新海誠監督、『天気の子』舞台挨拶で「怯まずにやり続けていくことが自分たちの役目」と胸中を明かす|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
新海誠監督、『天気の子』舞台挨拶で「怯まずにやり続けていくことが自分たちの役目」と胸中を明かす

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新海誠監督、『天気の子』舞台挨拶で「怯まずにやり続けていくことが自分たちの役目」と胸中を明かす

興行収入250.3億円を記録する社会現象を巻き起こした『君の名は。』(16)の新海誠監督3年ぶりの最新作『天気の子』の公開初日舞台挨拶が19日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、新海監督を筆頭に声優を務めた醍醐虎汰朗と森七菜、吉柳咲良、本田翼、小栗旬が登壇。新海監督は昨日起きた京都アニメーションへの放火事件について、その胸の内を語った。

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公開11日前に完成した本作が、とうとう初日を迎えた感想を訊ねられた新海監督は「今朝からいくつか取材を受けて、気持ちの準備ができる前にここに連れてこられたので、なんと言っていいのか、まだ言葉を探すことができていません」と、万感の思いを語ると、「ちょっと嘘のような気がしています。本当に完成するのだろうか、という瞬間が最後までありました。でも、とうとうみなさんに観ていただけて、夢のようです」と、満員の観客に向けて熱い感謝を述べた。

さらに「実はちょっと不安なのですが、この映画ってもしかしたらとても自分勝手な映画かもしれない。自分のすごく大事な人と、もっと多くの人の幸せのどちらを選ぶだろうかという時に、少しわがままな選択をする話。自分もそうだよって思う人が、この世の中に何人かいらっしゃるのかなと信じて、望みながら作った映画でもあります」と本作に込めた想いを述懐。「これからたくさんの意見を浴びることになると思うので、そのことが怖くもあり、でも楽しみにしていたことでもあります」と明かした。

すでに世界各国での上映も決まっている本作は、すでに初日の午後の段階で『君の名は。』の初日の118%の動員を記録している。目標を訊ねられた新海監督は「当たり前のことかもしれないですが、年に何百本もある映画の1本、無数にあるエンタテインメントの1本に過ぎないわけです。でも、この映画を観て少しでも楽しい気持ちになっていただけるのであれば、それが作っていた時に思っていた僕の目標です。それさえあれば“なんでもないや”っていまは思っています」と、RADWIMPSの曲のタイトルに絡めてコメントした。

新海誠監督が、18日に起きた京都アニメーションの事件について想いを語った
新海誠監督が、18日に起きた京都アニメーションの事件について想いを語った

そして最後に登壇者を代表してマイクをとった新海監督は「ちょうど公開の前日にとてもいたましい事件がありまして、どのような気持ちで初日に臨んだらいいのかと思ったりもしましたが、ここで観客のみなさんの顔を見ることができて、やはり僕たちの仕事は、どういうことがあってもエンタテインメントを作って表現すること。自分たちや誰かを傷つける可能性はゼロではないですけど、怯まずにやり続けていくことが自分たちの生業であり、役目であり、そして一番やりたいことなんだと改めて思いました」と語る。そして「少し気持ちが晴れるような映画を作ったつもりです。これからもっとたくさんの方に見ていただきたいと思います」と述べ、会場からは大きな拍手が贈られていた。

取材・文/久保田 和馬

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