菜々緒&斎藤工、役者もバラエティも全力投球!「鼓舞される」と互いにシンパシー|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
菜々緒&斎藤工、役者もバラエティも全力投球!「鼓舞される」と互いにシンパシー

インタビュー

菜々緒&斎藤工、役者もバラエティも全力投球!「鼓舞される」と互いにシンパシー

菜々緒と斎藤工が、『ヲタクに恋は難しい』(公開中)で恋人役を演じている。菜々緒と斎藤工と言えば、俳優としての熱量だけでなく、バラエティ番組などで見せる“全力投球”でも多くの人々を魅了している2人。インタビューを試みると、菜々緒が「斎藤さんのバラエティ番組での活躍ぶりを見ると、いつも鼓舞される」、斎藤が「菜々緒さんには、どこかバディ感のようなものを感じていて。恋人役が菜々緒さんと聞いてホッとした」と語るなど、お互いに抱いている特別な想いが明らかとなった。

ミュージカルを交えて“ヲタク男女”のカップルライフを描くラブコメディ
ミュージカルを交えて“ヲタク男女”のカップルライフを描くラブコメディ[c]2020映画「ヲタクに恋は難しい」製作委員会

イラスト投稿サイト「pixiv」で2014年から連載されたWEB漫画を映画化した本作。隠れ腐女子の成海(高畑充希)と、重度のゲームヲタクの宏嵩(山崎賢人)という不器用な2人のカップルライフを中心に、“夢に生きる人たち=ヲタク”の日々を描くラブコメディだ。成海と宏嵩の会社の先輩で、界隈では有名なコスプレイヤーの花子を菜々緒、同じく成海と宏嵩の会社の先輩で、顔は怖いが根は真面目で面倒見のいい樺倉役を斎藤が演じている。

「福田組は生半可な気持ちでは臨めない」(菜々緒)「初陣でその楽しさがわかった」(斎藤)

有名コスプレイヤーの花子役を、抜群のスタイルで演じた菜々緒
有名コスプレイヤーの花子役を、抜群のスタイルで演じた菜々緒[c]2020映画「ヲタクに恋は難しい」製作委員会

樺倉役の斎藤、ダンスシーンについては「振り付けで気を失いそうになった」と振り返った
樺倉役の斎藤、ダンスシーンについては「振り付けで気を失いそうになった」と振り返った[c]2020映画「ヲタクに恋は難しい」製作委員会

メガホンを取ったのは、『銀魂』シリーズの福田雄一監督。菜々緒は『銀魂』以来となった福田組への参加が決まり、「来たか!という感じ(笑)。福田組は『出陣!』という心づもりで行く感覚があります。現場にものすごい勢いと熱量があるので、生半可な気持ちでは臨めない。腹をくくって向かいました」と前のめりの姿勢で挑んだと話す。福田組は初体験となる斎藤は「たしかに僕も、“出兵感”はありましたね」とニッコリ。「福田監督の現場は、オーケストラで例えるならば、普段通りの音色では通用しない。撮影の初日には、『無事に戻れるだろうか』という気持ちで家を出たのを覚えています」と振り返る。

実際に飛び込んだ福田組の印象は、「福田監督はとてもロジカルで、自ら見本も見せてくださる。僕らがほしいと思っているヒントをいつも的確にいただけるおかげで迷うことは一切、なかったですね」と福田監督に感謝する斎藤。本作では振り切った演技も見せており、「菜々緒さんのお芝居を見ていると、『マックスでやっていいんだ』とわかって(笑)。本当にすばらしいなと思いました。感染していくように、お芝居の化学反応がある現場。皆さん、ものすごく楽しんでお芝居をしていて、初陣ながら僕もその楽しみ方がわかったような気がしています」と恋人役の菜々緒をはじめ、周囲のキャスト陣の熱演に力をもらいながら、どんどんヒートアップしていったという。

菜々緒も「福田監督の要望に応えたいという想いと、さらにそれよりもう一つ上に行ってやろうという想いが強い」と高みを目指しているそうだが、とりわけその活気を堪能できるのが、花子&樺倉のカップルが罵り合いを繰り広げるシーンだ。原作者のふじたより「思い切り下品な言葉のやり取りでケンカしてほしい」とのリクエストがあったそうで、撮影当日に急遽、追加されたセリフに加え、菜々緒と斎藤はそのシーンの大半をアドリブで作り上げたという。

菜々緒は「『これは福田監督が好きなシーンだな』と思いましたし、なにか爪あとを残さないといけないとも感じて。なによりも、斎藤さんには絶大な信頼を置いていますので、どんな言葉を浴びせても怒らないだろうなという安心感もあり、ボロクソに言わせていただきました。攻めました」と楽しそうな笑顔。「侍同士の斬り合いのような感じ。一発OKでしたね」と続けると、斎藤も「菜々緒さんに罵っていただきました。貴重な経験でした」と笑うなど、息の合ったトークでインタビュー部屋も大盛り上がりだ。

