「二度目の恋が危険」にドキ!? 『シャンハイ』渡辺謙が語る「女には叶わない」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「二度目の恋が危険」にドキ!? 『シャンハイ』渡辺謙が語る「女には叶わない」

インタビュー

「二度目の恋が危険」にドキ!? 『シャンハイ』渡辺謙が語る「女には叶わない」

ワールドワイドに活躍する渡辺謙の映画最新作は、1941年の太平洋戦争前夜の上海を舞台にした歴史サスペンス『シャンハイ』(8月20日公開)。主演にジョン・キューザック、共演にコン・リー、チョウ・ユンファ、菊地凛子と、そうそうたる顔ぶれで放つ本作では、国家間の陰謀や策略を背景に、男と女の情熱的なロマンスが展開される。本作で、冷酷な日本人将校タナカ役を演じた渡辺謙に、男と女や愛について聞いてみた。

ジョン・キューザック扮する米諜報部員ポールが、同僚コナーの死の真相を探っていくうちに、裏社会のドンの妻アンナ(コン・リー)と恋に落ちる。タナカは、そんなポールを執拗に追う役だが、劇中では彼のロマンスのエピソードも描かれていく。彼はタナカ役に共感できたのだろうか? 「全然シンパシーが湧かなかったです。僕はこんなに去っていく人を追いかけるタイプじゃないので。ただ、すごく理性的で人生をかっちり生きてきた男が、どこか違うところに自分を脱出させたいと思っていて、そういう部分で女性をとらえていたんじゃないかと。女性の元へ行きたいけど、今の自分の立場や抱えているものがそれを許さない。そういうジレンマみたいなものが彼を支配していると思った時、ちょっとはシンパシーが湧きましたが」。

タナカは、最終的にはとてもパーソナルな部分を見せる。「そこに至るまで、どうやって謎を残していくか、見せないでおくかってことは監督と話しました。あまりにも見せないでおくと、ただ残酷なヤツとしか思われないし。小さなかぎ針みたいにチクリともしないような針を、お客さんのどこかに引っ掛けていき、『何なのだろう、この人は?』って思えるようにしたいと思いました」。

この時代の上海が舞台だから、みんなが情熱的な恋に走ったのか? その質問に対して、渡辺の答えはイエスだ。「すごくそう思いました。女性を追いかけているっていうよりは、自分の中にある女性観を追いかけている、そんな感じがしました。ポールもふらっと行ってしまうけど、ただの政治的な理由だけかというとそうでもなくて、何か切ない傷をなめあっている逢瀬だったりするんです。その辺の揺らぎをみんなが持っていた気がします。街が持っているエロスですね」。

会話の中で「二度目の恋が危険」というセリフについて渡辺は、「俺にリンクしないでね」と苦笑い。本作のアンナについて「女性には叶わないです。火傷するよってわかっていても突っ走る。それが辛いところです。どうしたら良いんだろうな(笑)。でも、だからこそ、ドラマがあるんですよ」。

「女性が最後に勝つ」というセリフには大いに賛同したとか。「やっぱり女性の方が、自分の信念に立ち向かっていくんです。男って最終的には本当に弱い生き物なんですよ。だから、争ったら絶対に勝てない。概念にしても生命力にしても、絶対勝てない気がします。まあ、喧嘩をしない、みたいなことです(笑)」。【取材・文/山崎伸子】

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