“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンに酔いしれたい…映画からゲーム(!)まで出演作続々<写真30点>|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンに酔いしれたい…映画からゲーム(!)まで出演作続々<写真30点>

コラム

“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンに酔いしれたい…映画からゲーム(!)まで出演作続々<写真30点>

北欧デンマーク出身の国際的俳優として活躍するマッツ・ミケルセン。今年の9月には2年ぶりの来日を果たし、「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション」でのサイン&撮影会に大勢のファンが押し寄せるなど、日本でも絶大な人気を誇っている。そんな彼の出演作が10~11月にかけて連続公開!そこで、マッツの役どころや魅力を中心に作品を紹介していきたい!

“北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセンの魅力を余すところなく紹介!
“北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセンの魅力を余すところなく紹介!写真:SPLASH/アフロ

マッツといえば、熟成された渋さや危険な香りのする色気がありながら、はにかんだ笑顔が眩しい茶目っ気も魅力。近年は、レクター博士を演じた「ハンニバル」シリーズに、『ドクター・ストレンジ』(16)や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)といった人気ドラマやハリウッド大作で活躍。その一方で、カンヌ国際映画祭の男優賞に輝いた『偽りなき者』(12)や北欧産西部劇『悪党に粛清を』(14)など、本国デンマークを中心にヨーロッパのインディペンデント系作品にもコンスタントに出続け、“北欧の至宝”と呼ばれるなど独自の存在感を放っている。

“不思議キャラ”のマッツが堪能できる『アダムズ・アップル』

そんなマッツのダンディなだけじゃない“変人っぷり”を楽しめるのが、2005年に制作されたデンマークのヒューマンドラマ『アダムズ・アップル』(公開中)だ。ある更生施設の教会を舞台に、仮釈放されたばかりのネオナチのアダムが、一癖も二癖もある登場人物たちに振り回されるというストーリー。これまで日本での劇場上映はなかったが、本国公開から14年の時を経て、初めて日本のスクリーンに登場する。

エキセントリックな聖職者のイヴァンをマッツが魅力たっぷりに演じる!(『アダムズ・アップル』)
エキセントリックな聖職者のイヴァンをマッツが魅力たっぷりに演じる!(『アダムズ・アップル』)[c] 2005 M&M Adams Apples ApS.

本作でマッツが演じているのは主人公である聖職者のイヴァンで、前科者の入居者たちを正しく導こうとする聖人君主のような男。しかし、妄信的に神を信じ全てを肯定する極端にポジティブな面があり、「失敬な!」と誰にでも議論をふっかける変わり者で、元犯罪者であるアダムがまともに見えてしまうほど。

神を信じないネオナチのアダムをイヴァンが正しく導こうとする(『アダムズ・アップル』)
神を信じないネオナチのアダムをイヴァンが正しく導こうとする(『アダムズ・アップル』)[c] 2005 M&M Adams Apples ApS.

本作の監督を務めたのは、前述の『悪党に粛正を』のほか、『しあわせな孤独』(02)や『アフター・ウェディング』(06)などの脚本家で、マッツとは何度もタッグを組んできたアナス・トマス・イェンセン。監督としては本作以外にも、マッツが人肉を売る肉屋(!)を演じた『フレッシュ・デリ』(03)や、場所を選ばずにマスターベーションをする男(!!)を怪演した『メン&チキン』(15)なども手掛けており、マッツの良い意味での変態性や狂人的なところを引き出すのが上手い人物。本作でもマッツは、周囲を唖然とさせる奇行を繰り返すイヴァンを、時に血まみれになりながら飄々と好演(?)している。まさに『アダムズ・アップル』は、最近ではあまり観られなくなった、どこか不思議なマッツを堪能できる貴重な作品なのだ。

旧約聖書の「ヨブ記」と「アダムの林檎」をベースに、人間の暗黒面をえぐり出し、奇跡のハッピーエンディングまでも描く(『アダムズ・アップル』)
旧約聖書の「ヨブ記」と「アダムの林檎」をベースに、人間の暗黒面をえぐり出し、奇跡のハッピーエンディングまでも描く(『アダムズ・アップル』)[c] 2005 M&M Adams Apples ApS.

“静の演技”が光る!『残された者』&『永遠の門』

11月8日(金)には、2本のマッツ出演作が同時に公開される。1本目は主演作『残された者-北の極地-』で、飛行機が墜落し北極でたった一人のサバイバルを強いられるオボァガードという男をマッツが体当たりで演じている。登場人物はマッツを含む2人だけで、全編を通して彼が出ずっぱりという作品。撮影は-25~30度のアイスランドで行われ、マッツはほとんど言葉を発さない“静の演技”で、生き残るために食料を確保し、ルーティン的に救難信号を送り続ける男の孤独や辛さを目の動きや体の挙動で体現した。撮影についてマッツは「クレイジーな作品はたくさんやってきたが、本作が最も過酷だった」と語っている。

マッツは北極でたった一人のサバイバルを強いられるオボァガードを演じる
マッツは北極でたった一人のサバイバルを強いられるオボァガードを演じる[c] 2018 Arctic The Movie, LLC.

2本目は、美術史上最も重要で人気の高い画家、フィンセント・ファン・ゴッホを通してアートや絵を描くことに迫った『永遠の門 ゴッホの見た未来』。自らの絵が世間から全く評価されないゴッホが、ありのままの自然の美を追求しようと苦悩する作品で、マッツは『アダムズ・アップル』に続いて聖職者役を務めている。出演シーンこそわずかだが、奇妙な絵ばかりを描く理解のできない男として見ていたゴッホに「キリストも最初は誰にも理解されていなかった」と言われ、心が動揺する様子をわずかな表情の動きなどで丁寧に表現している。

『永遠の門』でマッツはゴッホと対話をする聖職者を演じる
『永遠の門』でマッツはゴッホと対話をする聖職者を演じる[c] Walk Home Productions LLC 2018
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