「僕は“菜々緒ファン”」(斎藤)「斎藤さんの言葉がなければ、女優を続けてこられなかったかも…」(菜々緒)

俳優は「ご褒美のようなことが起きる仕事」
俳優は「ご褒美のようなことが起きる仕事」撮影/野崎航正

バラエティ番組でも驚くほどのサービス精神を発揮する2人。彼らの恋人役が見られるのも本作のお楽しみポイントだが、菜々緒も斎藤も、いつもお互いの存在から大いに刺激を受けていると語る。

斎藤は「僕は“菜々緒ファン”なんです」とキッパリ。「以前も恋人役で共演させていただいたこともありますし、菜々緒さんにはどこかバディ感みたいなものを抱いていて」と明かしつつ、「菜々緒さんは覚えていないかもしれないですが、『ミス・パイロット』という作品でご一緒させていただいた時に、打ち上げで『あなたは絶対に世界で通用する女優さんになる』『いろいろな映画を観てきたけれど、あなたの存在感はとんでもないところまで行けると思う』と言ったんです」と菜々緒の存在感に惚れ込んでいたことを告白する。

菜々緒は「もちろん覚えています」と答え、「まだドラマ出演も数本しか経験のないころで、そんなふうに褒めてもらえるなんて思わなくて。『私が女優なんて、辞めたほうがいいかな』とへこたれているタイミングだったんです」と述懐。「斎藤さんの言葉に勇気をもらって。もうちょっと続けてもいいのかなと思えた。あの言葉がなかったら、もしかしたら続けてこられなかったかもしれない」と打ち明ける。

さらに斎藤が「あの打ち上げの二次会で、菜々緒さんは出し物でAKB48の曲を歌ったんですが、それをものすごい全力でやられていて、とても感動的だったんです。ニーズに対して倍にして返す方だなと思った。バラエティ番組を観ていても、掛け算にして返していらっしゃいますよね。僕も『菜々緒さんだったらこうするんじゃないか』と、自分を鼓舞している時があります」と語ると、菜々緒は「とんでもない!」とびっくり。「私こそ、斎藤さんを見習ってきたんです。テレビでのご活躍を見ると、私なんてまだまだだなと思う。ドラマや映画の宣伝に関わる方も、斎藤さんがいらっしゃると心強いですよね。私は、斎藤さんの背中を見て育っています」と尊敬の念を語る。斎藤は「やめてください」と照れながら、「僕が菜々緒ファンなんですよ。インスタも見ています」とコメント。菜々緒は「恥ずかしい!」とこちらも大照れだった。

「このお仕事は私の生きがい」(菜々緒)「『シン・ウルトラマン』はものすごいご褒美」(斎藤)

「斎藤さんには絶大な信頼を置いています」
「斎藤さんには絶大な信頼を置いています」撮影/野崎航正

“ヲタク”になるほどなにかに熱中する登場人物たちを見ていると、「好き」という気持ちは「人生を楽しむ最高のエネルギーになる」と感じられる。常に高みを目指して仕事に打ち込んでいる2人だが、それほどまでに熱中するのはどんな理由からだろうか。

「もともとすごい飽き性」という菜々緒は、「小中高となにもしてこなかったし、熱中してきたものもない。なにかを続けられたという経験もなくて。でもこの仕事に関しては、いつも『一生続けていけるんじゃないか。続けていきたい』と思えるような喜びを感じています。こんなふうに自分から率先してやりたいと思えるものに出会ったのは初めてなんです。やっと情熱を注いで打ち込めるものが見つかった」と吐露。「いろいろな人と協力しながら、一つのことに向かって作業をしていくことがすごく楽しい。このお仕事は生きがいだし、もはや“ヲタク化”しているかもしれません」と充実感をにじませる。

斎藤は「たまにご褒美のようなことが起きる」ことが原動力になるそうで、主演を務める『シン・ウルトラマン』(2021年公開予定)でタッグを組んだ庵野秀明との出会いを例にあげる。

「僕はスケジュールが合って、呼んでいただけるならば、いろいろな現場に行かせていただきたいと思っていて。庵野さんが総監督を務めた『シン・ゴジラ』にも戦車の乗組員の役で、少し出させていただきました。撮影は30分ほどだったんですが、その時に庵野監督は僕になかなか目を合わせてくれなくて(笑)。でも『おもしろい現場を経験できてよかった』と思っていたら、2年後くらいに、『シン・ウルトラマン』の企画書が送られてきたんです。こんなご褒美のような、奇跡のようなことがたまに起きるので、もう辞められません」。

菜々緒は「すごい…」と斎藤の話に聞き入り、またまた刺激を受けた様子。「切磋琢磨していきたい」と意欲をみなぎらせる2人だが、「花子と樺倉のスピンオフ企画もやってほしい!」と意見が一致。『ヲタクに恋は難しい』で、彼らの最高のコンビネーションをぜひ目撃してほしい。

※山崎賢人の「崎」は立つ崎が正式表記

取材・文/成田 おり枝

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