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竹野内豊が涙をこらえて力説!「現在の平和は想像もできない苦しい体験があったからこそ」

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竹野内豊が涙をこらえて力説!「現在の平和は想像もできない苦しい体験があったからこそ」

太平洋戦争を生き抜いた、実在した日本兵の誇り高き姿を描いた映画『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』(2月11日公開)が完成。都内でジャパンプレミアが開催され、主演の竹野内豊、山田孝之、唐沢寿明、井上真央らが登場し、舞台挨拶を行った。

わずか47人の兵で島のジャングルに潜み、45,000の米軍を相手に神出鬼没の抗戦を続けた大場栄大尉(竹野内豊)。彼の勇姿は、やがてアメリカ軍から“フォックス”と呼ばれ、米軍の心をも動かしていく。実在した大場大尉と、彼の下で戦った日本兵たちの過酷な戦闘を描いた本作は、サイパン、タイのジャングルでロケを敢行し、リアルに描かれた戦闘シーンが見どころだ。

主演を務めた竹野内豊は、「現在の平和は、想像もできない苦しい体験があったからこそ。これまで頭ではわかっていたことですが、大場大尉を演じて、同じ軍服を着て荷物を背負って現地で撮影をしているうちに、日本人として忘れてはいけないことだと改めてて痛感しました」と撮影で感じた思いを語った。

唐沢寿明は、「史実として、こんなことが実際にあったんだということに驚きました。日本とアメリカのふたりの監督によって、途中がらりと雰囲気が変わるところも見どころだと思います。そして、竹ちゃんを皆さんよろしくお願いします」と、後輩・竹野内の肩に手を添えた。

この日のイベントでは、平和への願いを込め、1200人の観客と共に折り鶴を作成。久しぶりの折り紙を前に、唐沢は「途中で止めても良いかな?」と苦戦の様子。そんな中、山田孝之は「鶴を折れる今が幸せですね」と平和に対する思いを一言で表現した。完成した折り鶴は、竹野内と山田、平山秀幸監督が、当時戦場となったサイパンに届ける予定だ。

イベント後半には、1月2日に40歳となった竹野内と、9日に24歳になった井上真央の誕生日をサプライズでお祝い。井上と一緒にローソクの火を吹き消した竹野内は、「本当に嬉しいです。とにかく何でも楽しんで、いろんなことにチャレンジしたいです」とコメント。また井上も「こんな大きなケーキ、初めてです! 今年は年女ですし、良い年にしたいです」と喜びの笑顔で今年の抱負を語った。

また、映画の主人公となった大場栄大尉の実の息子・大場久充さんと、実際の戦場で大場大尉と共に戦った朝倉幸雄さんが登場。大場久充さんは「父・栄も感激していると思います。特に若い人に見てほしいです」とコメントし、朝倉さんは「私は47人の兵士のうちの1人。現在87歳、当時は20歳でした。仲間たちはほとんど亡くなってしまいましたが、46人の仲間の代わりに映画を見させていただきます」と話した。

竹野内は、大場さんや朝倉さんからの言葉に感激し、「ドン・ジョーズの原作がなかったら、大場さんたちのことを永遠に知ることはなかったと思います。ジョーンズは、日本人として誇りを持ってほしいと強い思いで真実の記録を残してくださった。彼と、我が身をもって全力で最後まで戦ってくださった方々に、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。戦後一世紀も満たないうちに日米が合作してこのような映画を作れたことは素晴らしいと思う。いつまでも日本人の心に残る映画になってくれたら嬉しいです」と涙をこらえるようにゆっくりと語った。

サイパンなどでの過酷なロケで平和への思いを強く感じながら、主人公・大場大尉を演じた竹野内。本作は間違いなく彼の代表作の1つとなるだろう。平和への思いをかみ締めながら、その戦いの記録を劇場で見届けよう。【取材・文/鈴木菜保美】

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