市川海老蔵主演『一命』の世界観はこうして作られた!デザイン画を特別大公開|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
市川海老蔵主演『一命』の世界観はこうして作られた!デザイン画を特別大公開

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市川海老蔵主演『一命』の世界観はこうして作られた!デザイン画を特別大公開

三池崇史監督が市川海老蔵、瑛太、満島ひかりというキャストを擁し「異聞浪人記」を映画化した『一命』(10月15日公開)。本作の美術を担当したのは、『十三人の刺客』(10)で日本アカデミー賞の最優秀美術賞を受賞した林田裕至であるというのはご存知だろうか

三池監督とのタッグについて、林田は「いつも予想を裏切られ、いつも“こうきたか”という感じ」と刺激を楽しんでいる様子。『十三人の刺客』(10)に続き、本作も時代劇となるが「『十三人の刺客』は初の本格時代劇だったので、オーソドックスな美術。同じことをやっても仕方ないので、今回は冒険したかった」と作品への思いを語る。

今回は、これまでに公開されていなかった林田のデザイン画を公開。「すべてセットを組んでおり、CG合成はほぼ使っておらず、最近ではとても珍しいこと」だと林田は言い、「風→雨→雪と天気が変わっていくシーンも実際にマシーンを入れ替えてCGを使わずに表現」と裏話を明かす。

井伊家の庭では、戸田重昌による『切腹』(62)の美術を意識。当時としてはかなり実験的なことをやっており、「精神は引き継がないと」という思いがあったそうだ。『切腹』が撮影された松竹京都撮影所のベテランスタッフに、「昔のお白洲(井伊家庭)の図面をおこしてくれ」と依頼した林田だが、図面を目にし「意外と狭く、今回はすべて1.5倍で作った。お白洲はできるだけ広くしたが、緊迫感は損なわないように注意した」と振り返る。色使いにもこだわった林田。「井伊家のテーマカラーは赤。歴史事実として、井伊家屋敷はもともと加藤清正のものだった。(関ヶ原後)30年分、金箔と極彩色が色あせ、汚れた感じ。鉛などを使って、色あせた赤と黒を表現した。鮮やかな大名屋敷は『十三人の刺客』でやったので、今回は違うことに挑戦したかった」と細部へのこだわりを語った。

このほか、井伊家の大広間や裏玄関、半四郎の長屋、求女のあばら屋のデザインも公開されたので、是非とも、本作の世界に触れてみてほしい。細部までこだわった時代考証と史上初の3D時代劇にふさわしい飽くなきチャレンジ精神を知ることで、作品への期待が更に高まるはずだ。【Movie Walker】

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