第74回毎日映画コンクール表彰式にスター集結!成田凌「役は選ばずやりたい」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
第74回毎日映画コンクール表彰式にスター集結!成田凌「役は選ばずやりたい」

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第74回毎日映画コンクール表彰式にスター集結!成田凌「役は選ばずやりたい」

第74回毎日映画コンクールの表彰式が開催
第74回毎日映画コンクールの表彰式が開催

第74回毎日映画コンクールの表彰式が、2月13日に、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催。男優主演賞を受賞した成田凌は「僕個人でもらったものというよりは、監督をはじめ皆さんでもらった賞だと思うので、うれしいというよりは感謝しかないです」とキャストやスタッフに心から礼を述べた。

成田は、本作で得たものについて「監督が一番現場を楽しんでいるなと言う印象を受けました。周防組に参加されている方々も、現場を本当に楽しんでいたので、改めて現場が楽しければいいなと思いました」とコメント。さらに今後については「役は選ばずやりたいです。地道にやっていくしかないので、どんな役にもチャレンジしていきたいです」と闘志を燃やした。

『新聞記者』で女優主演賞を受賞したシム・ウンギョンは、黒のマニッシュなスーツで登場。「とても緊張しております。こんなにすてきな賞をいただけてとてもうれしいです」と日本語でスピーチ。『半世界』で女優助演賞を受賞した池脇は「賞がすべてではないんですが、こうやってご褒美をいただけると、ますます頑張れるかなと。とても励みになります」と喜びを口にした。

『凪待ち』で男優助演賞を受賞した吉澤健は「私の出自は、60年代後半のアングラでありまして。このような受賞は夢にも思っていませんでした」と恐縮する。また、吉澤とは、亡き恩師、若松孝二監督の助監督時代からともに仕事をしてきた白石監督は「どこかで若松監督が喜んでくれているのではと。僕もちょっとだけ恩返しになったかなと」と、吉澤の受賞を喜んだ。

俳優たちのフォトセッション
俳優たちのフォトセッション

白石監督自身も、『凪待ち』でTSUTAYAプレミアム映画ファン賞の日本映画部門の賞を受賞したが「香取慎吾さんと一緒に、石巻へ行きました。震災を背景にした作品ですが、香取さんがいなければ、ここに来ることはできませんでした。いつか香取さんとまた一緒に映画を作って、またこの場に来ることを目標に頑張っていきたいと思います」と力強く語った。

初々しいスピーチをしたのは、スポニチグランプリ新人賞に選ばれた2人。『町田くんの世界』で映画デビューをした関水渚は「この映画がなければお芝居の楽しさやすばらしさを知ることができませんでした」と感激しきりだ。また、「『町田くん~』をきっかけにお芝居の虜になってしまったので、いろんな映画に出られるように、息の長い女優さんになりたいです」と抱負を語った。

もう1人、スポニチグランプリ新人賞に選ばれたのが、日本映画大賞受賞作『蜜蜂と遠雷』の鈴鹿央士だ。「なにをしゃべるか考えてきていないので、思ったことを言わせていただきます。映画を作るのって、いい大人たちが本当に真剣に1つの作品に向かい合って、いい作品を作るんだという想いで毎日を過ごす。僕からするとカッコよくて、そういう大人になりたいなと思っている、いまこのごろです」。

また、司会の生島ヒロシから、「これから俳優として、いろいろなことがあると思いますが」と振られると、鈴鹿は「上り坂も下り坂もかかってこいや!って感じです」と頼もしくポーズをとった。

スタッフ陣のスピーチでは、脳性マヒで寝たきり生活を強いられながらも、介助者たちの力を借りて生きる遠藤滋を追ったドキュメンタリー『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋』で、ドキュメンタリー映画賞を受賞した伊勢真一監督のコメントが心に刺さった。伊勢監督は、車椅子の遠藤滋と共に登壇した。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

「学生時代の友人の遠藤にキャメラを向け始め、最終的に24年の記録になり、去年できあがりました。2016年に、相模原の事件(相模原障害者施設殺傷事件)のことが非常にショックで、そのことをなんとか多くの人がきちんと考えていくということをやってもらえたらと。遠藤は今年72歳になるけど、奇跡的に命を拾って、そのあと、自分の力と周りの力でしっかりと生き続けたことが今回の映画の感動につながっていると思います」と真っ直ぐな目で訴えかけた。

【第74回毎日映画コンクール授賞者リスト】

日本映画大賞:『蜜蜂と遠雷』石川慶監督

日本映画優秀賞:『新聞記者』藤井道人監督

外国映画ベストワン賞:『ジョーカー』ワーナー ブラザースジャパン 土合朋宏

男優主演賞:成田凌『カツベン!』

女優主演賞:シム・ウンギョン『新聞記者』

男優助演賞:吉澤健『凪待ち』

女優助演賞:池脇千鶴『半世界』

スポニチグランプリ新人賞:鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』、関水渚『町田くんの世界』

田中絹代賞:風吹ジュン

監督賞:石川慶『蜜蜂と遠雷』

脚本賞:阪本順治『半世界』

撮影賞:クリストファー・ドイル『ある船頭の話』

美術賞:磯田典宏『カツベン!』

音楽賞:RADWIMPS(野田洋次郎 桑原彰 武田祐介)『天気の子』

録音賞:藤本賢一『半世界』

アニメーション映画賞:『海獣の子供』渡辺歩監督

大藤信郎賞:『ある日本の絵描き少年』川尻将由監督

ドキュメンタリー映画賞:『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋』伊勢真一監督

TSUTAYA プレミアム映画ファン賞 日本映画部門:『凪待ち』

TSUTAYA プレミアム映画ファン賞 外国映画部門:『ジョーカー』ワーナー ブラザースジャパン 土合朋宏

特別賞:宮本まさ江(衣装)

取材・文/山崎 伸子

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