【今週の☆☆☆】ザ・クラッシュの名盤を生んだ反骨魂『白い暴動』に『猿の惑星 創世記』監督の近未来SFサスペンス…週末観るならこの作品!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【今週の☆☆☆】ザ・クラッシュの名盤を生んだ反骨魂『白い暴動』に『猿の惑星 創世記』監督の近未来SFサスペンス…週末観るならこの作品!

コラム

【今週の☆☆☆】ザ・クラッシュの名盤を生んだ反骨魂『白い暴動』に『猿の惑星 創世記』監督の近未来SFサスペンス…週末観るならこの作品!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、4月3日(金)から公開される作品をピックアップ。音楽を武器に権力と戦った若者たちのドキュメンタリーや、地球外生命体に支配された地球を描くSFサスペンスなど、バラエティあふれる2作品がそろった!

人種差別撤廃を主張する若者たちの“音楽”とは…?『白い暴動』(4月3日公開)

大規模なデモ行進と音楽フェスが一つになり、巨大なムーブメントとなった(『白い暴動』)
大規模なデモ行進と音楽フェスが一つになり、巨大なムーブメントとなった(『白い暴動』)photograph by Syd Shelton

1970年代後半、不況のイギリスで人種差別を訴える右翼政党の台頭に対抗すべく、パンクを愛する若者たちが立ち上がった。そんな軌跡をたどったのが本ドキュメンタリー。移民たちを排斥しようとする右翼に対して、バンクスたちは“ロック・アゲインスト・レイシズム”という運動を起こす。パンクのスピリットに則ったDIY精神に基づくそれは草の根的に広まり、ついには10万人を動員するデモとコンサートに発展。間違ったと思えることにノー!と言い、時代を変えることになったその波が観る者を芯からアツくするのは、21世紀も人種差別との”闘い”が続いていることと無縁ではない。”昔”を描いてはいるものの、本作は確実に“いま”を捉えたドキュメンタリーだ。(映画ライター・有馬楽)

侵略者との戦いをテーマにした、管理社会への警鐘!『囚われた国家』(4月3日公開)

2027年、地球はエイリアンに支配される!?(『囚われた国家』)
2027年、地球はエイリアンに支配される!?(『囚われた国家』)[c]2018 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

高い知能を得た猿たちが人類からの独立を宣言する『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』(11)で、その名を広めた映画監督ルパート・ワイアット。その最新作は、異星からの侵略者との戦いを描くSFサスペンスだ。全世界が地球外生命体の管理下に置かれた2027年。“統治者”の命令のもと徹底した監視体制を布く警察と、自由を求めテロ活動を行うレジスタンスが攻防戦を繰り広げる。侵略ものといえば宇宙船や超兵器が飛び交うスペクタクルが主流だが、本作は管理社会に抗う人々を追った群像劇。ヒーロー然としたキャラクターは皆無、その多くが労働者階級で人種や宗教、性的なマイノリティも含まれる。そんなどこにでもいる市民が命を捨て権力に挑む姿が胸を打つ。空想世界を通して社会の歪みを指摘する、SFの持つ批判精神あふれる力作だ。(映画ライター・神武団四郎)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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