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アップリンク吉祥寺のオープンには「夢がある」山下敦弘、富田克也ら監督陣が熱弁!

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アップリンク吉祥寺のオープンには「夢がある」山下敦弘、富田克也ら監督陣が熱弁!

東京・吉祥寺に新しくオープンする映画館「アップリンク吉祥寺」のオープン記念イベント「これからの映画と映画館」座談会が12月13日に行われ、山下敦弘監督、富田克也監督、矢崎仁司監督、大九明子監督が登壇。“映画館で映画を楽しむ喜び”について、トークを繰り広げた。

「アップリンク吉祥寺」は、吉祥寺パルコ地下2階に12月14日(金)よりオープン。“ミニシアター・コンプレックス”という新しいコンセプトのもと、全5スクリーン計300席を有する映画館となっている。オープニング企画として、過去5年にわたる名作・話題作を集めた特集上映「見逃した映画特集 Five Years」が開催されることも決定している。

当館のオープンについて、矢崎監督は「夢がある」と語り、「いまの社会において必要なのは暗闇。それを(当館は)5つも持っている」とコメント。「映画館って、恋人と喧嘩していたり、奥さんと喧嘩していたり、プロポーズした人とか、その日にいろいろなことがあった人が一堂に集まって。電気が消えて、スクリーンに向かって光が集まってくると、その人たちの感情が渦巻いているのがわかる。そこで(映画を)上映をできるのって、すごい喜び」と不特定多数の人と同じ空間を過ごす、特別感について語る。

富田監督は「地方の劇場がつぶれていくのを見続けてきた」と告白。「僕らの映画をよくかけてくれていた劇場がどんどんつぶれていくなかで、この先、消えていく一方なのかなってどんよりした気持ちになっている時に、ここがオープンした。最高です!」と喜びをあふれさせていた。

「スクリーンが減っていくことは、悲しみ以外のなにものでもない」と、富田監督に同調したのが大九監督。「映画というよりも映画館が好きで、映画は必ず、映画館で観ることにしていた。20代のころなどは、バイトをしながら『今日は嫌だな』という日でも、『夜はレイトショーを観に行くんだ』って思うと1日を頑張れたり。私にとっては、救いの場」と映画館への愛情を語っていた。

また「初めて、自分でお金を払って観た作品」について明かすひと幕も。矢崎監督は「『卒業』。映画っていろいろなことができるんだと思った。それで将来、映画を作る人になりたいと思った」、山下監督は「『グーニーズ』。映画もだけど、子どもたちだけで観たという興奮があった」、富田監督は「『機動戦士ガンダム』だったと思います。昔は2本立てで、2本の作品を朝から晩までずっと繰り返して観て、学校に行ったふりをしていた」、大九監督は「『セーラー服と機関銃』。かわいい(薬師丸)ひろ子ちゃんを観に行ったのに、とんでもないものを観せられた気がした。パンフを見て、その時に監督という職業があることを知った。偏愛というくらい『セーラー服と機関銃』を愛しています」とそれぞれが止まらぬ映画愛を熱弁していた。

取材・文/成田 おり枝

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