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国に裏切られたスパイVS悪の化身の影武者。イラク戦争を正反対の視点から描いた問題作が上陸

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国に裏切られたスパイVS悪の化身の影武者。イラク戦争を正反対の視点から描いた問題作が上陸

イラク戦争を最後まで止めようとした元CIAエージェント、ヴァレリー・プレイムの手記を基にイラク戦争に隠された真実を描いたクライムサスペンス『フェア・ゲーム』(10月29日公開)。同時多発テロ以降、イラクの核開発を調査していた実在のCIAエージェント、ヴァレリー・プレイム。核がないとの事実をつかんだものの、イラク侵攻へと邁進するアメリカ政府によってその真実を隠ぺいされ、自身も身の危険に晒されていく。その後の調査で、政権トップが絡んでいたことが明るみに出たこの一連の事件はアメリカでも大きく報道され、イラク戦争で疲弊したアメリカ国民から強い批判を浴び、政権交代へのきっかけとなった。

時を同じくして、イラクではサダム・フセイン政権が権力を掌握。大量破壊兵器の存在やテロ組織の温床としてしばしば取り沙汰され、世界各国から脅威としてみなされていた。サダム・フセインの息子ウダイ・フセインの影武者、ラティフ・ヤヒアの自伝を原案に、ラティフ本人の協力とアドバイスのもと、完全映画化した問題作『デビルズ・ダブル ある影武者の物語』が、2012年1月13日(金)より公開される。理由も原因も特になく、24時間365日、1秒たりともぶれることなく悪を生き続けるウダイと、ウダイや父親を尊敬し、家族を愛する普通の青年でありながら、“顔が似ている”というそれだけの理由で影武者に仕立て上げられ、悪に巻き込まれていくラティフ。『マンマ・ミーア!』(09)などで知られるドミニク・クーパーが全く違う人物を一人二役で演じ分けた本作は、早くもオスカーの呼び声が高い。

イラク戦争をアメリカ、イラクそれぞれの国の内部から描いたこの二作。世界情勢を大きく揺るがしたあの戦争の陰で歴史の渦に巻き込まれた普通の人々。彼らの視点から歴史を紐解くことにより、国家権力の恐ろしさ、戦争の悲惨さが浮かび上がる。【Movie Walker】

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