『裁判長!』主演の設楽統がやってみたい法曹界の職業とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『裁判長!』主演の設楽統がやってみたい法曹界の職業とは?

インタビュー

『裁判長!』主演の設楽統がやってみたい法曹界の職業とは?

北尾トロ原作の同名エッセイを映画化した『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(11月6日公開)。本作で映画初主演を果たしたバナナマンの設楽統に、本作の魅力や自身の演技などについてたっぷり語ってもらった。

――本作の主演に決まった時の率直な気持ちを聞かせてください

「びっくり、嘘だろ、どっきりじゃないの。撮影の途中まで本気でそう思っていましたね。でも撮影が始まっても、全然どっきりらしいことがなくて。それでようやく本物なんだと実感しました」

――オファーはどのような形であったのでしょうか?

「ある日、マネージャーから相方の日村と一緒に呼ばれて、実は『設楽さんが映画の主演に決まりました』と言われて。おお!マジか!って思いました。日村は横で『すごいね、おめでとう!』と言ってくれたけど、内心きっと焦っていたんじゃないかな(笑)。そしてマネージャーが続けて言うんですよ。『実は日村さんも出演するんです。痴漢役で』と。思いっきりずっこけましたよ。これがコンビ内格差というものかな(笑)」

――役作りはどんなことをされましたか?

「実は役作りは全くやらなかったんですよね。撮影前に丸一日、裁判の傍聴に行ったんですね。婦女暴行、スリ、爆弾事件など色々傍聴しましたが、裁判って傍聴しない限り、テレビからの情報しかないし、どちらかと言えば自分に関係ないものと思いますよね。でも実際見てみると、人間が作ったルールで人間が裁くんですよ。裁判って本当に人間くささが出るものなんですね。扉ごとに人生があって、僕は面白いなあと思う一方で、圧倒されたし、怖かったし、普段何気なしに通っている建物の中でこんなことが起きているのかと実感しました。だから、その思いをそのまま出せば良いかなあと思って撮影に臨みました」

――普段されているコントと映画はどんな違いがありますか?

「似ているようで全然違いますね。コントは自分で脚本を作って、自分で好きなように、やりたいようにやっていますが、映画は人が書いた本があり、監督がいる。そしてその監督の求めるものを作り上げていく必要がある。僕は要求されたことは最低限やりたいし、監督が思っているよりちょっと上をやりたいんですね。だから、そこら辺がまだつかみきれていないというか、難しいところですね」

――マリリン役の片瀬さんとの妄想シーンは面白かったです。片瀬さんと共演されてみていかがでしたか?

「片瀬さんとはこれが初めてじゃないんですよ。だからわりと緊張せずに楽しめましたよ。片瀬さんはさばさばした良いお姉ちゃんという感じで、わりと男っぽいところがあるので(笑)。この作品には若手芸人も多く出ていて、僕が片瀬さんに「こいつは●●です」って紹介していたんですよ。そうしたらいつの間にかみんな片瀬さんと一緒になって遊んでいてね。僕は撮影の時間が長かったので、終わって戻ってきたら、遊びの残骸がその辺に残っているんですよ。絵しりとりとかしててね。僕も混ぜてほしかったなあと(笑)」

――先ほど、コントの脚本は自分で書かれていると仰っていましたが、映画の脚本を書いてみたいと思いませんか?

「映画の脚本、そう、実はね。あるんですよ。1本だけ。医療ものを書きたいと思っているんですよ」

――最後に、もし裁判長、検事、弁護士、どれが1つの職業をやりなさい、と言われたら設楽さんはどれを選びますか?

「これは悩むなあ。一般的なイメージだと正義は検事、格好良いのは弁護士ですよね。でも今回傍聴してみてわかったのは、検事も弁護士も裁判長に判決してほしいことを法廷でやっているんですね。なのでそういう意味では裁判長が良いですね。『死刑!』とかね。『●●死刑囚の判決を今から…あ、言っちゃった』みたいな(笑)。まあ冗談はともかく裁判長をやってみたいですね」

このインタビューでも軽快なトークを繰り広げてくれた設楽統。そのスマートさには感服するばかりだ。裁判員制度が始まって約1年、何かと裁判情報をテレビなどで目に耳にする機会が増えたと思う。少しでも裁判に興味を持たれた方は、傍聴にいきなり行くのも良いが、まずは劇場で本作を鑑賞して、裁判がいかなるものか勉強するのが良いだろう。裁判入門にうってつけの一本だ。【MovieWalker】

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