世界各国の映画賞で28冠!ベルリン国際映画祭史上初3冠独占受賞『別離』が2012年春公開|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
世界各国の映画賞で28冠!ベルリン国際映画祭史上初3冠独占受賞『別離』が2012年春公開

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世界各国の映画賞で28冠!ベルリン国際映画祭史上初3冠独占受賞『別離』が2012年春公開

第61回ベルリン国際映画祭において、満場一致で最高賞である金熊賞を受賞、そして銀熊賞(男優賞、女優賞)ではキャスト全員受賞という前例のない最高の賛辞を受け、映画祭史上初の3冠独占を成し遂げた『別離』(第21回アジアフォーカス福岡国際映画祭上映時タイトル『ナデルとシミン』“A Separation”を改題)が2012年春に公開されることがわかった。

本作は、離婚の危機を迎える夫婦の物語を軸に、つなぎとめようとする娘、そして彼らの問題に巻き込まれていくもう一つの家族の姿を通して、単に善悪では割り切れない複雑な人間の心理を、見事な脚本と緊張感あふれる演出で紡ぎ出した濃密な人間ドラマ。夫婦の離婚問題から、介護や格差の社会問題、宗教と倫理の問題、果ては司法の在り方までを浮き彫りにし、映画の舞台である“イランの今”を描くに留まらず、現代を生きる私たち自身にも起こりうる物語として世界中の観客を魅了している。

監督は、アッバス・キアロスタミをはじめ、多くの名匠を生み出してきたイラン映画界の新鋭アスガー・ファルハディ。前作『彼女が消えた浜辺』(10)に続く本作で、精巧な脚本と演出で人間心理の複雑さを掘り下げていく手腕にさらに磨きがかかり、イラン映画界の現在を担う骨太な才能として高い評価を受けている。特筆すべきは、作品賞・脚本賞受賞と評価が高いうえに、本国イランのファジル国際映画祭や、日本の第21回アジアフォーカス福岡国際映画祭などで観客賞を多数受賞。批評家だけでなく、一般観客からも絶大な支持を勝ち得ている。

先日、発表されたアカデミー賞の前哨戦レースの幕開けであるニューヨーク映画批評家協会賞では外国語映画賞を見事受賞し、イギリスの映画雑誌「Sight&Sound」の2011年度ベスト・フィルム・オブ・ザ・イヤーではカンヌ受賞作『ツリー・オブ・ライフ』(11)に次いで2位を獲得するなど、これまでに世界各国の映画祭に招聘出品され、28部門もの映画賞に輝き、現在も受賞歴を続々と更新している。【Movie Walker】

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