総勢8名の回答をイッキ見!映画ライターが選ぶ、2019年のベスト映画は?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
総勢8名の回答をイッキ見!映画ライターが選ぶ、2019年のベスト映画は?

コラム

総勢8名の回答をイッキ見!映画ライターが選ぶ、2019年のベスト映画は?

Movie Walkerスタッフが、毎週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画【今週の☆☆☆】。連載スタートから早1年強…ということで、いつも映画レビューを書いてくれている映画ライター陣に、2019年に観た作品から“ベスト3”をピックアップしてもらった。「この作品は良かった!」「感動した!」「こんな作品もあったんだ」など、上映&配信された作品たちに思いを馳せながら一年を振り返ってみよう!

2019年は日本の監督たちの才気が爆発!(イソガイマサト)

松岡茉優ら若手実力派からフレッシュな新星・鈴鹿央士まで、バラエティー豊かなキャスト陣(『蜜蜂と遠雷』)
松岡茉優ら若手実力派からフレッシュな新星・鈴鹿央士まで、バラエティー豊かなキャスト陣(『蜜蜂と遠雷』)[c] 2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会

1.『蜜蜂と遠雷』(19)

2.『新聞記者』(19)

3.『キングダム』(19)

長かったキラキラ映画の時代も終わり、2019年の日本映画界は力のある監督がその才気を遺憾なく発揮した年だった。中でも語り口、映像設計、役者の魅力とパフォーマンスの引き出し方、音楽など映画を構築するすべての要素を熟知した石川慶監督の『蜜蜂と遠雷』は、五感を刺激する完璧な仕上がりに驚愕した一番の大収穫。藤井道人監督の『新聞記者』も骨太なタッチと鮮やかな映像による濃密なドラマに心を鷲づかみにされたし、佐藤信介監督が持てるアクションとVFXのスキルを最大限に爆発させた『キングダム』の成功、大ヒットもうれしい事件。白石和彌監督の『凪待ち』(19)、『ひとよ』(19)、市井昌秀監督の『台風家族』(19)、井口昇監督の『惡の華』(19)など作り手がその持ち味を全開させた野心作に惚れぼれしたことも記しておきたい。

アメリカの精神性の「生と死」みたいなものが感じられる!(石井誠)

世界最高の歴代興行収入を記録した『アベンジャーズ/エンドゲーム』
世界最高の歴代興行収入を記録した『アベンジャーズ/エンドゲーム』[c] 2019 MARVEL

1.『ゾンビランド:ダブルタップ』(19)

2.『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)

3.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)

アメコミ映画好きとしては『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、今までのMCUの10年&21作の重みに応える大満足&感無量の1本だったのですが、それでも個人的ベスト1は『ゾンビランド:ダブルタップ』です。ゾンビによって死にかけになったアメリカ社会の中で、死んでいるようで生きている愛すべきアメリカ文化が生きる拠り所になる……という多重構造的な作風が、10年前から大きく成長して豪華になってしまったキャストによって紡がれ、軽妙な脚本も含めて最高でした。『ワンス~』は、古き良きアメリカがやはり文化的な変化で明暗を遂げる様子を描いていてすばらしい。そして、ディカプリオの演技に心動かされました。『エンドゲーム』も含めて、アメリカの精神性の「生と死」みたいなものが感じられる作品が今年のお気に入り映画となった感じです。

“伝説の傑作”というべき2本が日の目を見たことがうれしい(高橋諭治)

“北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセンが主演を務めた!(『アダムズ・アップル』)
“北欧の至宝”ことマッツ・ミケルセンが主演を務めた!(『アダムズ・アップル』)[c] 2005 M&M Adams Apples ApS.

1.『マイ・ブックショップ』(17)

2.『アダムズ・アップル』(05)

3.『WEEKEND ウィークエンド』(11)

保守的な田舎町で本屋を開いた未亡人の孤独な闘いを描いた1位は、胸に染み入る“物語”のすばらしさに加え、突然時空を超えるエンディングに驚きと感動を覚えた。北欧の世にも奇妙な悲喜劇の2位は2005年、同性愛をテーマにした3位は2011年製作の旧作だが、一部の映画ファンの間で絶賛を博していた“伝説の傑作”というべき2本が日の目を見たことがうれしい。旧作では『サタンタンゴ』(94)『ザ・バニシング -消失-』(88)の劇場初公開もサプライズな出来事だった。そして私的な年間ベスト・ホラーは『ゴーストランドの惨劇』(18)。ベスト・スリラーは『THE GUILTY/ギルティ』(18)。邦画ベストは『蜜蜂と遠雷』。配信映画ベストは『足跡はかき消して』。Netflixオリジナル映画やAmazonの配信スルー作品のレベルがますます上がっているので、来年はもっとそちらのチェックに時間を割かねばと思う次第です。


映画人が選ぶ、ベスト映画2019もあわせてチェック!

■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
4K ULTRA HD&Blu-rayセット【初回生産限定】
2020年1月10日(金)発売
価格:6,800円+税
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

■『アベンジャーズ/エンドゲーム』
4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定)
発売中
価格:10,000円+税
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン

■『クロール ―凶暴領域―』
Blu-ray+DVD
2020年2月5日(水)発売
価格:3,990円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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