【今週の☆☆☆】50作目の『男はつらいよ』やトップレス美女が踊り狂う(!)『死霊の盆踊り』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【今週の☆☆☆】50作目の『男はつらいよ』やトップレス美女が踊り狂う(!)『死霊の盆踊り』など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】50作目の『男はつらいよ』やトップレス美女が踊り狂う(!)『死霊の盆踊り』など週末観るならこの3本!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、12月27日(金)から今週末の公開作品をピックアップ。国民的人情喜劇シリーズ「男はつらいよ」の最新作や、北欧ヘヴィメタルバンドの珍道中を描いたコメディ、“サイテー映画監督”エド・ウッドが原作・脚本を手掛けた“迷”作など、バラエティあふれる作品ばかり!

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

寅さんの記憶がいまを生きる人間たちを後押しする『男はつらいよ お帰り 寅さん』(12月27日公開)

満男の家族たちはもちろん、シリーズおなじみのキャストたちが大集合する(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)
満男の家族たちはもちろん、シリーズおなじみのキャストたちが大集合する(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)[c]2019 松竹株式会社

山田洋次監督は日本映画界を代表する巨匠の一人なのに、その感性は若手監督に引けを取らないぐらい柔軟で若い。常に先を歩いている。『男はつらいよ お帰り 寅さん』を観たら、そのことを改めて実感するに違いない。

そもそも、寅さんこと主人公の車寅次郎を演じていた渥美清がこの世を去って久しいのだから、1作目の公開から50周年とはいえ、シリーズ最新第50作が製作されるなんて誰も想像していなかったはずだ。だが、誰も思いつかないことに果敢にチャレンジするところが山田洋次監督!

しかも、4Kデジタル修復技術で過去のフィルムから鮮やかに蘇った寅さんの映像をただ闇雲に並べるのではなく、寅さんの確かな記憶が小説家になった寅さんの甥・満男(吉岡秀隆)と再会した彼の初恋の人・イズミ(後藤久美子)の現在のドラマを動かす構造になっているところが秀逸。いまも色褪せていない寅さんの名調子に爆笑し、満男とイズミが奏でる感動的なクライマックスではグッとくる。寅さんのいるお正月を久しぶりに満喫してみてはいかがだろうか。(映画ライター・イソガイマサト)

売れないバンドマンによるハチャメチャな大冒険『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』(12月27日公開)

フィンランドのド田舎から隣国ノルウェーに向かうバンドマンたち(『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』)
フィンランドのド田舎から隣国ノルウェーに向かうバンドマンたち(『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』)[c]Making Movies, Filmcamp, Umedia, Mu tant Koala Pictures 2018

北欧のフィンランドと聞いて誰もがすぐさま思い浮かべるのはサウナやムーミンだろうが、この国では意外にもヘヴィメタルが大人気だという。フィンランドのド田舎の村を舞台にした本作は、誰にも注目されない若きヘヴィメタ・バンドの奮闘を映し出す爆笑コメディ。

結成から12年経ってもライブ経験ゼロの4人組が、隣国ノルウェーでのロック・フェスに参戦するため無謀な旅に出る。熱いメタル魂を内に秘めながらも、やることなすこと空回りのバンドの日常を珍妙なエピソード満載で描く映像世界は、ロードムービーに転じるクライマックスでまさかのアクション、アドベンチャー、ファンタジーへと飛躍。ハチャメチャなまでに豪快な負け犬バンドの“崖っぷち”大冒険に唖然呆然としてほしい。(映画ライター・高橋諭治)

え、なにこれ?派手な死霊たちがただただ踊る『死霊の盆踊り』(12月28日公開)

【写真を見る】トップレスのネコ女が現れ…不思議な世界観を醸しだす『死霊の盆踊り』
【写真を見る】トップレスのネコ女が現れ…不思議な世界観を醸しだす『死霊の盆踊り』[c]1965 Astra Productions, under license from Vinegar Syndrome

かつてエクスプロイテーション映画と呼ばれるジャンルがあった。観客の“見たい”に特化した見世物的な映画のことで、映像ソフトやネット動画の登場により消え去った。1965年に公開された本作は、その手の愛好家に語り継がれてきた伝説的な作品。深夜に車で事故を起こしたカップルが、死霊の宴を目撃するというお話だ。映画の大部分を占めるのが、純金マニア、奴隷、ネコ女など趣向を凝らした10人の美女が、ダンスやムード、エスニックなど多彩な曲に合わせてトップレスで踊る姿。脚本をティム・バートンも敬愛する“サイテー映画監督”エド・ウッドが書いているだけに、ダメさ加減もはんぱじゃない。こんな映画が量産されていた時代を追体験する気分で楽しみたい作品だ。(映画ライター・神武団四郎)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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