韓国時代劇×ゾンビ!Netflixオリジナルシリーズ「キングダム」 スタッフ&キャストが語る極寒撮影秘話|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
韓国時代劇×ゾンビ!Netflixオリジナルシリーズ「キングダム」 スタッフ&キャストが語る極寒撮影秘話

インタビュー

韓国時代劇×ゾンビ!Netflixオリジナルシリーズ「キングダム」 スタッフ&キャストが語る極寒撮影秘話

インタビューに答えるリュ・スンリョン(左)とチェ・ジフン(右)
インタビューに答えるリュ・スンリョン(左)とチェ・ジフン(右)

Netflixで1月25日より配信されている「キングダム」は、時代劇にゾンビを掛け合わせるという、Netflixオリジナルシリーズでしか作れないような意欲作。韓国映画界でも屈指のストーリーメイカーであるキム・ウンヒ(脚本、ドラマ「シグナル」など)と、『トンネル闇に鎖された男』(16)などで知られるキム・ソンフン監督、そして『王になった男』(12)などで知られる主演のリュ・スンリョン、『アシュラ』(16)などに出演したチュ・ジフンの2人がインタビューに答えてくれた。

世界配信に期待と自信をのぞかせるキム・ソンフン監督
世界配信に期待と自信をのぞかせるキム・ソンフン監督

李氏王朝時代に突然蔓延した疫病によって、死者が人肉を貪るという恐怖に陥った村。皇太子(チュ・ジフン)と疫病を調査する女医(ぺ・ドゥナ)は原因究明のために立ち上がり、そして権力者チェ・ハクジュ(リュ・スンリョン)は宮廷に渦巻く陰謀を危惧していた。監督を務めたキム・ソンフンは、このプロジェクトに参加した理由をこう語った。「Netflixによって190か国以上で配信されるということはとても素晴らしいことです。私たちがこのプロジェクトを手がけた大きな理由は、“新しさ”でした。今までに手がけたことのない新ジャンル、新プラットフォーム、1本の映画ではなく、長いシリーズという新フォーマット。そして何より、キム・ウンヒが脚本家であったということが一番の理由でした。私にとってすべてが新しく、素晴らしい体験でした」。

ゾンビと時代宮廷ものを掛け合わせた難しい題材を見事に料理した脚本家のキム・ウンヒ
ゾンビと時代宮廷ものを掛け合わせた難しい題材を見事に料理した脚本家のキム・ウンヒ

そして脚本家のキム・ウンヒは、「これまで手がけてきた韓国ドラマの仕事では、韓国の視聴者、つまり、自分と似たような感覚を持ち、私の作品を理解してくれる人々に向けて書いていました。でも今回のように世界に発信するにはさまざまな文化の人々に観てもらうことになるため、どのように受け入れられるのか興味があります。はたして気に入ってもらえるのか?と、楽しみであると同時に、怖い気持ちもあります」と、期待とともに緊張感を持って臨んだことを明かした。そうしたクリエイターの思いが身を結び、Netflixはシーズン1の配信を待たずしてシーズン2の製作を決めている。

チェ・ジフンが演じた皇太子イ・チャンは謎の疫病の原因究明のために危険を顧みず立ち上がる
チェ・ジフンが演じた皇太子イ・チャンは謎の疫病の原因究明のために危険を顧みず立ち上がる

本作では、ゾンビと化した村民たちが襲いかかるシーンを演じた俳優のふたり。撮影は極寒の韓国で行われていたこともあり、相当な苦労が伴ったと想像できる。皇太子(世子)を演じたチュ・ジフンは「極寒のシーンを撮影中に刀をうまく持てなかったり、唇が凍って台詞が言えないこともありました。雪が積もる中での水中のアクション・シーンもありました。私は皇太子の役なので何枚もの衣装を重ね着していましたが、村人やゾンビ役を演じた俳優たちは薄着なので、見ていてとても気の毒でした。彼らを心からリスペクトします」と語り、リュ・スンリョンは、第一話のクライマックスにあたるシーンの撮影秘話を明かした。「ゾンビが地面に積み重なっているシーンは何気なく見えますが、実は正確にデザインされた構図であるため、重なり方にもコツがいり、1つのシーンを撮影するのに1時間かかることもありました。地面はとても冷たくて、身体が凍るほどだったと思います。ソンビ役を演じた彼らの俳優魂には、心からの感謝と尊敬の念しかありません」。

権力者チェ・ハクジュを演じるのは、『王になった男』などで知られる盟友リュ・スンリョン
権力者チェ・ハクジュを演じるのは、『王になった男』などで知られる盟友リュ・スンリョン

アジア発信Netflixオリジナルシリーズの「キングダム」は、配信以来本国アメリカでも好評を得ている。ドラマ「ウォーキング・デッド」の大ヒットが示しているように、もともとゾンビものが大好きな国民。そして「キングダム」で描かれる宮廷のマウンティング劇は、「ゲーム・オブ・スローンズ」のテーマとも重なっていく。もはや「キングダム」にはヒット要因しかないのだ。

取材・文/平井伊都子

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