『friends』で青おに役の山寺宏一がいつになくプレッシャーを感じた理由とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『friends』で青おに役の山寺宏一がいつになくプレッシャーを感じた理由とは?

インタビュー

『friends』で青おに役の山寺宏一がいつになくプレッシャーを感じた理由とは?

名作童話「泣いた赤おに」をモチーフにした3DのCGアニメ映画『friends もののけ島のナキ』(公開中)。本作で、香取慎吾演じる赤おにのナキの友達で、青おにのグンジョー役を演じた山寺宏一にインタビュー。七色の声を持つ男として知られる山寺だが、今回はアフレコではなく、セリフを先行して収録するプレスコだったため、プレッシャーを感じたという。そんな山寺に、香取との共演シーンの裏話や、本作のテーマである友情について語ってもらった。

プレスコゆえの難しさとはどういう点なのだろうか? 「もともと、日本ではプレスコの作品って少なくて。海外のアニメだと、既に向こうの人の声が入った状態のものに声を当てるんです。その場合、特にタイミングを合わせるのが難しいけど、それが僕らの仕事なんです。今回は僕自身がプレスコをやるに当たり、自由にやって良いと言われたので、逆に大丈夫かなって不安になりました。長年、声優をやっていると、制限のある中で最大限のことをやるのに慣れてしまうというか、制限に頼るようになってしまう。職業病ですね。でも今回、あまり気にせず、慎吾くんとふたりで、頑張って掛け合いをやらせていただきました」。

共演した香取慎吾は、赤おにのナキになりきっていたという。「彼は最初からすごいテンションで入ってきました。僕は慎吾くんのリアクションを見てやれるから、すごくやりやすかったです。慎吾くんはエンターテイナーとしての全ての才能を持っていますね。ナキ役はかなり作り込んでいて、普段の慎吾くんじゃないみたいでした。だから、僕は監督と話し合って、どちらかというとフラットな感じでやったんです。ナキがいてのグンジョーだし、そのバランスが大事だと思ったので」。

人間嫌いだったナキが、人間の子供コタケ(声:新堂結菜)と出会い、優しい感情を芽生えさせていく。グンジョーはナキのために、ひと肌脱ぐ決意をする。「なぜグンジョーがいつもナキと一緒にいるかは、彼らの子供の頃のシーンを見れば一目瞭然です。グンジョーもナキなくしてはここまでやってこられなかったとわかる。ふたりは本当に心の奥底でつながっているんです。究極の友情ですよね」。

今年は東日本大震災が起き、宮城県出身の彼は、いろんなことを思ったという。「今年は本当に特別な年でした。これまでにも友達や友情を大事にしようという映画に出演してきて、頭ではそのことをわかっているつもりでしたが、実感が伴ってなかったのかもしれない。でも今は、本当に友達って大事だなと感じています。人間は絶対、一人では生きていけないし、家族や親子、夫婦、友達など、いろんな絆が必要なんだなって。最後にグンジョーがナキのためにあることをしますが、自分は友達のために、何かやったことがあるだろうかって考えたりもしました。我々が生きていく中で、人のことを思うことはとても大事なことなんだと、ふたりの友情物語が教えてくれました」。

大事な友達ナキのために、グンジョーが取った行動とは? 童話を読んだことがある人なら、展開を予想できるのに、それでも涙腺を刺激されてしまう。珠玉の友情のドラマは、ハンカチ必携で臨みたい。【取材・文/山崎伸子】

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