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ラース・フォン・トリアー監督のナチス発言が警察沙汰に「二度と公の場に出ない」

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ラース・フォン・トリアー監督のナチス発言が警察沙汰に「二度と公の場に出ない」

5月のカンヌ国際映画祭に出品された『メランコリア』(全米11月4日公開、日本2012年2月公開)の記者会見で、ヒトラーを支持するかのような発言をして物議を醸し、同映画祭評議会から追放されたデンマーク出身のラース・フォン・トリアー監督が、デンマーク警察から事情徴収を受けたことがわかった。

現地時間の5日にフォン・トリアー監督が声明で明らかにしたもので、「今日の午後2時に、デンマークのノース・ジーランドで警察の事情徴収を受けました。5月にした発言について、8月にフランスのグラースにて、フランスの法律に違反して戦争犯罪を正当化したことにより、違法の罪に問われる可能性を問われている一件」だという。

自分にドイツの血が流れていることを知ったフォン・トリアー監督は同映画祭の記者会見で、「ヒトラーのことが理解できる気がするよ。彼は僕が思うところの良い奴ではないけれど、彼のことは良くわかるし共感する」と発言。同評議会から追放を受けたフォン・トリア監督は、思いのほか大きな問題となった発言について、後に撤回したが、謝罪はしていない。

同作で主演を務めるキルスティン・ダンストなどは、「冗談も通じない」と監督を擁護しているが、ナチスによるホロコーストは今でも根深い問題であり、またユダヤ教徒が多い映画業界においては、冗談では済まされないどころか、警察沙汰に発展するまでに至った。

もろだしの性器や性器を切り刻む『アンチクライスト』(09)でさえも、堂々と記者会見に応じていたフォン・トリアー監督だが、この一件により、現在公開されているニューヨーク映画祭に出品された『メランコリア』では姿を現していない。

そして今回、この事態を受けてフォン・トリアー監督は、「私は自分のことを(偽って)表現するのが得意ではないと悟りました。ですので、この日を機会に今後一切、公の場で発言したり、(映画の宣伝のために)記者会見を受けることを辞めることに決めました」と発表しており、自分の選択とはいえ、実質的に映画界から永久追放される形になったとWENN.COMが報じている。【NY在住/JUNKO】

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