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「本当に幸せです」チャン・ツィイーが女優生活20周年に満面の笑み!

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「本当に幸せです」チャン・ツィイーが女優生活20周年に満面の笑み!

第32回東京国際映画祭で29日、今年のコンペティション部門で審査委員長を務めるチャン・ツィイーの女優生活20周年を記念して、ツィイーのデビュー作となった『初恋のきた道』(99)が上映。上映後のQ&Aに登壇したツィイーが、観客から寄せられた質問に答えながらこれまでの充実した女優生活を振り返った。

中国映画界の巨匠チャン・イーモウ監督が手掛け、第50回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリに当たる銀熊賞を受賞した『初恋のきた道』は、教師だった父親の訃報を受けて小さな農村へと帰郷した青年が、両親の若き日を回想していく物語。都会からやってきた若い教師チャンユーに恋したチャオ・ディ。文盲の彼女は手作りの料理に自らの想いを託し、やがて2人の心は通じ合うが、時代の波によって2人は離れ離れになってしまう。

「この映画は私にとって大きな意味を持つ作品。この映画が20年前に日本で上映された時、イーモウ監督と一緒に来日したことをいまでもはっきりと覚えています。そしてこうして、20年経ったいま皆さんにふたたび観ていただくことができて本当に幸せです」と語ったツィイー。

そして会場のスクリーンには、恩師であるイーモウ監督からのビデオメッセージが映しだされると、「ずっとここまで歩いてこれたのは、周りにいつも良き先生や良き友人がいたおかげ。若い時には映画や演技についてわかっていない時期もありましたが、イーモウ監督やアン・リー監督、ウォン・カーウァイ監督といった監督の皆さんからいろんなことを教わってきました。彼らがいなければいまの私もいないと思います」と感謝を述べた。

観客からの質問で『初恋のきた道』の中での好きなシーンを訊かれると「この映画に出演した時は19歳でした。数か月の撮影期間中に実感していたのは、ひとりの人間として生きてきたということです」と、20年前の思い出を語りはじめるツィイー。「この映画の持つ意義は、その当時の私の若々しさや美しさ、自然体な姿を記録していたこと。この映画から学んだことは、演技をする時には自然な自分をさらけ出すことが大事だということです」と、本作のすべてにいまでも強い愛情を持っていることを窺わせた。

さらに、これまでの女優キャリアで一番印象に残っている役は?という質問に対しては「皆さんよく知っていらしゃると思いますが、20年で色々な仕事をしてきました。個人的には、生命力や力強さに満ちた女性を演じることが好きで、とても心惹かれます」と明かす。

そして「映画のおかげで私のパフォーマンスは記録されている。20年後の今日、20年前の映像を観ることができましたし、きっと20年後の今日も何らかの作品を見ることができるでしょう。そうしたら私の娘が大人になって、お母さんの若い時の姿や、どういう仕事をしていたかを知ることができるでしょう」と映画の持つ魅力を幸せそうな笑顔を浮かべながら語った。

取材・文/久保田 和馬


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