ネタバレなし!『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』ワールドプレミアレポート|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ネタバレなし!『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』ワールドプレミアレポート

イベント

ネタバレなし!『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』ワールドプレミアレポート

Netflixにて配信中の『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』
Netflixにて配信中の『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』Getty Images

Netflixで10月11日より配信が始まった『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』のワールドプレミアが、米国時間8日ロサンゼルスで開催された。2008年から2013年まで米AMCで放送され、フィナーレから約6年経ったいまでも、「ブレイキング・バッド」をテレビ史に残る最高の番組として言及するファンや評論家は多い。今回実現した映画版の企画製作は、実は2017年から水面下で始動していた。いままでにも映画版の噂や、ロケ地周辺でそれらしき撮影を目撃したという証言が浮上することはあったが、映画版の存在が大々的に明らかになったのは、撮影はとっくに終了してトレイラーが完成した今年の8月だ。世界中のファンにサプライズを届けるため、キャストやスタッフが秘密を死守しきった、“シークレット・プロジェクト”だったのだ。

『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』は、「ブレイキング・バッド」の主役、ウォルター・ホワイトの相棒のジェシー・ピンクマンが主役。ストーリーは、”クリスタル・メス”と呼ばれる麻薬を製造する奴隷として麻薬組織に監禁されていたジェシーが、ウォルターの仕掛けた銃撃で脱出に成功し、シボレーの”エルカミーノ”で走り去った最終話のその後を描く。

ジェシーを演じる俳優アーロン・ポールは、「『ブレイキング・バッド』が終わった時は、再びジェシーを演じられるのは『ベター・コール・ソウル』にゲスト出演する時ぐらいだろうなと思っていたよ。今回また彼を演じられたのは、まるで昔の友人と再会できたようでうれしいんだ。心に深い傷を負った彼に再会できたのは、とても心温まる経験だった。僕自身も、ジェシーはあの後どうなったんだろうかと、いつも気にかけていたからね。ネオナチの麻薬組織の監禁からを脱出した後も、ジェシーには辛い道のりが待っている。本作でもヴィンス・ギリガンは破茶滅茶な展開を用意しているから、観客の皆さんには覚悟していてほしいね。ジェシーのもっと深い部分が理解出来るストーリーになっているよ」と語った。

アーロン・ポールは、「ブレイキング・バッド」に出演してから、Huluのオリジナルドラマ「ThePath/ザ・パス」や、映画『ニード・フォー・スピード』(14)など数々の作品に挑んできたが、ジェシーに並ぶほどのハマリ役になかなか巡り会えず苦労していたと、以前Vultureが行ったインタビューで明かしている。今回、『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』に出演したのは、俳優としてこの役柄を“手放す”ためと、再び俳優として翼を広げられるチャンスになるという、妻ローレンからの後押しがあったからだと同インタビューで語っている。本作の撮影終了後、アーロン・ポールは「ウエストワールド」のシーズン3への出演が決定。こちらもまだ役柄の詳細などは明かされていないが、今後も彼は映画ではなくテレビドラマを中心に俳優業を続けていくことにしたそうだ。

ドラマシリーズでジェシーの恋人役を演じたクリステン・リッター
ドラマシリーズでジェシーの恋人役を演じたクリステン・リッター写真:SPLASH/アフロ

この日レッドカーペットには、ウォルター役のブライアン・クランストンや、ガス役のジャンカルロ・エスポジート、ジェシーの恋人のジェーン役のクリステン・リッターらが登場したが、本作に出演しているかどうかは、皆口を固くして話そうとはしなかった。ほとんどのキャラクターがドラマの中ではすでに死んでしまっているが、本作に“フラッシュバック”として登場するかどうかは、映画を観てのお楽しみだ。ちなみに、アーロン・ポールとブライアン・クランストンは今でも親交が深く、映画の公開に先駆けて2人でメキシコのオアハカ原産のメスカル(アガベが原料のテキーラと同種の蒸留酒)の、「Dos Hombres (ドス・オンブレス:2人の男)」というブランドを立ち上たばかり。ドラマの中でも、2人の腐れ縁と、絶妙なセリフの掛け合いが楽しめたが、プライベートでいまでも仲がいいとは、番組ファンとしても喜ばしい話だ。

俳優のマーク・ハミルも駆けつけた
俳優のマーク・ハミルも駆けつけた写真:SPLASH/アフロ

この日、試写会場には俳優のマーク・ハミルや、「サンズ・オブ・アナーキー」のチャーリー・ハナム、 「The Path/ザ・パス」のミシェル・モナハンらも顔を見せ、映画が終了しエンドロールが流れると同時に、会場はスタンディングオベーションと大きな歓声で包まれた。Netflixオリジナル映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』は日本でも現在配信中だ。

LA在住/小池かおる

作品情報へ