第84回アカデミー賞ノミネーション直前予測!主演男優賞編|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
第84回アカデミー賞ノミネーション直前予測!主演男優賞編

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第84回アカデミー賞ノミネーション直前予測!主演男優賞編

アカデミー賞のノミネーション発表がいよいよ現地時間1月24日に行われるが、第69回ゴールデングローブ賞(以下、GG賞)が終わり、多くの話題は受賞者予測に移っているだろう。しかし、まずはノミネートされることが肝心で、今年は少々ドラマがありそうな予感。そこで、movieline.comなどのデータをもとに、主演男優賞のノミネーション予測を受賞確率の高い順番にまとめてみた。

あいかわらずのデッドヒートが繰り広げられるメインのカテゴリーの中で、まさかのノミネーション予測が出ているのが主演男優賞候補だ。従来のアカデミー賞の嗜好ではドラマ部門が好みであり、昨今の傾向を見る限り、GG賞のドラマ部門で主演男優賞を受賞した『ファミリー・ツリー』のジョージ・クルーニーが首位に来るはずだが、やはり今年はコメディ・ミュージカル部門でGG賞主演男優賞を受賞した『アーティスト』のジャン・デュジャルダンが最有力候補に挙がっている。

というのも、本来のコメディ・ミュージカル映画とは違い、モノクロのサイレント映画であるうえに、過去の偉大な映画にオマージュを捧げているという点においても、高齢者の多いアカデミー会員にアピールするに十分な作品、役どころであるということ。一方で、原作本があるとはいえ、『ファミリー・ツリー』でジョージが演じたのは歴史に残る人物ではなく、普通の父親役であるうえに、シリアスな内容である割には少々タッチが軽めの作品であるため、ジョージには一昨年のアカデミー賞主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハーツ』(09)のジェフ・ブリッジスや、昨年『英国王のスピーチ』(10)で同賞を受賞したコリン・ファースのようなダントツ感がなく、実際に他の各映画賞を総なめする状態にはなっていない。

GG賞の受賞スピーチで、「顔が大きすぎるし、濃すぎる(眉毛などの顔の作り)から映画俳優は無理だと言われたけれど、映画俳優としてこの賞を受賞できて嬉しい」と片言の英語で語っていたフランス人俳優のジャン。音声がないだけに、顔の表情と動きだけで感情を表すのはある意味、とても演技力が必要とされるという点でも、最高峰のアカデミー賞を受賞する可能性が高そうだ。

次点にはジョージの名が挙がっているが、『マネーボール』のブラッド・ピットも最有力候補から漏れてはいない。しかし、ブラッドが実在の人物であるMLBオークランド・アスレチックスのジェネラル・マネージャーに扮しているという意味ではジョージより優勢だが、アカデミックな作品を好むアカデミー会員にとっては、野球というフィールドが少々不利だと考えられているようだ。

4人目には『SHAME シェイム』のマイケル・ファスベンダーが確実視されているが、5人目には『J・エドガー』のレオナルド・ディカプリを押しのけ、英国アカデミー賞のノミネーションを席巻して急激に勢力を伸ばしている『裏切りのサーカス』のゲイリー・オールドマンのノミネーションを予測している。

GG賞ドラマ部門からは、レオと『スーパー・チューズデー 正義を売った日』のライアン・ゴズリングが落選、コメディ・ミュージカル部門からは、ジャン以外の『The Guard』のブレンダン・グリーソン、『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョゼフ・ゴードン=レヴィット、『ミッドナイト・イン・パリ』のオーウェン・ウィルソン、『ラブ・アゲイン』のライアン・ゴズリングの4人が予想通りノミネーション予測から落選しているが、レオに関しては、まさかの落選予測だ。

アカデミー会員お気に入りのクリント・イーストウッド監督作品は、従来であればこの時期、上映館数が少ないにもかかわらず、ロングランでトップ10入りを果たしていることが多いにも関わらず、11月に公開された同作では初登場5位、翌週にはトップ10圏外に落ちるという結果に終わっており、現在はほとんど劇場公開されていないという状況。さらに、J・F・ケネディ米大統領暗殺やマリリン・モンローの死など、アメリカ国民が食いついてきそうな事件に関わったとされる初代FBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーを描いた作品がこのような結果になったのは少々意外な展開で、作品そのものの話題性に欠けている感もあるようだ。いずれにしても、レオの渾身の演技があまり世間に広まらなかったのは残念だが、これに対してアカデミー会員がどんな審判を下すのか。他のメディアの予測でも、『SHAME シェイム 』のマイケルの4人目まではノミネーションを確実視しており、今年は5番目の椅子を競い合う展開になりそうだ。『J・エドガー』がイーストウッド監督とアカデミー賞の常連であるレオのコラボ作であるだけに、ノミネーションの時点から、5人目が誰になるのかが大きな注目を集めている。

なお同サイトは、ゲイリー・オールドマンの次点として、『明日を継ぐために』のメキシコ人俳優デミアン・ビチルを挙げており、以下にレオ、『Take Shelter』のマイケル・シャノン、『スーパー・チューズデー 正義を売った日』のライアンの名を挙げている。【NY在住/JUNKO】

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