『大鹿村騒動記』舞台挨拶で大楠道代「天国の原田さんに報告できて嬉しい」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『大鹿村騒動記』舞台挨拶で大楠道代「天国の原田さんに報告できて嬉しい」

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『大鹿村騒動記』舞台挨拶で大楠道代「天国の原田さんに報告できて嬉しい」

特徴的な芝居とセリフまわしで人気を博し、数多くの映画やテレビドラマで活躍しながらも、先月19日に逝去した個性派俳優の原田芳雄。そんな原田の遺作『大鹿村騒動記』は、公開から1ヶ月近く経った今でも、連日、大勢の映画ファンが劇場に詰めかけるほどの大ヒットを記録している。これを受けて、大楠道代、松たか子、佐藤浩市、石橋蓮司ら主要キャスト陣と阪本順治監督が丸の内TOEIに集まり、劇場まで足を運んでくれた多くの観客に向けて、感謝の意を込めた舞台挨拶を行った。

劇中で、原田扮する主人公の妻・貴子を演じた大楠道代は、「本日は朝早くからお越しいただきまして、本当にありがとうございます。『大鹿村騒動記』は公開直後に、原田さんがお亡くなりになるという悲しい出来事がありましたが、映画そのものは大ヒットし、非常に良い評判をいただいています。今日はそのことを、天国の原田さんにご報告することができて嬉しいです」と、亡き原田に対する思いを語った。

また、原田の大親友であり、劇中でも軽妙なかけ合いを見せた石橋蓮司は、「役者どうしって、その日の撮影が終了した後はあまり顔を合わせたりしないんだけど、この映画は別格でしたね。毎晩、村の旅館で顔をつき合わせて宴会を開いて(笑)。出演者は全員、本当に大鹿村の住人であるかのように仲良くやらせてもらいました」と撮影時の思い出を語り、個性的な村人たちに振り回される役場の職員・三江を演じた松たか子は、「私は毎晩、酔っ払った皆さんのお世話が大変で。石橋さんには、村の方と勘違いされて『姉ちゃん、女優になりたいんだろ? 俺が東京に連れてってやる』って誘われちゃいました(笑)」と話し、会場は笑いに包まれた。

そして最後に、阪本順治監督が「原田さんとは、これまで6本の作品で一緒に仕事をさせていただいて、撮影の度に『お前とはいつか、真正面からぶつかり合う作品を作りたい』と言っていただきました。この『大鹿村騒動記』で、ようやくそれが実現できたのではないかと自負しています。この会場の盛り上がりを、原田さんにも見ていただきたいです」と語り、舞台挨拶は終了した。

本作で原田は“シカ料理店のオーナーにして、300年以上の歴史を持つ村歌舞伎の花形役者”という個性的な主人公・風祭善を、持ち前のパワフルな演技で見事に演じきっている。未見の方はこの機会に、圧倒的なオーラを放ち続ける“名優・原田芳雄”の雄姿を、スクリーンで堪能してほしい。【六壁露伴/Movie Walker】

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