ネビル・ロングボトム役 マシュー・ルイス インタビューPART2|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ネビル・ロングボトム役 マシュー・ルイス インタビューPART2

インタビュー

ネビル・ロングボトム役 マシュー・ルイス インタビューPART2

――大学に行っていれば良かったと思うようなことは?

「Aレベル)大学入試資格)は受けたし、大学に願書も出して、実際に入学も認められていたんだ。でも、よくよく考えてみたら、僕は学校が嫌いなんだ(笑)。学校に行くこと自体は良い。友達に会えるんだから。僕は今でも地元のリーズに住んでいて、高校時代までの友達もみんなリーズにいる。だけど、勉強がね。どうしてもやる気が起きないんだ。実際に辛かったし。試験には受かったわけだから、勉強ができないわけじゃないと思うけど、勉強させられるのが嫌なんだ。論文を書かされたりとか。言われたテーマにそって、その教科に関する自分の知識のほどを試験官に採点してもらうために論文を書くような仕組みが受け入れられないんだよね。全てが意味のないことに思えるんだ。学生時代、試験の前には夜もろくに眠れなかった。大学に入って学生生活をまた3年間続けると考えたら、やっぱり自分には無理だと思った。これが論文の書き方だ、とか他人に言われながら勉強することに興味はない。だから願書は出したけど、結局は行かないことにした。せっかく入学を認めてもらったのにゴメンナサイって感じで。普通の人は、人生の方向性を見極めるために大学に行くよね? 大学時代に自分がどんな人間なのかとか、何をしたいのかを考える。それはそれで良いと思うけど、僕には自分のやりたいことが昔からわかっていたから。実際に、その道でキャリアっぽいものの第1歩を踏み出すこともできたわけだし、次に自分がすべきことは、その道を歩き続けられるようにすることだと思った。だから、大学生活で役者の仕事を3年間中断するのは得策じゃないと思ったんだ。それに僕は、哲学とか神学とか、興味のある分野については進んで知識を増やそうとするタイプだから。他人に言われなくて、自宅で本を読んだり、インターネットで情報を漁ったりする。ただ、誰かから『やれ』と言われると、その瞬間に勉強する気がなくなっちゃうんだ。大学に行かなくても自主的に勉強はできる。もしも将来的に大学に行きたいと思うことがあれば、そのための資格は持っているわけだし」

――あなたが考えるネビルの魅力は?

「魔法学校の友人と映画を見る人々、それから演じる側の僕にとってもそうかもしれないけど、ネビルは完璧じゃないからこそ魅力的なんだ。飛び切り男前なわけでもないし、ぽっちゃりした体型で、髪型も決まっていないし、女の子にももてない。表面上の彼はそんな少年さ。だけど、彼はとことん自分自身を信じている。正しいことをしようとしているのであれば、結果がどうでも、それには意味があると信じることができるんだ。ハリウッドの映画スターみたいなルックスがなくてもヒーローになれる。ネビルはそれを証明しているんだ。多くの人にとって、ネビルはヒーローさ。魅力のあるキャラクターだよね。役者としては頼りないネビルがヒーローへと変貌していく様子を表現できることに最大の魅力を感じていた。毎年、新しい作品の撮影が始まる度に、自分の役柄に深みを加えていくことができた。ものすごくやりがいがあったし、常に新鮮な気持ちで演技に取り組むことができた。少しずつ、少しずつ新しい要素を加えていくようにしたんだ。味のあるキャラクターだと思っている」

――撮影の合間には何をして時間を潰していたのですか?

「じっと座って出番を待つだけだったら耐えられないよね(笑)。幸い、僕はテレビがあれば満足できるタイプなんだ。『ジェレミー・カイル(昼間のトークショー)』みたいにくだらない番組を見るのも苦にならない。だから楽屋でテレビを見ながら相当な時間をすごしたよ。映画を持ってきて見ていることも多かったな。あとはギターを弾いたり。トム(・フェルトン)と一緒に弾くこともあった。バンドをやっているから、撮影の合間に曲を覚えなくちゃならなかったしね。バンドメンバーの一人が次から次へと曲を書いて送ってくるから、覚えなきゃいけない曲が結構あったんだ。ダーツも結構やった。ルパートの楽屋はゲーム室みないた感じで、卓球やビリヤードをしに彼の部屋に通ったよ。後は床に座ってくだらない話をしたりとか、普通の10代の子が友達と一緒にするようなことばかりさ」

――ヘレナ・ボナム=カーターに鼓膜を破られたというのは本当ですか?

「本当だよ。確かに鼓膜を破られた。5作目の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の撮影中のアクシデントさ。ネビルが人質にとられて、ベラトリックスにいたぶられるシーン。彼女、ベラトリックスは拷問を楽しむだろっていう解釈だったから、その路線で杖を僕の耳に突っ込んできた。映像的には効果抜群だったと思う。邪悪で、恐ろしい拷問シーンに仕上がっていたわけだから。周りでは爆発もあったりして、どこでどうなったのかは覚えていないんだけど、片方の耳が聴こえなくなった。プールに飛び込んだ時みたいな感覚だった。耳の中に水か入って聴こえなくなった時の感じ。違いは、僕の耳からは水が出てこなかったことかな。反対の耳は良く聴こえたけど、逆側は聴こえなかった。そこで、病院に行ったら、鼓膜が破けているって言われたんだ。医者は痛み止めの薬をくれて、一週間ぐらいで治ると言っていた。実際、4、5日したら聴こえるようになって、今では全く問題ない」

――彼女は相当気にしていたのではないですか?

「かなり申し訳なさそうだったな。撮影した当日は彼女に何も言わなかったんだ。そのまま撮影を続けていたから。でも、次の日に誰かが彼女に伝えたみたいで、僕のところにやってきて何度も誤られた。僕は全く気にしていなかったし、彼女のせいだとも思っていなかったんだけど。そうしたら、プレミア上映の時に旦那さんのティム・バートンを紹介してくれたから、『これで勘弁してあげるよ』ってことになった(笑)」

インタビューPART3に続く
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