念願のアニメ主演声優に挑戦した栗山千明が語った意外な悩みとは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
念願のアニメ主演声優に挑戦した栗山千明が語った意外な悩みとは?

インタビュー

念願のアニメ主演声優に挑戦した栗山千明が語った意外な悩みとは?

世界中で600万本を売り上げた大人気ゲーム「DRAGON AGE」を、CGクリエイター・曽利文彦がアニメ映画化した『ドラゴンエイジ ブラッドメイジの聖戦』が2月11日(土)から公開される。同作は、リアルな描写とハードな世界観が世界中で絶賛された海外RPGゲームを映画化したダークファンタジー。世界を統治する“チャントリー(教会)”に仕える女性騎士カサンドラ(声・栗山千明)が“チャントリー”を巡る巨大な陰謀に巻き込まれ、邪悪な魔法使いの集団“ブラッドメイジ”と戦う姿を描く。主人公カサンドラの声を務めたのは、“クールビューティー”の代名詞とも言える女優・栗山千明。アニメやゲームが好きという、いわゆる“オタク”的な一面を持ち合わせていることも世間に浸透しつつある栗山が今回、主演声優に初挑戦。そんな彼女にインタビューを敢行した。

――今回、アニメ声優として初主演になりますが、感想を聞かせてください

「まさか主演の話を頂けるなんて想像してなかったので、びっくりしました。しかも格好良い女性に私の声を選んでいただけて光栄だなと。務まるか不安で緊張したけど、それでもアフレコを楽しみにしていました」

――アフレコに向けて準備したことや、参考にしたことなどは何かありますか?

「今回、私が最初にアフレコをしたんです。なので、ほかのセリフがまだ全て英語で、セリフじりがわからなかったのでセリフ出しの秒数やブレスの位置を台本に書き込んだくらいですね。カサンドラという役に対しては『こうあってほしいな』という私の勝手な憧れがあったので想像はしやすかったです」

――以前、声優で出演された『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)と比べてどちらが苦労されましたか?

「『スカイ・クロラ』かな。まだ声優のお仕事に慣れてなかったし、嗚咽をしながらのセリフがあったんですけど、それが大変でした。カサンドラは、感情的になっても自分を保っていられるような、弱くない女性なのでわりと冷静にできたと思います。普段のお芝居の時は自分で間を取って、言いたいタイミングでセリフを言えるけど、声優のお仕事は、画に合わせながら泣かなければいけないのが難しい。感情的なのに合わせなきゃいけないというか。長いセリフではちょっとずつ画とズレちゃったり」

――栗山さんにとって声優業と女優業で異なる部分はどこですか?

「声優は、より想像力が必要だと思います。お芝居は、動きながらやるものなので考えなくても良い部分があるんです。たとえば、椅子に座るときに『ふぅ』って息が出たりする。でも声優のお仕事は、画を見てタイミングを合わせて自分がそうしてるように意識して声を作らないといけない。セリフの間やスピードを自分で作れないので。どれだけ自分が普段自由にお芝居してるんだろうって思っちゃいますね(笑)」

――今後も声優のお仕事はやり続けていきたいですか?

「お話をいただければ是非やりたいんですけど、自信がないんですよね。カサンドラの幼少時代の声もやったんですけど、そっちの方がすんなりOKが出てしまって…。何か悔しいというか(笑)」

――曽利監督は栗山さんの印象を「“クール”なイメージがあったけど、それ以上に“チャーミング”な人でした」と言っていましたね

「そうでしたね(笑)。なのでカサンドラの声も、トーンをいつもより低めに落としてやることになったんです。でも、感情的になるシーンや声を張るシーンではトーンが高くなっちゃって…、そこに気を付けました。私、音楽活動をしていて、さんざん痛感するんですけど、自分の声が明るくて拍子抜けしちゃう声なんですよね。谷原章介さんやGACKTさんみたいな素敵で深みのあるお声が羨ましくて。私は何の特徴もないというか。でも、私にオファーが来るってことは声優さんらしいことを求められてるわけじゃないと思うんです。それだったら、本業の方にお願いするはずだし。だから、変に作りこんでアニメっぽくするよりかは、そのままの私を出した方が良いんじゃないかと。でも完成してみたら、谷原さんもGACKTさんもすごく個性的だったので、私もちょっとは作り込んだ方が良かったかなーなんて(笑)」

曽利文彦が手掛けたCGは「すごい」の一言に尽きる。アニメ好きの栗山が「ハラハラドキドキするし、美しい」と豪語するのも納得だ。加えて栗山は「美しさだけではなくキャラクター一人、一人にストーリーがあり、見た人の心に残る作品になっています」と作品を評した。声優・栗山千明にとって大きなチャレンジであり、大切な通過点になったであろう本作を是非劇場で目撃してほしい。【取材・文/瀬川景虎】

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