるアットホームな雰囲気も魅力の1つだ。

昨年「山田孝之のカンヌ映画祭」一挙上映に登壇した山下敦弘と松江哲明
昨年「山田孝之のカンヌ映画祭」一挙上映に登壇した山下敦弘と松江哲明

今年の目玉である「見逃せない!!アジア映画特集」では5作品を上映する。11月3日(土・祝)の『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』(17)絶叫上映では、「キネカ大森の陣」と「しんゆり映画祭の陣」と名付けたコラボ企画も決定。同日昼にキネカ大森で上映される『バーフバリ 伝説誕生<完全版>』(15)を鑑賞後、新百合ヶ丘に移動して夜開催の『~王の凱旋』上映へと“はしご鑑賞”してダブルで大絶叫することが可能に!熱狂的なファンを持つ同作には「2作続けて観たい」という声もTwitterなどでかねてからささやかれていたが、ついに2部作それぞれの完全版を堪能できる、夢のような企画が結実したのだ。

インド本国はもちろん日本でも人気を誇る『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』(17)をしんゆり映画祭で絶叫上映
インド本国はもちろん日本でも人気を誇る『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』(17)をしんゆり映画祭で絶叫上映[c]ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

「アジア映画特集」ではほかに、ロングラン上映中の韓国映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』(17)や、シリアの市民ジャーナリストたちの姿を追った『ラッカは静かに虐殺されている』(17)、『モンガに散る』(10)の主演、監督コンビが再タッグを組んだ台湾映画『軍中楽園』(14)のほか、ディーン・フジオカ主演の『海を駆ける』(18)は健常者はもちろん、聴覚障がい者の方も共に映画を楽しめるバリアフリー字幕付き上映を実施する。

深田晃司監督が自身でバリアフリー字幕を制作したという『海を駆ける』(18)
深田晃司監督が自身でバリアフリー字幕を制作したという『海を駆ける』(18)[c] 2018 "The Man from the Sea" FILM PARTNERS

気になる10月末開催の理由は…?

それぞれの映画祭の特徴や今年のラインナップがわかったところで、やはり気になるのが開催時期。各担当者に問い合わせたところ、下北沢映画祭は「今年は正式に世田谷区、下北沢のイベントとして認可され、10回目という節目でもあり、北沢タウンホールで実施したかった」と会場の空きスケジュールに沿った形だと判明。しんゆり映画祭も「例年、10月中旬に開催しており、メイン会場である川崎市アートセンターとのご相談により開催時期が決まった」とのこと。やはり大きな上映イベントである以上、会場の都合が会期を左右していることがわかった。

映画祭が目白押しの秋。にぎやかなイベント、魅力的なゲスト、異文化とのコラボ…いろんな観点から映画系イベントを巡り歩けば、ひょっとしたら新しい自分に出会えるかもしれない。

文/トライワークス

■第10回下北沢映画祭
開催:10月26日(金)~28日(日)
北沢タウンホール、下北沢トリウッド、下北沢ReG
https://shimokitafilm.com/

■第24回KAWASAKIしんゆり映画祭
開催:10月28日(日)~11月4日(日) ※29日(月)は休映日
川崎市アートセンター
http://www.main.siff.jp/

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