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柳楽優弥、バイト経験も糧に…快進撃は「まだこれから」もがいた過去と見つめる未来

インタビュー

柳楽優弥、バイト経験も糧に…快進撃は「まだこれから」もがいた過去と見つめる未来

14歳でカンヌ受賞。栄光の裏でもがいた日々

「期待が大きかった」というのは、カンヌでの主演男優賞というあまりにも大きな栄光を手にした裏で、当時の柳楽自身が抱えた葛藤でもある。「ものすごく大きな賞でした。ゴールみたいなレベルのものですよね」と笑い、「当時の僕は、“演じる”ということについてまだなにも知らなかった。そんななかで(カンヌ受賞という)先入観を持って見られてしまうと、期待を重く感じてしまうこともあって。“どうやったら演技がうまくなれるんだ”って、もがいていました。自分のことを大きく捉えがちになってしまっていたのかもしれません」と述懐する。

「でも」と続けるのは、「本当にありがたいことなんです。僕は“いいものを残したい”と思って、いつも作品に参加しています。そこ(『誰も知らない』)に負けたくないという気持ちだって生まれたし、ものすごくラッキーな経験。だから否定することは絶対にない。大変な時期もあったけれど、ものすごくありがたいこと」という感謝の気持ちだ。

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快進撃の理由「周囲の人を見習って、自分を築き上げてきた」バイト経験も糧に

シンイチが哲郎と出会って“自分”を探していったように、柳楽も「たくさんの出会いを重ねていくことで、自分らしさを見つけたり、確立することができたと思う」と歩みを進めてきた。「好きな人ができたのも大きかったですね。僕は柄本明さんが大好きで、もう大ファンなんですよ(笑)。『許されざる者』でもすごくお世話になって。好きな俳優さんの書いた書籍を読んで、自分らしさを見つけたこともあります。舞台で蜷川(幸雄)さんと出会って厳しくしてもらったり、『許されざる者』の李相日監督との出会いも大きい。そうやって周りのいい先輩を見習うことで、“自分はこうなんだ”と築き上げていけた。いまでは、僕が受賞したことを知らなくても、福田(雄一)監督や(宮藤)官九郎さんの作品で僕を応援するようになってくれた人だっている。皆さんに感謝していますし、すごくうれしいです」。

「僕はいろいろとやり方が下手なので…。とにかくトライアンドエラーを重ねることしかできない」と自己分析。体当たり派の彼だが、バイト経験もあるとか。「“どうやったらこんなにすごい人になれるんだろう”といろいろ調べたりすると、俳優の先輩でもバイト経験のある方って、多いんですよね。僕も自分のいる業界だけではなく、世の中ときちんと関わることが大事だと思ったので、バイトをした時期もあります」とのこと。

「今回演じたシンイチも飲食店で働いていた経験のある青年だったので、役を演じるうえでもイメージがしやすかった。僕はいつも不安のなかで役者業をやっているので、そういう経験をしたことで、役に共感ができたり、不安材料が減ったりすることもある。やっていてよかったなと思います」とバイト経験も役者業の糧となっている。

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