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樹木希林が最優秀助演女優賞!娘・内田也哉子が明かす、亡くなる直前の樹木希林の“謝罪”

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樹木希林が最優秀助演女優賞!娘・内田也哉子が明かす、亡くなる直前の樹木希林の“謝罪”

第42回日本アカデミー賞授賞式が、3月1日にグランドプリンスホテル新高輪で開催。見事、最優秀助演女優賞に輝いたのは、18年9月に他界した樹木希林だった。対象作品は『日々是好日』『万引き家族』で、ブロンズを受け取った樹木の娘・内田也哉子は「生前母がよく口にしていた『時が来たら誇りをもって脇にどけ』というのが文字通り、今日をもってできると思います」と、亡き母を偲んだ。

樹木は、第31回『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(07)と第36回『わが母の記』(11)で最優秀主演女優賞を、第34回『悪人』(10)で最優秀助演女優賞を受賞している。内田は、『わが母の記』の受賞時に樹木がしたスピーチを振り返って、生前の樹木とのやりとりについて明かした。

「母がまさにこの舞台で、『これをいただくと、来年司会でしょ。私、冗談抜きで全身ガンなので、来年の司会の仕事、約束できないんですよ』と口を滑らせました。私は母に『なんで、お祝いの場でそんなこと言うの?』とクレームをつけましたが、彼女は『だっていつ死ぬかわからないんだから、ちゃんと断っておかなきゃ、先方にご迷惑でしょ』と返してきました。つくづく母は、なんて真っ当な心根をもったアナーキストなんだろうと思いました」。

さらに、最初の乳がんが見つかってからの闘病期間について「13年という日々を愛おしく、まるで病気に感謝しているようにも見えました」と述懐。「ちょっと不思議だったのは、ガンがわかって真っ先にしたことが、父に会いに行き、それまでにしたすべてのことを謝るということでした。残された時間があとわずかだと知った時、自分に関わった人たちに謝っていきたいと。実に自分勝手な謝罪でしたが、実に母らしいなと」。

そのことを受けてか、内田は「最後に、母の58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動により、ときに人を傷つけたりもしたと思います。なので、この場をお借りして、すべての映画関係者に深くお詫びを申し上げます。そして、1つ1つのまれなる出会いに心より感謝申し上げます」。

司会を務めた西田は、樹木について「孤高な、誰にも真似できない唯一の先輩でした。あなたを真似たいんですができません。唯一無二。本当にすばらしい先輩でした」と称え「天国の希林さんに届けとばかりに盛大な拍手をお願いします」と訴えると、割れんばかりの拍手が贈られた。

ほかの優秀助演女優賞は、『北の桜守』の篠原涼子、『空飛ぶタイヤ』の深田恭子、『孤狼の血』の真木よう子、『万引き家族』の松岡茉優が受賞。松岡やプレゼンターを務めた役所広司、是枝裕和監督も共に樹木を心から偲んだ。

取材・文/山崎 伸子

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